【ロードバイクの基本】ペダリングはどう回すのが正解? 初心者向けに解説

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ロードバイクのペダリングの正解とは

ロードバイクでもっとラクに遠くへ行きたい…そんな願望を叶える鍵が「ペダリング」の見直しです。単にペダルを足で踏むだけではなく、効率的な回し方のコツを知ることで、驚くほどスイスイと走れるようになります。今回は日本代表監督も務めるプロの視点から、正しいペダリングの基本をやさしく解説します。

 

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初心者がまず押さえるべき 良いペダリングの基本ポイント

自転車競技・日本ナショナルチーム監督/小笠原 崇裕(おがさわら たかひろ)さん 自転車競技の日本ナショナルチーム監督。自身もプロ選手としてオフロードレースで世界を舞台に活躍。現在はトップ選手の育成から技術指導まで幅広く手がける、日本自転車界の第一人者です。

多くの初心者にとって、ロードバイクのペダリングは「脚の力で踏むだけ」とイメージしがちです。実際には、もっと多くの筋肉を複雑に組み合わせて使い、推進力に変えています。ペダリングは股関節や体幹をフル活用した全身運動であり、うまく連動させて力を出すことが長時間走るための秘訣です。

ペダリング=全身を連動して行うものとして捉え、滑らかに回す意識を持つことから始めましょう!

 

これが正解 良いペダリングの具体的なやりかた

良いペダリングができると、長距離を速く、ラクに走り続けることができます。理想的なペダリングについて、3つのポイントを以下に紹介します。

最初のポイントは「荷重を分散させる」ことです。ロードバイクと身体の接点は、両手、両足、そしてお尻の全部で5か所。ハンドルとサドルにはできるだけ荷重を抜き、ペダルには大きく荷重を乗せることが効率化の秘訣です。荷重を上手くバランスさせることで、お尻の痛みや上半身の疲れを防ぎ、ペダルに無駄なく力を伝え、スピードに乗ることができます。

次に、「リラックスして回す」ことです。脚を力任せに踏み込まなくても、体重をスッとペダルに乗せるだけで自転車は前に進みます。また、ペダル1回転をスムーズに行うには、踏み込む脚だけでなく、引き上げる反対側の脚も同時に意識することが重要です。ロスの少ない上級者のペダリングは、かかとの位置が大きく上下せず、360度どの位置でもおおむね一定になります。

最後に、「膝の上下における軌道がまっすぐになる」ことです。上級者のペダリングは前後から見て膝の上下軌道が一直線で、美しくムダがありません。膝が外側に開いてしまったり、左右均等に上下していない場合は、本記事後半のドリルでぜひ改善を!

 

【やりがち注意】初心者に多いNGペダリングとは?

NGその1:ハンドルに荷重が乗りすぎている

ハンドル荷重になってしまっている例

初心者に多いのが、ハンドルに体重を預けてしまい、腕に力が入りすぎている状態です。この体勢では体重をペダルに乗せることができず、ハンドルの操作も不安定になりがちです。ライド後半に手のひらが痛くなったり、首や肩が凝る原因にもなります。お腹の力で上半身を支え、手はあくまでハンドルに添えるだけ、というバランスが理想です。

 

NGその2:サドルに荷重が乗りすぎている

サドル荷重になってしまっている例

前の悪い例とは対称的に、サドルにどっかりと座りすぎることもトラブルの元です。お尻がサドルに食い込んで痛みにつながりやすく、ペダルへ力を込める時にもうまく体重を利用できなくなります。お腹に力を少しこめて適度な前傾姿勢を取り、ペダルから立ち上がるようにして荷重を乗せ、お尻への圧力を分散させましょう。

 

NGその3:ペダルを力任せに踏み切ってしまう

ペダルを思いっきり踏み込んでも、その全てが推進力に変わるわけではありません。ペダリング1回転を時計に例えると、3時を過ぎてからの踏み込みは推進力に繋がりにくく、エネルギーをロスしてしまいます。脚の疲労を避けるために、12~3時のエリアで一瞬だけ踏み込み、残りはリラックスさせて回すのが正解です。

 

NGその4:腰が左右に大きくブレる

ペダリングのたびに腰が左右に揺れてしまうのは、サドルの位置が高すぎたり、踏み込みが強すぎる場合に起こりがちな動作です。これでは余計なエネルギーを使ってしまい、前に進む力になりません。スマホのビデオ撮影や第三者の目を借りて、後ろから見たときに腰のラインが水平を保てているかチェックしてみましょう。

 

NGその5:膝の軌道がブレてしまう

いわゆる「ガニ股」と呼ばれる状態です。ペダルは上下に直線的な軌道で動くため、膝が外を向いたまま上下運動を繰り返すと、関節にねじれのストレスがかかり、痛みの原因になります。ペダル→膝→脚の付け根が、まっすぐ1本の線で結ばれる状態が理想です。

 

NGその6:かかとの位置が下がってしまう

これは「アンクリング」と呼ばれる、初心者がおちいりがちな動作です。ペダルを真下に踏み込む際にかかとが落ちると、本来ペダルに伝わるべき荷重が足首が曲がる動作によって吸収されてしまい、エネルギーのロスになります。ふくらはぎの筋肉を余計に使うことで、脚つりを引き起こすリスクも高まります。

 

1日5分でOK! 正しいペダリングを身につける練習方法

ペダリングのNGが分かったら、実際に体の動かし方を修正してみましょう。以下に、正しいペダリングが身につくドリルを3種紹介します。

これらのドリルは、公道ではなく自転車の乗り入れが許可された広く安全な広場などで、周囲の安全を確認して行うようにしてください。

 

片脚ペダリングで回す感覚をつかもう

このドリルはフラットペダルでは難しいので、ビンディングペダルとシューズを使うことが前提となります。

「片脚ペダリング」は、正しい円の描き方を覚えるのに最適なエクササイズです。片方の足をペダルから外し、もう片方の脚だけで回します。こうすると、どこで動きが止まってしまうか、どこでカクついてしまうかが一目瞭然。同時に、膝がまっすぐ上げ下げできているかもチェックできます。まずは左右1分ずつ、スムーズな円を描けるようトライしてみましょう。

 

片手離しでバランスを養おう

「片手離し」は体幹で体を支える感覚を掴むためのドリルです。まずは利き手と反対側をハンドルから離し、片手走行を試してみましょう。手を離したとき、自然と腹筋に力が入る瞬間が分かるはずです。ハンドルから手を離してもフラつかなければ、腹筋を使ってバランスがとれている証拠。慣れたら反対側の手でもトライしましょう。

 

片脚「上死点」通過トレーニングで膝のブレをなくす

上記の片脚ペダリングをさらに発展させたドリルがこちら。ペダルが頂点に来る少し前(11時ごろ)から、足を前に送り出すようなイメージで何度も反復し、前に進みます。これを意識するだけでペダリング全体のギクシャク感が消え、上級者のようなスムーズな回転に一歩近づくことができます。

補足:ペダリング1回転中で12時(0時)の位置を「上死点」、6時の位置を「下死点」と呼びます。その名のとおり、ここで踏み込んでも自転車は前に進みません。上下の死点を素早く通過することが効率化のコツです。

 

ペダリング改善でより良いサイクルライフを!

簡単なようで奥深いペダリングの世界。プロ選手のようなきれいなペダリングは一朝一夕で身につくものではありませんが、意識を変えるだけでその日から走りが変わります。まずは「踏む」から「回す」へ、意識をシフトしてみましょう。

無駄な力を抜いて、試行錯誤を楽しみながら、理想のペダリングを探求してみてください!