速報! 別府史之が来季デルコ・マルセイユプロヴァンスに移籍

昨日、トレック・セガフレードからの退団を発表した別府史之(36歳)が、2020年シーズンからデルコ・マルセイユプロヴァンスへ移籍することが発表された。

かつて、フレデリック・ロスタン(デルコ・マルセイユ プロヴァンスGM)のもと、ヴェロクラブ ラポム マルセイユで走っていた別府にとっては、古巣チームでの新たなスタートとなる。来季からのさらなる活躍が楽しみだ。

 

別府史之

 

Q:移籍を決めた理由は?

別府:サイクリングへの情熱を持ち続けるため、変化と目標を必要としていた。これは新しいチャレンジであり、キャリアが新しい方向へ向かう時がきたのだと思う。

 

Q:ワールドツアーでの経験を踏まえて、2020シーズンはどうなるのか?

別府:ワールドツアーチームで約13年間も走ってきたし、クラシックレースも3大ツアーも経験した。そんな自分の経験を若い世代に伝えていきたいという思いがある。また、東京五輪の出場も目指しており、その実力があることを示したい。

 

Q:2002年、18歳のときにヴェロクラブ ラ ポム マルセイユに加入し、今回は復帰となるがどう捉えているのか?

別府:15年後にマルセイユに戻ることは運命づけられていたのだろう。デルコはフレデリック・ロスタンのおかげで発展してきたチームであり、彼はチームを国内3部リーグからUCIプロコンチネンタルチームへと育てる方法を知っていた。信頼してくれる人が同じモチベーションを持っていたら、どんなことでも成し遂げられる。フレッドは選手やスタッフを信じているし、そのことが違いを生むのだと思う。私はチームのために走って成長したい。自分自身の原点となるチームへ戻れることが誇らしい。

 

別府史之

2019ジャパンカップで来日したトレック・セガフレード

 

フレデリック・ロスタン(デルコ・マルセイユ プロヴァンスGM)のコメント:
フミの加入は本当にうれしい。ヴェロクラブ ラ ポム マルセイユでの始まりの時から、我々は常に密接な関係を維持してきた。それ故に、我々はこのプロジェクトや、お互いの豊富や志を詳細に話し合うことができ、すぐに意気投合した。

フミは今では(フィリップ・ジルベールやルイ・コスタと同様に)現役選手の中で3大ツアー、5つのモニュメント、オリンピックで完走している数少ない選手の1人だ。それは経験や競技力の面で非常に大きな付加価値があり、彼は我々のチームと若手選手たちに貢献するだろう。

2020年はパリ〜ルーベなどのクラシックレースに出場することになるだろう。また東京五輪は彼自身の大きなモチベーションでもある。

個人的には、来季フミ、ジョゼ・ゴンサルベス(チームカチューシャ・アルペシン)、ジュスタン・ジュール(ワロニーブリュッセル)といった、かつての “ポミエ(*)” たちが我々のチームカラーに戻り、プロジェクトを進化の新時代へと導くのを見ることが喜びであり、誇りでもある。

2020年、共にチャレンジしていくことを楽しみにしている。

 

*ポミエ…ロスタンGMのチーム出身者の事。チームの母体となっているヴェロクラブ・ラ ポムのポムはリンゴの意味で、ポミエもリンゴの事。ラ ポムはクラブチームが拠点を置いているマルセイユの地区名。クラブのロゴマークにもリンゴがあしらわれている。

 

別府史之

フレデリック・ロスタン(デルコ・マルセイユプロヴァンスGM)

別府史之

 

 

 

 

デルコ・マルセイユ プロヴァンス とは

1974年に、ジャック・アンクティルやルイス・オカーニャのアシストだった元プロ選手のセルジュ・ボレーが、チームの母体である自転車競技クラブ『ヴェロクラブ ラ ポム』を南フランスのマルセイユで創立。ラ ポムは、クラブチームが拠点を置くマルセイユの地区名。ヴェロクラブ ラ ポムは様々なカテゴリーのチームと自転車競技のスクールを作り、2000年にはDN3(フランス国内3部リーグ)のチームが活動を開始した。

2011年にはラトビア国籍の『ヴェロクラブ ラ ポム マルセイユ』としてサード・ディビジョンのUCIコンチネンタルチームに登録し、2012年から2015年まではフランス国籍のUCIコンチネンタルチームで活動。2016年に自動車修理・メンテナンスのデルコ社を第1タイトルスポンサーに迎え、『デルコ・マルセイユ プロヴァンス・KTM』の名称でセカンド・ディビジョンのUCIプロフェッショナルコンチネンタルチームに昇格した。

 

来季はNIPPOがスポンサーになる予定

デルコ・マルセイユ プロヴァンス

フランスのパリ〜ルーベには毎年主催者招待されるデルコ・マルセイユ プロヴァンス

別府の移籍が決定したフランスのデルコ・マルセイユ プロヴァンスには、2020年シーズンに日本のNIPPOがスポンサーに付くことが決まっている。すでに同チームは、石上優大(AVCエクサンプロヴァンス/エカーズ)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)との契約を発表していて、別府は4人目の日本人選手となる。

NIPPOがチームのタイトルスポンサーになるのかどうかといった詳細はまだ発表されていないが、新体制の来季は所属選手が半数近く入れ替わる予定だ。

 

デルコ・マルセイユ プロヴァンスが2020年シーズンに登録される予定のセカンドディビジョンは、名称がUCIプロフェッショナルコンチネンタルチームからUCIプロチームに変わる。

ファーストディビジョンのUCIワールドチームには、来季19チームが登録される。さらに、UCIの新ルールにより、今季最終のUCIワールドランキングのチームランキングでトップのUCIプロコンチネンタルチームだったフランスのトタル・ディレクトエネルジーは、全てのUCIワールドツアーの招待を受けられることになり、ツール・ド・フランスの参加資格も獲得している。そのため、来年のツールの主催者招待枠(ワイルドカード)はたった2チームしかない。

フランスはコフィディスがUCIワールドチームに昇格した為、来季のUCIプロチームはトタル・ディレクトエネルジー、チームアルケア・サムシック、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト、デルコ・マルセイユ プロヴァンスの4チームになる予定だ。