【Dailyアレ!アレ!ユキヤ】ミランがポイント賞を手堅く守る ジロ・デ・イタリア第3ステージ

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023 第3ステージ

ラスト2km、ジョナタン・ミランを守ってグルペットで走る新城幸也

ジロ・デ・イタリア2023への出場が決まった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)を追って現地へ飛んだ、本誌の連載「アレ!アレ!ユキヤ」を担当する番記者・大前 仁のレポート。

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ジロ・デ・イタリア2023 第3ステージはヴァストからメルフィまでの213km。僕の滞在していた100km離れた町では朝方雷雨が降って途方に暮れたが、スタート地点はどうやらまだ曇ったままだ。

相変わらずスタート地点から1km以上離れたチームバスの駐車場は諦めて、サイン台の近くでユキヤを待つことにした。しかし、もう選手たちはサインをしていなかった。新城美和さんに聞けば「コロナもあってサインはなくなった。ツール・ド・フランスもボタンや掌紋認証になっています」とのこと。ちょっとレースに行かない間にいろいろと変わってしまったようだ。

選手たちがチームごとに壇上に上がると観客が大歓声を挙げるのは昔と変わらない。チームにかかわらずイタリア人選手には大きな拍手が浴びせられるし、プロチームから選出されたバルディアーニ・CSFなどにも声援が飛ぶ。

昨日の優勝者、ジョナタン・ミランがマリア・チクラミーノを着て中央に立ち、バーレーン・ヴィクトリアスが登場したのは、真打ち登場というか、マリアローザを擁するスーダル・クイックステップなど数チームが残るだけの制限時間ギリギリで、僕はユキヤを撮って慌てて駐車場へと走った。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023 第3ステージ

いつもならスタートからフィニッシュまで、選手が走るコースとは別に関係者が迂回するルートが(安全のために)用意されるのだが、今日はその途中が重複している。まさか迂回車両が選手と併走はできないから、この区間はずっと先に走ってしまうか、選手たちを行かせて後ろからたどるしかない。

選手たちが走る道は朝から交通規制が敷かれているはずだが、迂回は一般道なので、それが合流するということは、混乱とか渋滞のもとなのだ。しかもGIRO-Eという楽しげなライドがレースの前方を走っていて、その通過の間も道路は閉鎖されるはず。イタリアは離れ業のようなイベントをやってのけているのだ。

さて、レースは2人が逃げる展開となったが、そのため107km地点フォッジアでの中間スプリントは集団の先頭にもポイントが加算されることになった。ユキヤがジョナタン・ミランを引き上げてスプリント、ミランは無事に集団の4位で3ポイントを獲得した。

170km付近からのカテゴリー3と4の上りが勝負所になりそうだ。案の定、集団はペースを上げて逃げを捕まえ、そのままペースを上げたので後方ではミランが脱落。ユキヤもそれに付き添いフィニッシュまでグルペットとなった。
この日、中間スプリントで得たポイントを含めミランは53ポイントを持ち、マリア・チクラミーノを手堅く守っている。

第4ステージは山を2つ越えて最後にまた標高差500mほどを上ってラーゴ・ラチェノにフィニッシュするステージだが、「ジャージを着ているので中間スプリントを狙わない理由はない」とユキヤは語っている。

 

第106回ジロ・デ・イタリアを前に ゼッケン42番・新城幸也インタビュー

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