ジロ・デ・イタリア2023 第20ステージの山岳TTをログリッチが制して総合首位

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イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月27日にタルヴィーズィオからモンテ・ルッサリ頂上までの18.6kmで山岳個人タイムトライアルの第20ステージを競い、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が、総合リーダーのマリア・ローザを着た英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)に40秒差を付けて区間優勝し、首都ローマでゴールする最終日前日に14秒差を付けて総合首位に立った。
 

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■33歳のログリッチが最終日前日にマリア・ローザを手に入れた (photo : LaPresse)


スロベニアの大観衆がログリッチを後押し

最終決戦となった山岳個人タイムトライアルは、奇しくもスロベニア国境に近い北イタリアのウディネ県が舞台となり、国境を越えてやって来た大勢のログリッチ応援団が沿道で熱い声援を送っていた。スタート前に総合首位のトーマスと2位のログリッチのタイム差は、たった26秒しかなかった。

最終走者のトーマスよりも3分前にスタートしたログリッチは、10.8km地点のバイク交換もスムーズに済ませ、順調にモンテ・ルッサリを上り始めた。一方、トーマスはバイク交換でヘルメットも交換し、わずかに時間をかけてしまった。バイク交換地点は最初の計測ポイントでもあり、トーマスはログリッチよりも2秒遅れていた。

14.3kmの第2計測地点でログリッチとトーマスのタイム差は16秒に広がり、総合逆転の可能性が見えてきた時、ゴールまで残り2.5kmでログリッチはバイクのチェーンが落ちるトラブルに見舞われて止まってしまった。彼は何とかチェーンをかけ直して走り出したが、このトラブルで20秒近く失ってしまい、ゴールでTV中継を見守っていたチームメイトたちは悲鳴を上げていた。
 

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■ログリッチは機材トラブルで脚を止めたにもかかわらず、大差を付けて山岳個人TTを制した (photo : LaPresse)

 
ログリッチは2020年のツール・ド・フランスを最終日前日の山岳個人タイムトライアルで同郷のタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)に逆転され、総合優勝のチャンスを失った経験があり、それがトラウマになっていると言われ続けていた。しかし、この日は機材トラブルで彼の心が折れる事はなく、最後は暫定区間1位だったジョアン・アルメイダ(UAEチーム・エミレーツ)のタイムを42秒上回ってゴールし、マリア・ローザのトーマスの到着を待った。
 

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■国境を越えてやって来たスロベニアの群衆がログリッチの勝利を後押しした (photo : LaPresse)

 
トーマスは40秒遅れのタイムでゴールし、ログリッチの区間優勝と総合首位が確定した。ログリッチのジロ通算区間優勝はこれで4勝になり、その全てが個人タイムトライアルだった。「脚はあったが、観衆がエクストラなワットをボクに与えてくれた」と、優勝インタビューで語っていたログリッチは、表彰台でテレマークのポースを決めた後、キャップを脱ぎ、周囲を埋め尽くしたスロベニアの応援団に向けて深々と頭を下げていた。

今年のジロもいよいよ残り1ステージ。ジロ一行はイタリア北東部から空路で首都ローマへと移動し、5月27日はローマ市街地に設定された13.6kmのサーキットを6周するスプリント区間の第21ステージが行われる。

■山岳個人TTを制して総合首位に立ったログリッチのコメント
「素晴らしい気分だ。信じられない。チェーンは落ちたが、元に戻せた。全てを失う可能性があったが、それもレースの一部だ。脚はあったが、観衆がエクストラなワットをボクに与えてくれた。イベントの雰囲気と熱量を楽しんでいたよ。残り1日だ。(ローマの)コースはちょっとテクニカルだ。(明日が)終わるまでは終わっていないが、良さそうだね」
 

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■まるでアウェーの闘いだったトーマスは、最終日前日にマリア・ローザを失ってしまった (photo : LaPresse)


■第20ステージ結果

[5月27日/タルヴィーズィオ~モンテ・ルッサリ(個人TT)/18.6 km]
1. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) 44:23
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:40
3. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:42
4. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:55
5. PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA) +0:59
6. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +1:05
7. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES / USA) +1:07
8. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +1:18
9. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +1:49
10. VINE Jay (UAE TEAM EMIRATES / AUS) +1:53
116. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +10:55

■第20ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) 82:40:36
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:14
3. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:15
4. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +4:40
5. PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA) +5:43
6. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +6:05
7. DUNBAR Edward (TEAM JAYCO ALULA / IRL) +7:30
8. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +7:31
9. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +7:46
10. DE PLUS Lauren (INEOS GRENADIERS / BEL) +9:08
122. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +5:19:06

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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