ドネリー・G/Cグラベルカーボンフレームセット 硬軟のバランスが秀逸なオールラウンダー

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ウエア協力:ウエイブワン、ダイアテック

ドネリー・G/C

ドネリー・G/Cグラベルカーボンフレームセット

レーシーすぎない扱いやすさが好感

グラベルバイクの善し悪しは、半ば以上がタイヤで決まる。であれば、タイヤメーカーが自転車フレームも作ればいいのではと思うが、それを実現した稀有なブランドがドネリーだ。

フレームはオーソドックスなエンデュランスロードそのものであり、太いダウンチューブ&チェーンステーに対し、上側のトップチューブとシートステーは薄いというセオリーどおり。トップチューブが屈曲していたり、シートチューブの裏側がタイヤに沿うように絞り込まれているのが外観の特徴だが、シンプルなカラーリングと相まって、異形ぞろいのグラベルバイクの中ではおとなしい姿だ。

見た目と走りの印象が異なるモデルも多いグラベルバイクだが、このドネリーG/Cは見事に印象が一致する。フレームに過度な硬さがないのでペダリングしやすく、すいすい自然に進む。細かい振動は角を落とし、10cm以上の段差をドンと降りる際のショックも十分に和らげてくれるから、どんなシーンでも扱いやすい。試乗車はシクロ用のドネリー・PDXというあまり太くないタイヤ(幅33mm)を履いていたが、それでも十分な安定感が得られ、タイヤのグリップ感とフレームの好バランスが楽しめた。舗装路はまさしくエンデュランスロード。ダートは滅多にいかないけど乗り心地のよい自転車が欲しい、というロングライド派にもおすすめだ。

ドネリー・G/C

あっさりしたフォーク周り。サスペンション機構やケージ用のアイレットといった付加価値はないが、走りのレベルは高い。最大で700×45㎜もしくは650×50㎜のタイヤに対応。

ドネリー・G/C

後方へ向かうほど細身になるトップチューブは、その前方で軽く屈曲している。これによって路面からの衝撃を効果的に受け止め、フレーム上側全体に逃がしていると思われる。

ドネリー・G/C

やや低い位置でシートチューブに接するシートステー。エンデュランス系ロードでおなじみの扁平形状だ。ブリッジやエンドにフェンダー用のアイレットを設けている。

ドネリー・G/C

推進力に直結するダウンチューブ~BB~チェーンステーはボリュームがあり、高い剛性を確保している。かなり低い位置から伸びるチェーンステーと、タイヤに沿って湾曲しつつ薄くなったシートチューブが特徴。

インプレッション

オフロード:路面の荒れ具合に対応しやすい

ドネリー・G/C

幅33mmと細めのタイヤで試乗に臨んだが、かなり荒れた路面にも対応できる。しっかりタイヤをグリップさせる剛性感がフレームにありながら、タイヤのエアボリューム以上に振動を押さえ込んでくれる。適度にしなやかなリア三角のおかげでトラクションも稼ぎやすく、上りが得意な印象を受けた。

オンロード:速度域が高いほど安定感が増す

ドネリー・G/C

まったくクセがなく扱いやすい。過度にアップライトなポジションではなく、一般的なロードバイクに近い姿勢が自然に取れたこともあって、上り・下り・コーナリングのいずれも軽快に楽しむことができた。試乗車の重量が十分に軽く仕上がっていることもあって、舗装だけのコースプランニングの際も選びたくなる。

SPEC

フレームセット価格:22万円(税抜)
フレーム:ハイモジュラスカーボン
フレームサイズ:XS、S、M、L、XL
フォーク:ハイモジュラスカーボン
カラー:サンド、グレー
試乗車実測重量:8.0kg(ペダルなし)