ツール・ド・フランス2023 ピックアップ戦いを彩った機材たち

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ツール2023第3ステージ

ロードレースの主役が選手たちであることは間違いない。だが、その走りを支えるのはバイクやパーツなどの機材だ。ここでは21ステージのレースを選手と共に戦い抜いた主な機材をクローズアップしながら、ツール・ド・フランス2023の象徴的な場面を振り返る。

ツール2023第18ステージ ツール2023第21ステージ

 

FACTOR

オストロヴァム

今大会最初の休養日前の第9ステージでは、マイケル・ウッズ(イスラエル・プルミエテック)が初勝利を挙げた。彼が駆ったのはファクターのオストロ ヴァム。南地中海の風にちなんで名付けられたこのバイクは、軽さと空力性能、快適性を兼ね備え、あらゆるシーンに対応するオールラウンダーだ。
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PINARELLO

ドグマFディスク

イネオスグレナディアスとピナレロの見せ場となったのは、第13ステージをミハウ・クフィアトコフスキーが制し、第14ステージでカルロス・ロドリゲスが勝利を収めた2日間。彼らが駆ったのは、ピナレロの最新作・ドグマF。高速ダウンヒルでも正確なステアリングを実現するオンダフォーク、理想的な剛性バランスもたらすアシンメトリック構造、TTバイクから受け継ぐエアロなデザインを採用し、希代の総合力を誇るスーパーバイクだ。
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DT SWISS

ARC1100ダイカットディスク

ツール・ド・フランス2023では、ロット・デスティニーとウノXプロサイクリングチームがDT SWISSのホイールを投入。主に空力に優れたエアロカテゴリーのARC1100ダイカットDB62 、個人タイムトライアルでは後輪にディスクホイールのARC1100ダイカットディスクが投入された。これらのホイールは、いずれもスイスに本拠を置く空力解析のスペシャリスト、スイスサイドが開発に携わっており、卓越した空力性能を誇るのが特徴だ。
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PIRELLI

ツール・ド・フランス2023のチッコーネ

リドル・トレックは今大会、ほとんどのステージでピレリのレーシングタイヤ、PゼロレースのクリンチャーモデルとTPU製軽量チューブであるPゼロスマーチューブの組み合わせでレースに臨んだ。同チームでは今大会、山岳賞のマイヨ・ア・ポアを獲得したジュリオ・チッコーネの活躍が際立った。Pゼロレースに採用されるスマートエボコンパウンドは、グリップと転がりの軽さを高いレベルで両立。超級山岳の上りを軽快に駆け抜け、長くテクニカルな下りでも安定した走りを可能にし、チッコーネの山岳賞獲得を足元から支えた。
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fi’zi:k

アンタレス ヴァーサス エボ 00 アダプティブ

今大会、マイヨ・ジョーヌを獲得したヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィズマ)や、多くのスター選手を擁する強豪チームのイネオスグレナディアスもフィジークのサドルを採用した。険しい山岳が続く第13ステージで逃げ切り勝利を挙げたイネオスグレナディアスのミハウ・クフィアトコフスキーは、今大会でアンタレスベースのアダプティブサドルを使った。アダプティブサドルは紫外線硬化樹脂を格子状に成型したエラストマーをパッド代わりに使い、場所によって格子の密度を変えることで最適なクッション性を実現している。
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SHIMANO(ホイール)

WH-R9270

今大会では出場全22チーム中、シマノのサポートを受けるグローバルチームが6チーム参戦。デュラエース誕生50周年という節目の年にデュラエースのホイールを履く選手の活躍が目立った。その筆頭は今大会最多のステージ4勝を挙げ、ポイント賞のマイヨ・ヴェールを獲得したヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)だ。他にも第13ステージでミハウ・クフィアトコフスキー、第14ステージでカルロス・ロドリゲスと山岳ステージでシマノホイールを履くイネオスグレアディアズ勢が勝利するなど、平坦ステージから山岳ステージまで地形を問わず勝利を量産。全21ステージ中9勝を占めた。
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SHIMANO(シューズ)

RC9

シマノのサポートを受けるグローバルチームのうち、アルペシン・ドゥクーニンクはコンポーネントやホイールだけでなく、シューズのサポートも受けていた。彼らが使うのは、シマノのレーシングシューズの最高峰、エスファイアのロード用フラッグシップモデルRC9の最新バージョンに当たるRC-903だ。このシューズは、RC9としては4代目に当たり、旧モデルの優れた機能を継承しながらも、アッパーの素材と構造の見直しでさらに優れたフィット性と軽さを実現しているのが特徴だ。
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LAZER

ヴィンゲゴー

ツール・ド・フランス2023では、ユンボ・ヴィスマのヨナス・ヴィンゲゴーが2年連続の個人総合優勝に輝いた。彼は主に山岳ステージで軽さと通気性に優れたジェネシスを使用。Sサイズで190gという軽さに加え、ヘルメットをかぶらないときよりも頭部のエアフローを8%向上させる通気性の高さによって、ストレスフリーのかぶり心地を実現する。過酷なレースシーンではこうしたマージナルゲインの積み重ねが勝利をたぐり寄せることにつながる。
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