ジロ・デ・イタリア2023 雨の第14ステージは逃げたデンツが2勝目/アルミライユが総合首位

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イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月20日にスイスのシエルからカッサーノ・マニャーゴまでの194 kmで雨天の第14ステージを競い、ドイツのニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグローエ)が逃げ切った小集団でのゴールスプリントを制し、第12ステージに続いて今大会区間2勝目を上げた。
 

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■デンツが今大会区間2勝目を上げた (photo : LaPresse)

 
区間2位はカナダのデレク・ジー(イスラエル・プルミエテック)、3位はイタリアのアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・イージーポスト)だった。マリア・ローザを着た英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)が居たメイン集団は20分以上遅れてゴールし、逃げ集団に加わっていたフランスのブルーノ・アルミライユ(グルパマ・FDJ)が総合首位になった。
 

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■アルミライユが24年ぶりでフランスにマリア・ローザをもたらした (photo : LaPresse)

 
第14ステージは133選手が出走。サムエーレ・バッティステッラ(アスタナ カザクスタン チーム)とステファン・ドゥボッド(EFエデュケーション・イージーポスト)がスタートしなかった。ドゥボッドは落車の怪我の感染症、バッティステッラは発熱を伴う胃腸のトラブルで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査は陰性だった。

これで8人全員がまだ揃っているのは、バーレーン・ヴィクトリアスとユンボ・ヴィスマだけになった。この2チームは新型コロナの影響で開幕直前にメンバー交代をしていた。

イタリア北部の悪天候は依然として続き、この日も雨が降り続いた。コースはスイスのシエルをスタートし、序盤にカテゴリー1のシンプロン峠を越えて雨のイタリアへと戻り、後半はほぼ平坦だったが、残り1kmはわずかに坂のゴールになっていた。
 

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■スイスのスタート地は晴れていた (photo : LaPresse)

 
アルミライユは序盤に集団から逃げ出した27人の大きな集団に加わっていた。そこにシンプロン峠で山岳賞を狙うダヴィデ・バイス(エオロ・コメタ サイクリングチーム)が合流した。アルミライユは56km地点のシンプロン峠頂上でチームリーダーのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)のマリア・アッズーラを守る為にアタックしたが、バイスの1位通過を阻止できなかった。ここで40ポイントを獲得したバイスは、再び山岳賞総合首位に立ち、ピノーからマリア・アッズーラを奪い返した。

マリア・アッズーラの防衛には失敗したが、アルミライユは総合成績で18分37秒遅れで、逃げ集団で最も上位だった。その為、メイン集団が大きく遅れ始めると、総合首位になる可能性が出てきた。

先頭の逃げ集団では、ゴールまで62kmで区間優勝を目指す攻撃が始まり、ダヴィデ・バッレリーニ(スーダル・クイックステップ)、ステファノ・オルダーニ(アルペシン・ドゥクーニンク)、ローレンス・レックス(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)が抜け出し、そこに残り50kmでトムス・スクインシュ(トレック・セガフレード)が合流した。

ゴールまで残り11kmでレックスが遅れ、先頭は3人になった。3人は追走グループに数10秒差を付けたままゴールを目指したが、この日は残り1kmが坂になっていた。残り600mでオルダーニがロングスプリントを開始したが、残り300mのカーブでベッティオールがスパートした追走グループに追い抜かれてしまった。

最後は追走グループにいたデンツがゴールスプリントを制したが、フィニッシュラインで両手を上げた瞬間に、右側からジーが飛び込み、あやうく勝利を失う所だった。

アルミライユは53秒遅れの区間15位でゴールし、インタビューコーナーでメイン集団の到着を待った。イネオス・グレナディアズが先頭を引く集団は21分11秒遅れでゴールし、アルミライユの総合首位が確定した。フランスの選手がジロでマリア・ローザを着るのは、1999年のローラン・ジャラベール以来だった。
 

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■イタリア北部は今日も雨が降り続き、メイン集団は21分以上遅れてゴールした (photo : LaPresse)

 
■今大会2勝目を上げたデンツのコメント
「今日はものすごく調子が良いと感じたから、もう一度逃げに入る事ができた。残り1kmを切ってから差を詰められてラッキーだった。非常に調子が良いと感じていて、ベッティオールがスプリントを開始した時、彼に付いていき、フィニッシュラインまで全力で行った。とても厳しい1日だったが、自分にとっては上手く終わったよ」

■29歳でマリア・ローザを獲得したアルミライユのコメント
「今朝の計画では区間優勝を狙っていた。チームメイトのルディ・モラールと話していて、我々はいつかマリア・ローザを手に入れられるだろうと思っていた。でも、それが今日になるとは思っていなかった。第4ステージでトライしたが、その日は良い日ではなく、ガッカリしていた。トーマスがフィニッシュラインを通過した瞬間に、それが自分の心の中で現実になったが、実感するのは難しい。昨日ピノーが区間2位になった後だったから、チームにとっては素晴らしいよ」
 

■第14ステージ結果
[5月20日/シエル(スイス)~カッサーノ・マニャーゴ/194 km]
1. DENZ Nico (BORA – HANSGROHE / GER) 4:37:30
2. GEE Derek (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN)
3. BETTIOL Alberto (BETTIOL Alberto / ITA)
4. REX Laurenz (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / BEL) +0:01
5. BALLERINI Davide (SOUDAL QUICK-STEP / ITA) +0:01
6. SKUJINS Toms (TREK – SEGAFREDO / LAT) +0:04
7. MAYRHOFER Marius (TEAM DSM / GER) +0:10
8. OLDANI Stefano (ALPECIN-DECEUNINCK / ITA) +0:20
9. PASQUALON Andrea (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:50
10. MAESTRI Mirco (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +0:50
15. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) +0:53
81. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +21:11

■第14ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) 56:17:01
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:41
3. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +1:43
4. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +2:03
5. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +2:23
6. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +3:09
7. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +3:33
8. DUNBAR Edward (TEAM JAYCO ALULA / IRL) +4:13
9. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +4:26
10. DE PLUS Lauren (INEOS GRENADIERS / BEL) +4:49
11. PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA) +4:54
131. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +2:46:44

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BAIS Davide (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

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ジロ・デ・イタリア公式サイト

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