ダウンヒルシリーズ2025 第3戦 吉無田高原で土屋聖眞が3勝目

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DOWNHILL SERIES 2025 #3 吉無田高原DHコース(熊本県)が5月17日(土)〜18日(日)に開催された。

 

DOWNHILL SERIESがスタートして以来12年連続での開催となった吉無田高原DHコース。阿蘇の外輪山の麓にある吉無田高原は毎年3月に野焼きがされることから真っ黒な山肌で開催をしていたが、今年は天候不良で野焼きが行われなかったようで緑濃い景色のなかでの開催となった。

昨年の吉無田特有のキャンバーを活かしたコースをベースに、パッと見た雰囲気は変わっていないもののすべてのコーナーの振りがよりキツくなり、出口をしっかり意識してラインを組み立てることが求められるものになった。コース長は553m、高低差は80m。

今年も一番の見どころは谷にあるS字コーナー。難易度の高いロックセクションも含まれたこのコーナーはラインの選択が大きなポイント。フィニッシュエリアから見えるビックテーブルも健在で、決勝後にはサブイベントとして「SMART WHIP CONTEST」が開催され、ジャンプ自慢のライダーたちが“ジャンプのスマートさ”を競い、XCライダーからも大きな声援をもらった。

金曜日の夕方から降り続いた雨は夜中に一層強くなり、土曜の朝会場に到着すると、前日に設営したテントが強風に煽られて崩壊していたほど。それほど強い雨が降っていたため、同時開催の「春の吉無田MTBフェスタ」は土曜日のスケジュールがキャンセルとなっていたが、会場がリフト営業をしてくれるということからDOWNHILL SERIESはスケジュールを少し遅らせて試走を開始。

午後からのシーディングランも土砂降りのなかでの実施となったが、雨にもドロドロにも負けない7割のライダーが出走。トップタイムは阿藤寛(CIVREL Homies)の1分2秒378。

 

日曜日の朝は会場周辺一帯が深い霧に包まれた。少しずつ霧は晴れ、天候は曇り。火山灰を含んだ土は水捌けがよく、刻々と路面コンディションは変化していく。この日は「春の吉無田MTBフェスタ」というXCレースも無事に開催され、XCライダーやキッチンカー、ブース出展などで会場は大いに賑わった。

午後からは決勝がスタート。ベテラン阿藤の久々の勝利か、もしくは今シーズン2連勝中の17歳、土屋聖眞(カトーサイクル)が連勝を伸ばすかに注目が集まった。多くの観客がコース脇で勝負の行方を見守るなか、土屋が53.699秒。最終走者の阿藤は57.248秒と及ばず、土屋が開幕以来3連勝を決めた。

DOWNHILL SERIES 2025 #3 吉無田高原DHコース

エリート男子 結果
1. 土屋 聖眞(カトーサイクル)53.699
2. 田中 航太(myX/trailadventure)+0.696
3. 淺野 善亮(CIVREL Homies)+1.156

 

 

DOWNHILL SERIES 2025 #3 吉無田高原DHコース

エリート女子 結果
1. 末政 実緒(Santa Cruz)1:03.865

 

 

DOWNHILL SERIES 2025 #3 吉無田高原DHコース

DOWNHILL SERIESとしての次戦は7/5-6開催の #4 白馬岩岳MTB PARKだが、6/14-15には第38回全日本自転車競技選手権大会が岐阜県ウイングヒルズ白鳥リゾートで開催される。

現在3連勝中の土屋は昨年までユースカテゴリーだったが、今年からはエリートカテゴリーでの出走。ベテラン勢と、ここ数年勢い凄まじい若手勢がとうとう同じカテゴリーに揃った。いまだ全日本チャンピオンの座を若手には譲らないベテラン勢に若手勢がどこまで迫れるか。今年の全日本選手権も楽しみでならない。

 

次戦は7/5-6開催の #4 白馬岩岳MTB PARK(長野県)。
エントリーは近日開始予定。
https://dhseries.jp/2025-4-haubaiwatake_mtb-park/