コロナウイルス(COVID-19)禍におけるサイクリストの行動

目次

まずは、コロナウイルス罹患者の方々の1日も早い回復を祈ります。そして、亡くなられた方へ、お悔やみを申し上げます。また、最前線で働く医療従事者の皆さまに感謝とエールを送ります。

この記事を書くにあたり、非常に悩みました。編集部があるのは東京ですが、日本全国、コロナウイルス(COVID-19)禍における状況はそれぞれです。それぞれというのは、人口密度も違えば、罹患者数も違う。各自治体における対応もまた様々です。そして、街ゆく人たちの危機意識もまた地域差が大きい。

その上で、日本のサイクリストが今できることを探りたいと思います。 以下の内容は可能性があることを探した結果です。個々人の環境によっては、実施しない方がいいこともあります。そこは大人のサイクリストとして判断してください。自分自身が社会の脅威にならないために。本記事は、4月1日までの状況を元に作成しました。

また、米国心臓協会(American heart association;AHA)の提言から引用しています。

 

インドアサイクリングに切り替える

外出せずに、愛車にまたがる方法としてインドアサイクリングが真っ先に上げられます。室内、庭先などでのトレーニングは免疫力を落とさないという観点から、意味も見いだせます。

 

個人としてサイクリングするのはアリ

パーソナル空間であるサイクリングは、感染させてしまうのリスクは低いと考えられます。でも絶対に1人で行ってください。複数人で走るのはやめましょう。

汗や、口に含んだドリンクの飛沫による感染は確認されていませんが、感染しないこともまた確認されていません。サイクリング中の会話による感染についても同様です。ですので、複数でのサイクリングは避けるべきです。

 

サイクリングの途中に、どこかへ立ち寄らない

サイクリングの途中には飲食店、自転車ショップに立ち寄りたくなることもあるでしょう。しかしそれはなるべく避けましょう。補給食は自宅から持っていき、ゴミは持ち帰る事。オープンテラスならリスクは低いとみる論調もあります。ですが、そこで複数の人が「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)」(約2m)よりも密接して座るならリスクを発生させることになります。もし立ち寄る時のために、マスクを携行しましょう。また、普段会っていない人に会いに行くためのサイクリングも避けましょう。

サイクルショップへの出入りも、最低限にしましょう。行きつけのお店が、コロナウイルスによって営業出来なくなってしまうかもしれません。店内ではソーシャル・ディスタンシングに注意を払いましょう。
お店を応援したい気持ちは予約注文か電話注文にして、受け取り方法などは細心の注意を。

厚生労働省からの提言「3つの密を避けましょう」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokumin

 

大怪我のリスクを減らすべし

走るコースは、エキサイティングなところを避けましょう。なるべく事故のリスクが低いところを走りましょう。峠の下りなどは細心の注意を払って。行かないのがベストです。もし、重大事故を起こしたら、すでに逼迫している医療にこれまで以上の負担をかけてしまうことになります。

 

免疫力を下げるようなハードなトレーニングはしない

免疫力の維持がウイルスに罹患しない条件として大切です。大きな疲労を伴うトレーニングは避けましょう。免疫力を維持する運動には意味があると考えます。運動不足に陥り、結果的に体調を崩してしまったらやはり医療機関を受診することになるからです。

 

帰宅後のケア

帰宅したらすぐにうがい手洗い、ウエアはすぐ洗う。鼻をかんだティッシュなどのゴミは密閉して捨てる。手洗いは「ハッピーバースデー」を2回歌うくらいの時間、念入りに。

 

米国心臓協会(American heart association;AHA)の提言からの引用

まず最初に、高齢者や心臓病、糖尿病、肺疾患のある人はコロナウイルスによって深刻な合併症を引き起こすリスクが高まるという点だ。疾病対策センター(centers for disease control and prevention;CDC)は、これらが該当する人々は他の人との距離を保ち、可能な限り家にいる必要があると述べている。また、これらの人がそばにいるサイクリストは細心の注意を払う必要がある。

「あらゆる規模の出来事は、脆弱な集団、手指衛生、社会的距離を守るためのガイドラインを遵守して実施できる場合にのみ、継続すべきです」とCDCは述べている。「可能であれば、主催者はイベントをバーチャルに変更することができます。」

アドバイスはすぐに変わる可能性があり、CDCには最新の情報が含まれている。あなたの州または地方の保健局はより地域に適応した情報を持っているかもしれない。(編集部注:各自が住んでいる日本の自治体の情報に注意を払う必要がある)公衆衛生当局は、10名以上の集まりを避けるように人々に促している。一部の州では、ジム、カフェ、レストランを閉鎖するよう求めている。他の地域では、コロナウイルスの蔓延を抑制するための取り組みの一環として、一部のジムが一時的に閉鎖されている。

(中略)

ジムに行けないからと、トレーニングをあきらめてはいけないと、ノースカロライナ大学ウィルミントン校のスポーツトレーニングの准教授であるスティーブン・ジンダー氏は語る。自宅でワークアウトする方法を見つけるのは簡単。屋外は、他の人との推奨される社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を維持している限り、ウォーキング、ジョギング、自転車を楽しむ場所になる。

「自宅でワークアウトする際の唯一の制限要因は創造性です」と彼は言う。「そして、最近では、創造的である必要さえありません。インターネットに接続する必要があるだけです。ダウンロードできるビデオやプログラム(編集部注:サイクリストの場合はズイフト、サファーフェストに代表されるようなサービス)がたくさんあるからです。」

もちろん、オンラインにせずに運動したり、家の中をより積極的に移動したりする方法もある。

アトランタ地域の運動生理学者で健康コーチであるスティーブ・コレット氏は、トレーナーと定期的に仕事をしている人々は連絡を取り合う方法を見つけることができると語った。

「トレーナーが来て実際にあなたのトレーニングを見ることができない場合、少なくとも電話またはテキストでベースに触れて、彼らがまだそこにいることを知ることができます。私たちは引き続き彼らを支援し、トレーニングを説明する責任があります」

過去にフィットネススタジオを所有していたコレット氏は、屋外や駐車場の人々と協力して、施設の閉鎖に適応している。

彼のクライアントのほとんどすべてが、彼らのルーチンを続けているという。彼はそれが最善だと思っている。

変わっていないことが1つある。コレット氏は30年間のキャリア全体で、免疫システムを高めるために、基本的な力(十分な栄養、十分な睡眠、定期的な運動)の重要性を強く説いている。「強い免疫システムを持っている人は、それがない人よりも、あらゆるタイプの病気やウイルスを撃退する可能性がはるかに高いです。」

引用ここまで。

参照記事:Working out while staying safe during the coronavirus outbreak
https://www.heart.org/en/news/2020/03/17/working-out-while-staying-safe-during-the-coronavirus-outbreak

 

コロナウイルスCOVID-19を正しく恐れ、正しく対処し、慎重に日々を過ごしましょう。いつも走っていた仲間と、「久しぶり!」といって、ライドで再会できる日を願って。