ツアー・オブ・タイランド2023 最終ステージ、海に近いチャンタヤブリをスタートし、一度は内陸のアップダウンを越えて残り25kmは海に向かいフラットなレイアウト。

JCL TEAM UKYOは前半に隣接する2度の山岳ポイント（22.8km/24km）、そして、ボーナスタイムを獲得できる1度目のスプリントポイント（51㎞）が距離が近い関係にある事から、この3つのポイントに向けた集団の活性化に乗じてペースアップで集団を絞り、小石祐馬に2度目の116㎞地点のボーナスタイムを稼がせて逆転2位を狙うという作戦を前半に、後半は集団ゴールであればレイモンド・クレダーのスプリント勝利をトレインを組んでアシストするという二つの流れを想定してレースに挑んだ。

レースは序盤15km地点から飛び出した6人のエスケープが決まる。ツール・ド・台湾で総合優勝したトレンガヌのジェロエンを筆頭にタイ、ラオス、マレーシア、アルアマティ・アスタナが協調関係を保ちながらハイペースで逃げ続ける。前日のステージ優勝を遂げた韓国のジャング選手がすでに多くの山岳ポイントを保有しており、この逃げを危険視しなかったことから、プロトンは活性化せずにリーダーチームのルージャイのコントロールで距離を保つ展開が続く。

前半の2回の山岳ポイントは、先行6人の中からタイコンチネンタルのチャイヤソンバットが立て続けに獲得。次第に広がっていくプロトンとの差、51km地点のスプリントポイントでは3分に広がってしまう。 残るスプリントポイントは116km地点の1カ所のみ、ここでJCL TEAM UKYOは当初の作戦を遂行すべくベンジャミ・プラデスが小石を番手に付けて上りでアタックし、後方を絞りに入るが、上りの距離が短く決めきれない状況が続いてしまう。

2回目のスプリントポイントも先行6人が通過する流れが濃厚になると、小石の総合3位をキープしながらクレダーをゴールスプリントで勝たせる作戦に切り替え、ネイサン・アールと岡篤志が先頭に立ちゴールに向けて差を縮めに入る。ここで協力関係にあるのはセント・ジョージの選手たち、ゴールまでに先行をキャッチできる絶妙なペースで引き続ける。

ラスト10km、先行の6人をキャッチすると、いよいよスプリントに向け各チームがトレインを形成する。JCL TEAM UKYOもメンバーを総動員してラインを作る。

ゴールまで200m、クレダーがプラデスのリードを受けてスプリントに入るが、ゴール直前でトレンガヌの選手にラインを阻まれクレダーはスプリント中にやむなくブレーキに手を掛けることになる。結果3位でゴールとなったが、審議判定の結果繰り上がりの2位と認められレースを終えた。

最後に少しスッキリとしないレースフィニッシュとなったが、選手たちはスプリントに向け一丸となって戦ったお互いを称えあい、6日間のレースを締めくくった。 総合優勝はルージャイのバトサイカン、2位がトレンガヌのサインバヤールとモンゴルの選手2人が表彰で並ぶ結果。第1、第3ステージで強さを魅せた小石の健闘もあったが、彼らの総合的な強さを思い知る結果となった。

JCL TEAM UKYOは日本人の小石をエースに戦った6日間、国籍を越えてチームワークが光ったレースを印象付けた。UCIポイントも選手全員で合計93点獲得し、ツール・ド・台湾の95点に続き高得点と得る事が出来た。

小石選手のコメント
「逆転のモーションにもトライしましたが、平坦基調のステージに崩すことが出来ずゴールスプリントへ気持ちを切り替えました。総合2位、3位を行ったり来たりしたレース。最後が3位は悔しい部分ですがトレンガヌのサインバヤール選手が強かった結果。気持ちを切り替えて次のレースに向かいます。」

清水監督のコメント
「今日は勝てたというスプリントの流れで審議のレースに勝利は持ち越しとなってしまいました。振り返れば6日間選手たちはよくやってくれたと思います。これだけ多くのUCIポイントを稼げたのもチームがひとつになって毎ステージ向き合ったからだと感じています。次のTOJに向け更なる走りができるよう準備していきます。」

ツアー・オブ・タイランド2023 第6ステージ（167.3km）
Ave 42.81km/h 1. SIRIRONNACHAI Sarawut（THAI CONTINENTAL）3:48:52”
2. KREDER Reymond（JCL TEAM UKYO）+00:00”
3. PHONARJTHAN Patompob（THAI CONTINENTAL）+00:00”
5. OKA Atsushi（JCL TEAM UKYO）+00:00”
21. PRADES Benjamin（JCL TEAM UKYO）+00:00”

個人総合成績（最終結果）
1. BATSAIKHAN Tegshbayar（ROOJAI）23:38:00”
2. SAINBAYAR Jambaljamts（TRENNGANU）+00:42”
3. KOISHI Yuma（JCL TEAM UKYO）+00:43”
21. PRADES Benjamin（JCL TEAM UKYO）+12:32″
23. YAMAMOTO Masaki（JCL TEAM UKYO）+12:39″

フルリザルト
https://jcl-team-ukyo.jp/news/p1285/

大会オフィシャル：
The Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Tour of Thailand

Tour of Thailand2023（ツアー・オブ・タイランド2023）
大会期間：2023年4月1日〜4月6日
カテゴリー：UCI 2.1
ステージ：第6ステージ（4月6日）
スタート地点：Chanthaburi
コース：フラット167.3km
スプリントポイント：51.0km / 116.6 km
山岳ポイント:22.8 km (Cat. 4) / 24.0 km (Cat. 4)
出場：15チーム出走79人/完走78人
JCL TEAM UKYOメンバー：小石祐馬、岡篤志、山本大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス、ネイサン・アール