初代シクロクロス最速店長 向山浩司の想い

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シクロクロスカテゴリーで初めて開催された全日本最速店長選手権。その初代王者になったのはAKIRUNO-Cycling Academy Project(A-CAP)の向山浩司店長だ。オンロード、オフロードを問わず「日本一教える店」を標榜する店長の、シクロクロスにかける想い、この日のレースにかける想いを聞いた。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

 

稲城クロスのコースは、過去何度も参加していることもあって、よく知っているコースです。ライバルとしてチェックしていた野中(秀樹)君(ホダカファクトリーレーシング)は、埼玉なので地の利は僕の方があると思っていました。実際そういう展開になったし想定通りでした。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

僅差でレースを進める向山と野中

 

テクニカルセクションは僕の方が速かったけど、すぐ後ろの野中君も同じラインをトレースして差がつかなかった。階段セクションでは僕の方が遅かったのですが、調整に失敗し、脚に筋肉痛が残っていたので、階段でスピードが出ませんでした。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

階段セクションをクリアする向山

 

だから、テクニカルセクションでわずかにリードしても、階段でリードを失うという展開だった。ラスト2周でペースアップする作戦だったんですが、そこでバックマーカーにひっかかって落車してしまいました。それで逆転を許し、もう一度抜き返して、本当にギリギリでした。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

「ギリギリだった」と振り返る、最速店長選手権の勝利

 

前の何人かはC1レベルの走りだったし、実際にレース周回数もこの日一番多かった、最速店長選手権はレベルの高いレースだったと思います。

路面が乾いていたので、かなりハイスピードで展開されると思っていました。朝はドロドロでしたけど、最速店長選手権のころには乾いていましたね。セオリー通りで行けばノーマルタイヤでよかったけれど、落車のリスクを軽減して確実に勝ちたかったのでマッドタイヤを選択した。でもマッドタイヤは、踏んだ時のかかりが遅いから、どこが滑るか確認しつつ途中でマシンを交換しようかなとも思っていたけれど、野中君が速かったのでその余裕がなかった。

ちなみにシクロクロスのレースではグリップ力が高く、衝撃吸収力に優れたチューブラータイヤを使用しています。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

稲城クロスの1コーナーへ向けてホールショットを決める。この辺りはドライコンディション

 

空気圧は、前後とも1.6barにしていました。根っこがあるわけじゃないから低めでも大丈夫なのですが、コーナーが多いので空気圧を低くしすぎるとコーナーの立ち上がりでタイヤがよれてロスにつながるので、僕の体重だと1.6barが一番扱いやすかったです。稲城クロスは毎回出場しているなじみがあるレース。店長選手権の開催を聞いたときに出たかったしチャンスがあると思った。コロナで延期が続いたけど、レーサーとしては走りを披露する場がないと何も始まらないので、こんな時期だけど開催して頂けたことは嬉しいし、有難いです。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

お店のチーム員と記念撮影

 

今まで店長選手権はロードがメインだった。でも、自転車店に来るお客さんのニーズは多様化していて、ロードだけじゃなくマウンテンバイクやシクロクロスバイク、グラベルバイクに乗るお客さんも増えました。そのため、店長はいろいろな自転車遊びを知っている人じゃなければいけないと思っています。だからオフロード系で最速店長選手権を行ってくれたのはいいことだと思っています。

ハイレベルな戦いになったし、開催の意義は大きいと思いますね。

普段、シクロクロスレースに参戦するときは、A-CAPとしてではなく、スネルシクロクロスチームで走らせてもらっている。サポートを受けて、結果を出さないといけない環境で走ることで自分を追い込んで高いパフォーマンスを実現しています。

 

2022稲城クロス最速店長&社長選手権

男泣きの向山

 

現在、43歳だけれどマスターズじゃなくてC1で走り続けています。その環境をもらえていることに感謝しています。

ショップのチーム員には、普段はショップのジャージで走っているのに、レースではスネルのジャージで走っていて迷惑かけているなと思っている。だから、最速店長選手権をA-CAPのジャージで勝てたのはうれしい。

(どういったらいいだろう、難しいな……と前置きして)自慢みたいな言い方になっちゃいますけどJプロツアーで7位になったこともあるし、シクロクロスでUCIポイントを持ったこともあるし、MTBもエリートで走ってきた。3種目で国内トップカテゴリーで走り、全日本選手権も経験し、選手としての実績はあるけれど、店長としての知名度も評価も低かった。だから今日、店長として1位をとれたことが本当にうれしい。東京の西の端のあきる野の自転車屋の店長が、日本一の店の代表として注目してもらえたのがうれしい。

スタート前に、チーム員に「今日のレースで勝ったらみんなは日本一の店の客だよ」って言ったんです。自転車屋としてのキャリアは40歳ちょっと手前から。こんなんでも店を続けられるのは、チーム員やお客さんのおかげ。だから、今日の勝利で少しでも恩返しになればと思っています。

まだまだ店長としては未熟。お客さん達と切磋琢磨して、自分も成長しながら運営してここまできました。日々気づかされることばかり。だから今日の勝利はお客さんと勝ち取ったものだと思っています。

 

シクロクロス最速店長の店「A-CAP」

A-CAP(AKIRUNOーCycling Academy Project)

住所:東京都あきる野市小川東3-9-15アローラビル1F
TEL:042-533-2495
営業時間
平日 13:00〜20:00
土日祝 12:00〜17:00
火曜休(レースやイベントによる営業時間の変更あり)