ロードバイクはBB交換だけで速くなるのか? 話題の「鬼ベアリング」を検証

目次

鬼ベアリング搭載ボトムブラケットをテスト

Presented by JTEKT

「ロードバイクはBBを替えるだけで速くなる」——そんな話を聞いたことはありませんか? 今回は話題の「鬼ベアリング」を搭載したBB、「鬼ベアリング搭載ボトムブラケット」に交換し、同一条件で実走テストを実施しました。タイムにどれほどの差が出るのか、その実力を検証します。

 

驚くべき超低抵抗BB「鬼ベアリング搭載ボトムブラケット」とは?

鬼ベアリング搭載ボトムブラケット

鬼ベアリング搭載ボトムブラケット ●参考価格:13万円 ●適応BBタイプ:BB86 ●適応クランク:シマノ・ホローテックⅡ ●シェル内径:41mm ●シェル幅:86.5mm ●本体素材:アルミ ●参考重要:96g ●カラー:ブラック

 

“超”がつくほど抵抗が低いロードバイク用のベアリング。それが「鬼ベアリング」です。デビューしたのは2022年。展開するのは、自動車部品や工作機械で知られる日本の大手メーカー、ジェイテクト。同社が長年培ってきたベアリング技術を背景に、スポーツバイク業界へ参入しました。

実際に鬼ベアリングを使用しているワウト・ファンアールト選手

実際に鬼ベアリングを使用しているワウト・ファンアールト選手(チーム ヴィスマ・リースアバイク) photo Kei Tsuji/SprintCyclingAgency©2025

メインとなるラインナップはホイールハブ用のベアリングで、市販ホイールのノーマル品と交換して使用します。2024年からはUCIワールドチーム「チーム ヴィスマ・リースアバイク」とのオフィシャルパートナー契約も締結しており、その性能は世界トップレベルのレーサーにも認められています。

そんな鬼ベアリングですが、同年にはBB用の製品も登場しています。ロードバイク用の“超”高性能セラミックボールベアリングとして開発され、シマノ・デュラエースのBBと比較して40分の1という、驚異的な低抵抗を実現しているといいます。

従来は、専門のメカニックによってBB用の鬼ベアリングを市販品のBBへ組み込む必要がありましたが、2025年末には鬼ベアリングを組み込んだBBユニットが登場。これにより、大がかりな施工を必要とせず、BBを交換するだけで導入できるようになりました。ボディ自体も高精度かつ高剛性に仕上げられており、パーツ全体としての完成度も高められています。

実際にチェーンを外した状態でクランクを回すと、勢いよく回転し続け、そのスムーズさに驚かされます。

果たしてその実力はどうなのでしょうか。今回はスペシャルゲストを迎え、実走テストで検証します。

鬼ベアリングパッケージ

パッケージの作りもかなり凝っていて、「和」の美しさが感じられる

 

テストライダーは現“乗鞍チャンピオン”田中裕士さん!

テストライダーの田中裕士さん

国内屈指のヒルクライマーであり、アマチュアレーサーとしては驚異的なFTPの持ち主。過去にMt.富士ヒルクライムで総合優勝しており、ついに2025年には乗鞍ヒルクライムでもチャンピオンに輝いています。

過去に何度もサイクルスポーツのテスト企画に協力してもらっており、高出力を一定で維持して走ることに長けているため、精度の高い実験が可能です。

 

【テスト方法】走行条件を統一 同一スペックでBBの違いを比較テスト

テストバイク① ノーマルBB仕様

テストバイク① ノーマルBB仕様

テストバイク② 鬼ベアリング搭載ボトムブラケット仕様

テストバイク② 鬼ベアリング搭載ボトムブラケット仕様

使用パワーメーター

パワーメーターは同一のペダル型を脱着して使用(田中さん私物)

2台のロードバイク(キャニオン・アルティメットCFR)を用意し、BB以外はまったく同じパーツ構成としました。片方はノーマルなBB仕様(シマノ・デュラエース)、もう片方は鬼ベアリング搭載ボトムブラケットの仕様です。

出力は300Wに統一し、同一の上り坂コース(距離4km、平均勾配10%、信号なし、交通量は少ない)をそれぞれのバイクで2本ずつ走行してタイムを計測しました。その平均値をもとに、タイム差が生じるのかを検証します。

なお、パワーメーターは同一のペダル型(アシオマ・デュオ)を使用し、サイクルコンピューターも同一の機種(ガーミン・エッジ850)で統一しています。ラインどりについても、可能なかぎり同一になるよう意識して走行しました。

 

【検証結果】平均約11秒短縮!! BB交換でここまで差が出た

テスト実施

晴れで気温は涼しく、絶好のテスト日和に恵まれました。交通量も少なく、1回のテスト走行中に1台の車が通るかどうか程度でした

風速計

風速計で確認したところ、テスト中は終始風速1m未満で推移しました。コースは全体的に木々に覆われているので、なおのこと風の影響は少なかったと考えられます

いよいよテストです。最初のテスト走行で平均パワーが約314Wになったので、それを目安に以後も走ることに。

さて、結果は……

 

【ノーマルBB】

●1本目
タイム:16分21秒 平均パワー:314w

●2本目
タイム:16分4秒 平均パワー:318w

→平均タイム:16分12秒

 

【鬼ベアリング搭載ボトムブラケット】

●1本目
タイム:16分7秒 平均パワー:315w

●2本目
タイム:15分55秒 平均パワー:320w

→平均タイム16分1秒

約11秒のタイム短縮!!

 

テスト走行を終えた田中裕士さん

実は、サイクルスポーツでは過去に同様のテストを行ったことがあります。その際は、某ビッグブランドの有名ロードバイクによる新旧比較でした。テストライダーは今回と同じく田中さん。同一コースで出力を統一して走行した結果、平均値で約39秒の差がつきました。

「以前の実験結果はバイクそのものの差でしたが、今回はBBだけの違いで約11秒の差がつきました。これはかなり大きいと思います」と田中さんは語ります。

「これが例えば1時間のヒルクライムレースだとすれば、単純計算で約40秒の短縮になります。結果を大きく左右する数字です」。

編集部としても、正直1秒〜2秒程度の、誤差かな? と思われるくらいの差しかつかなかったらどうしようか、と弱腰だったのですが、予想以上の差に驚きを隠せませんでした。

 

いかがでしたでしょうか? まったくもって脅威のパフォーマンスと言えるのではないでしょうか。次は、あなた自身の脚で試してみてほしいと思います。