サイクリストがハイキングに初挑戦! 那須高原e-bike&ハイキングツアー

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  • text 編集部
  • photo CYCLE SPORTS/ライドエクスペリエンス

栃木県北部の日光国立公園・那須エリアの山、川、高原を一度に楽しめる新しいスタイルのツアー「那須高原e-bike & ハイキングツアー 」に2日間参加してきた。ツアー内容は那須高原や那須岳という大自然のなかでサイクリングやハイキング、登山を楽しむものとなっており、季節に応じた食事や景色を堪能できる。サイクリングもハイキングも初心者でも参加しやすいエントリーレベルで、サイクリングはeバイクをレンタルできるので上り坂もラクラク。ハイキングや登山もガイドの人の案内があるため、安心して参加できる。

今回ツアーに参加した編集部 越はもちろんサイクリングには慣れているが、ハイキングや登山は初体験である。ハイキング用ウェアは持っていない、ハイキングシューズの履き方もわからないが、果たして無事にツアーをフィニッシュできるのか!?

1日目・eバイクで美しい景色を眺めながらのサイクリング

1日目は午前にサイクリング、午後に八方ヶ原ハイキングの予定だ。サイクリングは約23kmでサイクリストなら少し物足りない距離に感じられるだろうが、獲得標高は約315mと意外と上る。さらに午後からはハイキングとなると、体力に不安がある人は心配になるだろう。しかしご安心を、このツアーはeバイクで走るため、サイクリングではあまり体力を使わないのである。実はeバイクをガッツリ乗るのも初めてであり、上りでどれだけ楽できるのか楽しみだ。

朝9:30に那須ガーデンアウトレット内のライドエクスペリエンス ツアーデスクに集合した。ブリーフィングでは主催の山本徹也さんが、ルートや集団走行時の注意事項など、安全にツアーを行うための説明をする。サイクリングに不慣れな人でも楽しむために必要だ。1日目のサイクリングルートはライドエクスペリエンス ツアーデスクからスタートして絶景の農道を通り、木の俣渓谷や板室温泉の上り坂を楽しみ、昼食場所となるテンカラを目指す約23kmの道のりである。

編集部 越がツアーに参加

自転車に不慣れな人も余裕の表情だった

今回の使用eバイクはヤマハ・YPJ-C

吊橋を自転車で走行するというレアな体験ができる

スタート地点の戸田水辺公園に到着し、さっそくバイクの準備をしてサイクリングに出発する。

走り出してから約4km地点は農道で信号ストップもほとんどなく、ストップアンドゴーが楽というeバイクの恩恵はあまり感じられなかったが、山には入ればその恩恵を十分に感じられるだろう。そしてお待ちかねの上りが登場した。さっそくアシストをハイするとグイグイと上りを進んでくれる。これは楽だ。ヒルクライムでも鼻呼吸で走れるので、走力に不安がある人でも景色を堪能しながら上れる。本格的に上りを楽しみたい人はアシストをエコにすれば、息を切らせながらのヒルクライムができるのも嬉しいポイントだ。アシストをオフにしてヒルクライムをしたいと考える人は十分に気をつける必要がある。一度、軽い気持ちでアシストをオフにしてみたら、ギヤがアウターにあったため失速しすぎて立ちごけするかと思った。もしオフにする場合はギヤをインナーに入れることをお忘れなく。

1日目・初ハイキング! サイクリングジャージは万能だ

バックポケットが意外と便利

ランチは炭火焼きの魚で美味しかった

ハイキングコースをひたすらに歩く

約13kmのサイクリング後は囲炉裏で自然料理の昼食をいただいた。囲炉裏の炭火で焼いたヤマメやご主人が取ってきたキノコが盛り沢山のうどんを食し、雨に打たれ冷えた体には嬉しい昼食だ。昼食後はハイキングのスタート地点である山の駅たかはらへ。八方ヶ原は日光国立公園に広がる標高約1000mの大地で、雷霆(らいてい)の滝を目指して約3kmのハイキングが始まる。

初ハイキングということで、もちろんハイキング用ウェアは持ってなくサイクリングジャージを着用した。同じツアーに参加している登山メディアの人にハイキング用ウェアについて聞いたら、重要な性能は吸汗速乾、伸縮性、保温性(冬)とのこと。おや? サイクリングジャージも同じような性能をうたっているではないか。ということは、サイクリングウェアはハイキングで着用しても問題なしということだ。デザインがハイキング用ウェアに比べて派手なのが難点だが、気にしない人ならばサイクリングジャージでも大丈夫だ。ただし、ショーツはその上にハーツパンツなどを履いた方がいいだろう。

できることならずっと雷霆の滝を眺めていたかった

ハイキングの準備を整えスタートする。ハイキングは初めてだったが、ガイドの人が疲労の少ないルートやペース配分のおかげで楽しく滝まで行くことができた。大きめの石や木の根が道にあり、アドベンチャーを味わえる初心者でも楽しめるコースである。約90分ほどかけて雷霆の滝に到着。大迫力の雷霆の滝を眺めながら用意していただいたコーヒーを味わうのは良いものだ。そして休憩後にスタート地点を目指して出発。ここまで下って来たということは、帰りは上りということ……。上りは階段をあがるような感じなので、スクワット的なトレーニングになる発見をした。重りがあれば十分な筋トレになるだろう。そんなことを考えながら山の駅たかはらまで戻る。その後はホテルに向かい、この日の疲れを温泉で流し、1日目のツアーを終えた。

2日目・体幹強化に最適!? 岩場を通り山頂を目指す登山

茶臼山の頂上を目指して上る

2日目は登山からスタートだ。朝8時、峠の茶屋まで車で向かい、ガイドの人を先頭に初登山が始まる。ルートは那須岳峠の茶屋駐車場から茶臼岳の山頂を目指す、獲得標高約500mの登山である。登山の服装は1日目と同様にサイクリングジャージを着用である。前日にホテルに戻ってからコインランドリーで洗濯し、浴室に干すと乾いていたので速乾性のあるジャージはうれしい。

山頂は天気が良く遠くまで見渡せた

サイクリングジャージは登山でも活躍

登山は自転車のヒルクライムとは違いタイムを比べるものではないため、美しく広大な景色を眺めながら上ることができる。ただ足場が悪く、景色ばかりに気を取られると危険なので、景色を見るときは立ち止まった方がいい。また、ヒルクライムと似ているところもあり、それは山頂にたどり着いたときの達成感である。ヒルクライム中に「なぜこんな、つらいことをしているのだろう」と思ったことがある人もいるだろう。実は登山中にこう思ったことがあったが、山頂の景色を眺めたときにはその思いはなくなり達成感に満ち溢れた。登山が好きな人はこの達成感を味わいに行っているのかもしれないと山頂で感じた。私はヒルクライムしているときはいつもタイムとパワーばかりに集中していたため、景色を楽しむことはなかったが、次からは景色を楽しむようなヒルクライムをしようと誓った。登頂後はロープウェイで山麓駅まで行き、午後のサイクリングに向けて着替えと昼食を済ませて準備する。

2日目・eバイクで獲得標高472mのヒルクライム

那須高原線をダウンヒル&ヒルクライム

2日目は午後がサイクリング、大丸温泉付近の駐車場をスタートに殺生石まで下り、スタート地点まで上るルートとなっている。1日目のアップダウンとは違い、2日目は本格的なヒルクライムが楽しめるコースだ。スタート地点から殺生石までは爽快なダウンヒルで、道幅は広く、道路も比較的穴やひび割れも少なく、初心者もダウンヒルを楽しめるだろう。秋〜春の肌寒い季節のダウンヒルは軽量ダウンや厚手の手袋を用意しておくことをおすすめする。

途中で寄った「駒止の滝」は那須の見事な紅葉を見ることができた

自転車お守りはサイクリストに喜ばれる

殺生石で休憩&観光できる

殺生石は那須温泉神社の近くにあり、観光名所となっている。那須温泉神社には山岳賞模様の自転車お守りがあり、サイクリストには嬉しいアイテムだ。また、神社入り口近くにはこんばいろの湯という、ちょっと立ち寄って疲れを癒やすにちょうど良い足湯がある。那須温泉神社から殺生石のある場所までは多少歩く必要があるが、道は舗装されているためロードバイク用のシューズでも歩きやすいだろう。

殺生石を観光した後はスタート地点の駐車場までのヒルクライムが始まる。eバイクの本領が発揮される所だ。アシストモードをハイにすると上りでも平地の様に走ることができる。ハイのアシストモードはグイグイ上ってくれるが、ディスプレイに表示されているバッテリー残量がどんどん減っていく。本ツアーではサポートカーが同行してくれるため途中でバッテリー交換ができ、バッテリー残量を気にしないで走れるのは嬉しいポイントだ。約3時間の景色を眺めながらのサイクリングを楽しみスタート地点まで戻る。10月下旬の本ツアーでは那須湯本〜大丸間の標高の紅葉の最盛期を堪能できた。

広大な景色を眺めながらサイクリングでき、登山はサイクリストのトレーニングにもなる

都心にはない美味しい空気のなかでサイクリングできる

サイクリングとハイキング、登山を組み合わせた新しいツアー

2日目の登山は何度か足を滑らせた場面はあったが、無事に怪我なくツアーを終えることができた。サイクリングは2日間共に天気に恵まれなかったが、それでも十分に景色を楽しむことができたし、eバイクのおかげで必要以上に疲れることもなかった。ハイキングや登山は初体験でもまた行きたくなるほど楽しかった、特に登山は頂上の景色は一生忘れないだろう。登山は体幹やハムストリングのトレーニングを合わせて行えるため、レース志向のサイクリストにおすすめでき、サイクリングジャージでも行けるため初期費用が抑えられるのも嬉しい。栃木県北部の日光国立公園・那須エリアの美しい景色を眺めながらのサイクリング、ハイキング、登山ができ、さらにトレーニングにもなるという最高のツアーでした。

本ツアーはライドエクスペリエンスが主催し、募集型のツアーは来年度4月後半から実施する。2人以上から申し込みできるプライベートツアーは常に募集しており、季節に応じたサイクリングとハイキングが楽しめる。

那須高原e-bike & ハイキングツアー(2020年秋・特別モニターツアー)
http://ride-experience.com/3024

来年度は4月後半以降から。

プライベートツアー
http://ride-experience.com/private