【MTBはじめようVol.2】MTBの種類解説&はじめての一台選び編

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【MTBはじめよう!】MTBの種類解説&はじめての一台選び編

特別協力:スペシャライズド・ジャパン 撮影協力:フォレストバイク

これからMTBを始めたい人に向けた、基礎の基礎から学べるシリーズの第2回目。今回は“MTBにはどんな種類があって、その中でおすすめはどんなものなのか” “最初の一台を買うときにどんな観点で選んだらいいのか”について特集しよう。

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MTBの主な種類を知ろう

前回の「買う前にやっておくべきこと編」では、MTBは常設パークで気軽に体験でき、まずは買う前に実際に乗ってみて、その魅力を味わってみよう、ということを学んだ。筆者も実際に関東圏内で行ける有名どころのパークにいくつか行って遊んでみて、もう今すぐにでもバイクが欲しくなった。

が、いざ最初の一台を手に入れよう! と思って気になるブランドのウェブサイトを眺めてみると、もういろいろと種類がありすぎてわけが分からないではないか。まずはMTBには主にどんな種類があるのか、ジャンルとそれぞれの特徴を知る必要があるな、と思った。それは読者だけでなく、読者の皆さんも同じだろう。

ということで、シリーズ通してのアドバイザー・板垣奏男さんに教えを乞うた。

板垣奏男さん

板垣奏男(いたがき かなお)さん。東京サイクルデザイン専門学校を卒業後に本場カナダへ渡り、高度なライディングスキルからトレイルビルディングに至るまでを習得。現在はプロライダー/インストラクターとして活躍している。

「MTBには、主にクロスカントリーバイク(XC)、トレイルバイク(オールマウンテンと呼ばれることもある)、エンデューロバイク、ダウンヒルバイク(DH)の4つの種類があります。これ以外にもありますが、大きなカテゴリーで言うとこれらとなります。まずはそれぞれの特徴について紹介しましょう」と板垣さん。

クロスカントリーバイク

クロスカントリーバイク

クロスカントリーバイク。写真はスペシャライズドのエピックというモデル(シリーズ)。

クロスカントリーレースという、競技用のMTB。ロードバイク並みに軽いのが特徴で、特に効率よく上りをこなすことに主眼が置かれている。持久系レース用バイクと言える。

トレイルバイク

トレイルバイク

トレイルバイク。右側はハードテールタイプで【写真はスペシャライズドのフューズというモデル(シリーズ)】で、左側はフルサスペンションタイプ【写真はスペシャライズドのスタンプジャンパーというモデル(シリーズ)】。

“山遊び”のためのバイクとも言える、上りを楽に上ることができるし、下りも安定して走ることができる、バランスの取れたオールラウンドなタイプのMTB。

トレイルバイクの中でもさらにいろいろな種類があり、フロントサスペンションのみでリヤ側にサスペンションのない「ハードテール」タイプと、リヤ側にサスペンションのある「フルサスペンション(フルサスとも言う)」にさらに分けられる。フルサスペンションは衝撃吸収能力が高いので、より安定して下りを走ることができる。

主に下りをどれだけ安定して走れるかに影響を及ぼすのがサスペンションの可動量を表す「トラベル量」だが、フロント:130mm〜160mm、リヤ:130mmのトラベル量になっているのがトレイルバイクの傾向だ。

エンデューロバイク

エンデューロバイク

エンデューロバイク。写真はスペシャライズドのエンデューロというモデル(シリーズ)。

「エンデューロレース」というMTB競技用に作られたバイク。エンデューロレースとは、1日に複数の下りセクションを走り、その合計タイムの速さを競う競技で、各セクションのスタート地点までの上り坂を自走しないとならないのが特徴(下り区間以外はタイム計測しない)。車で言うラリーと同じ形式だ。なので、トレイルバイクよりも下り性能に特化しつつも、上りもある程度楽に上れるように設計されている。これもレース用バイクと言える。

ダウンヒルバイク

ダウンヒルバイク

ダウンヒルバイク。写真はスペシャライズドのデモというモデル(シリーズ)。 photo●スペシャライズド

上り性能は捨てて、下り性能に特化したMTB。険しい下りを走り、タイムの速さを競い合う「ダウンヒル」という競技用だ。他の種類に比べ、最もサスペンションのトラベル量が多い。基本的に車やゴンドラなどで山を上り、スタート地点まで行くことを想定している。これもレース用バイクだ。

おすすめの種類は?

種類についてはだいたい分かった。では、この中でおすすめは?

おすすめはトレイルバイクです。ちょうど中間でバランスが取れているのが良いところで、山の上りを楽しむこともできるし、下りも楽しむことができるからです。そこから派生して、“自分は下りを楽しみたいんだ”といった好きな方向性が見つかるという意味でも、とても有意義です。

いきなりレースに挑戦しようという人もなかなかいないでしょうし、例えばダウンヒルバイクをいきなり買ったとして、“これ、どこで乗るの?”となっちゃいますよね。トレイルバイクなら幅のある楽しみ方ができるし、いろいろなフィールドで走って楽しめます」。

最初の一台を選ぶ4つの基準

さあここから本題だ。おすすめの種類はトレイルバイク、ということが分かったところで、最初の一台にはズバリどんなものを選んだらいいのか?

「次の4つの基準を満たすトレイルバイクを選ぶといいでしょう」。

 

POINT1 ハードテール

ハードテール

ハードテール

「リヤサスペンションが搭載されていない、ハードテールタイプを最初は選ぶのがおすすめです。もちろんフルサスペンションの方が下りは楽になりますが、メカが増えている分プラスアルファでメンテナンスも必要になるので、まだMTBに知識が少なく扱いも慣れていない人にとっては、構造がシンプルなハードテールがいいと思います。

まずハードテールで乗って慣れたところで、そこからフルサスペンションが欲しいと思ってそっちに移行する人は多いです。そういうフルサスへ移行するまで潰しが効くという意味でもハードテールがおすすめです」。

 

POINT2 ドロッパーシートポスト

ドロッパーシートポスト

ドロッパーシートポスト

「“MTBで最も楽しいとされているのは下り坂”です。特に最近のMTBシーンではその下りを中心に楽しむ傾向が強いですね。ドロッパーシートポストは、そうした現代のMTBライドをより楽しむため、そして入門には必須と考えていい装備です。

ドロッパーシートポストというのは、手元のレバー操作一つでサドルの高さを上げ下げできる機構です。サドルが下がると体を動かせる量が増えるので、下り坂の安定感がまったく違ってきます。劇的にMTB体験が変わると言っていいです」。

 

POINT3 油圧式ディスクブレーキ

油圧式ディスクブレーキ

油圧式ディスクブレーキ

「最近のMTBにはほとんど搭載されていますが、最初の一台を選ぶなら、これがきちんと入っているかはよくチェックした方がいいです。油圧式だと軽い力でブレーキをかけられるので、腕の疲労度がかなり抑えられます」。

 

POINT4 調整可能なフロントエアサスペンション

フロントエアサスペンション

フロントエアサスペンション

「エアサスペンション(エアサスとも言う)というのは、空気圧を利用したサスペンションです。できれば、フロント側にこのエアサスペンションが入っていて、かつ空気圧調整が可能なタイプなのが望ましいです。自分の体重や好みに応じて沈み込み量の調整ができると、その先のMTBライドがより楽しいものに変わります」。

 

手が届きやすい

実に明快だ。これらのポイントで考えると、例えばどんなバイクがあるのだろうか?

スペシャライズド・フューズ コンプ

スペシャライズド・フューズ コンプ(写真は2020モデル。最新の2022モデルは一部フレームカラーやパーツが異なります) 価格:23万1000円

「スペシャライズドのフューズというシリーズが具体例で、フューズ コンプ(2021モデル)というモデルがおすすめです。これはまさに“全部載せ”と言える一台で、もう何も変えるところがなく、トレイルの上りからMTBパークの下りまでいけちゃいます。価格は23万1000円だそうです」。

おお、思ったほど高くない。これだけの装備がついていると、30万円を超えるのではいかと思っていたが、これなら手が届きそうだ。

「MTBもさまざまなブランドがありますが、同様の条件に当てはまるモデルがいろいろと出ているので、その中から探しみると良いでしょう」。

よ〜し、早速近くのショップで購入の相談だー!

次回→ブレーキングの基本

次回はいよいよ基本的なライディングスキルについて特集する。初回はブレーキングについてだ。お楽しみに!