ダウンヒルシリーズ2025 第2戦 UP MTB PARK IN KANNABEで土屋聖眞が2連勝
DOWNHILL SERIES 2025の今シーズン2戦目は4月26日(土)〜27日(日)、兵庫県豊岡市にあるUP MTB PARK IN KANNABEで開催された。
DOWNHILL SERIESとしては2021年以来3年ぶりの開催となる同会場。この常設MTBフィールドは3年前と変わらず、CIVREL Homiesの阿藤寛と浅野善亮がコース監修・造成を手がけている。グリーンシーズンの常設MTBコースについては「3年間コツコツ直しながらバージョンアップし続けてきました。成長したコースを楽しんでもらいたい」と話してくれた。

コース監修を務めたCIVREL Homiesのふたり © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

UP MTB PARK IN KANNABEにはMTB専用リフトがある © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES
スノーリゾートとしても知られるアップかんなべ。今回のレースに使用されたのは、スノーシーズンの上級コースとしても知られる北壁に造られた「KITAKABE(北壁)」コース。もともとバームやコブ、ジャンプなど繋がりの良いテクニカルなレイアウトを持つ常設コースを、今回のレースに向けてさらにパワーアップ。3年前と大きく変わったのは、スタート位置が150mほど後ろに延長されたこと。山頂のリフト小屋下に設置されたスタート台は、「日本一の急斜度」と評されるほどの斜度のあるものが用意された。
スタート後のフラットな漕ぎ区間を終え、本格的な「北壁」セクションに入ると、圧雪車も入れない30度ほどの斜面が待ち受ける。そんな急斜面を生かし、オフキャンバーを複数設置。コースを左右に振ることで、キャンバー上で左から右に切り返すこのセクションは、参加したライダーたちにとってかなりチャレンジングなものに。また、ジャンプセクションは道の幅を倍にし、ステップダウンだったものをステップアップに修正。少し大きく、バックサイドをなだらかに長くすることによって、怪我をしないように配慮。日々バージョンアップし続けてきたという言葉の通りのレースコースとなった。

「日本一急なスタート台」と称されたスタート台 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

多くのライダーが餌食になったバーム © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES
土曜日。晴天に恵まれたものの、風速15m近い強風が吹き荒れリフトの運行も心配されるほど。そんななか、なんとか実施されたシーディングラン。エリート男子クラスは土屋聖眞(カトーサイクル)が1分07秒331でトップタイム。2位に羽口鉄馬(洛和会音羽病院)が1分09秒048、3位に阿藤寛が1分11秒291と続いた。
日曜日も晴れ、風がおさまったおかげで日差しが強く感じる。リフトの待ち時間を節約しようと、スタート地点までバイクを押し上げるライダーの姿やコースでの反復練習を繰り返す姿が目立った。コースはバフバフに乾き、ライダーも、コース脇で観戦する観客も、みんな顔は真っ黒。
午後から行われた決勝では、前日に続いて土屋聖眞が1分7秒216で優勝。2位は阿藤寛の1分10秒853、3位は仲井慧(SPECIALIZED)の1分11秒045。3位から6位までが1分11秒台に入るというドライでハイスピードなレース展開となった。

エリート男子クラスで2連勝の土屋聖眞 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

オフキャンバーを下る阿藤寛とUP MTB PARK IN KANNABEの全景 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES
土屋聖眞は開幕戦に続いて2連勝。「得意なコースでした。いろんな面白いセクションがあってとても楽しく走れました」と危なげない勝ち方を見せてくれた。
エリート女子クラスは中学3年生の藤森美空が危なげなく、今シーズン初優勝。
今までは真夏の開催だったが今回は初めて春先での開催となり、夏草が生える前だったためコースは丸見え。今回は雪が溶けてからたった1ヶ月しか準備期間がなく、急ピッチでのコース造成は大変だったと思われるが、観戦する側からはとても応援やすく、大いに盛り上がるレースとなった。
また、今回は6人の初出場ライダーを含む19人の小学生に加え、10代の参加者が全体の6割近くを占める結果に。今年も大人から子供まで、幅広い年代での熱いレースが楽しみだ。

エリート女子クラスで優勝の藤森美空 © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES

キッズクラスには19人がエントリー © Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES
エリート男子 結果
1. 土屋 聖眞(カトーサイクル)1:07.216
2. 阿藤 寛(CIVREL Homies)+3.637
3. 仲井 慧(SPECIALIZED)+3.829
エリート女子 結果
1. 藤森 美空 1:19.821
2. 篠原 彩緒(morinekiよろづやレーシング)+10.821
3. 嘉村 玲亜(Limited Team 846)+18.827
次戦は5月17日(土)〜18日(日)開催の#3 吉無田高原DHコース(熊本県)。今回も春の吉無田MTBフェスタとの合同開催となる。決勝レース後にはウィップコンテストも開催予定。エントリー締め切りは5月16日(金)の昼12時。
#3 吉無田高原DHコース(熊本県)詳細はこちら
https://dhseries.jp/2025-3-yoshimutakogendhcourse/

© Noriyasu KATO/DOWNHILL SERIES