ブエルタ・ア・エスパーニャ2022でベルギーのエヴェネプールが総合初優勝

  • photo ©SprintCycling / Unipublic /Charly Lopez

スペインで開催されていた第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、最終日の9月11日に、ラス・ロサスから首都マドリードまでの96.7kmで第21ステージを競い、ベルギーのレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が総合初優勝した。
 

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■左から総合3位のアユソ、総合初優勝のエヴェネプール、総合2位のマス (©SprintCycling)

 
ベルギーの選手がブエルタで総合優勝したのは、1977年のフレディ・マルテンス以来で、グランツールは1978年にヨハン・ドムインクがジロ・デ・イタリアで総合優勝して以来、実に44年ぶりの歴史的快挙だった。22歳のエヴェネプールは新人賞も獲得し、ブエルタ史上4番目に若い総合優勝者になった。

2019年にプロデビューしたエヴェネプールは、昨年初参加したジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)を途中で棄権していたため、これが初めて完走したグランツールでもあった。ベルギーの首都ブリュッセルでは、彼のブエルタ総合優勝が確定した10日の夜に、フィリップ・クローズ市長の計らいで有名なグラン・プラス広場がラ・ロハの赤でライトアップされた。

総合2位は2分2秒差のエンリク・マス(モビスターチーム)、3位は4分57秒差のフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)で、表彰台の両脇には地元スペインの選手が上がった。

ポイント賞はデンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)、山岳賞はエクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)が受賞した。2人は今大会の後半戦にそれぞれ区間3勝を上げている。
 

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■左から山岳賞のカラパス、総合優勝と新人賞のエヴェネプール、ポイント賞のピーダスン (photo : Unipublic /Charly Lopez)

 
チーム成績はUAEのUAEチーム・エミレーツ、スーパー敢闘賞は地元スペインのマルク・ソレル(UAEチーム・エミレーツ)が受賞した。

マドリードの周回コースで競われた最終ステージは、コロンビアのフアンセバスティアン・モラノ(UAEチーム・エミレーツ)が、集団ゴールスプリントでポイント賞ジャージを着たピーダスンを打ち負かして初優勝した。区間3位はドイツのパスカル・アッカーマン(UAEチーム・エミレーツ)だった。
 

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■最終ステージはモラノが集団ゴールスプリントを制した (©SprintCycling)

 
第77回大会は23チームの183選手が参加し、134選手が完走した。開幕から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になる選手が続出し、最終的に25選手が新型コロナで棄権した。

■ベルギーに44年ぶりのグランツール優勝をもたらしたエヴェネプールのコメント
「今は本当に実感している。正式な結果だ。昨日からもうとても感動していた。我々はすでにそこに到達していたが、それでもレースを安全に良い方法で終えなければならなかった。我々は完璧だったと思う。可能な限り楽しんだが、今は本当に楽しむ事ができる。マドリードは本当にテクニカルなコースだったから、考える時間はあまりなかった。周回を重ねる度に緊張感は増していった。我々がここで生き残れて良かった。これはチームにとっても、祖国にとっても、ボク自身にとっても歴史だ。この3週間で成し遂げた事は本当に誇れると思うよ」
 

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■ベルギーのクイックステップ・アルファヴィニル チームは創立以来初のグランツール制覇だった (photo : Unipublic /Charly Lopez)


■第21ステージ結果

[9月11日/ラス・ロサス~マドリード/96.7km]
1. JUAN SEBASTIAN MOLANO BENAVIDES (UAE TEAM EMIRATES / COL) 02h 26′ 36”
2. MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN)
3. PASCAL ACKERMANN (UAE TEAM EMIRATES / GER)
4. MIKE TEUNISSEN (JUMBO – VISMA / NED)
5. DANNY VAN POPPEL (BORA – HANSGROHE / NED)
6. KADEN GROVES (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / AUS)
7. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR)
8. LIONEL TAMINIAUX (ALPECIN – DECEUNINCK / BEL)
9. BEN TURNER (INEOS GRENADIERS / GBR)
10. CEDRIC BEULLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
40. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) + 00’ 11’’

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ 個人総合最終成績
1. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 80h 26′ 59”
2. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02′ 02’’
3. JUAN AYUSO PESQUERA (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 04′ 57”
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ )ASTANA QAZAQSTAN TEAM / COL) + 05′ 56”
5. JOAO PEDRO GONÇALVES ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 07′ 24”
6. THYMEN ARENSMAN (TEAM DSM / NED) + 07′ 45”
7. CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 07′ 57”
8. BEN O’CONNOR (AG2R CITROEN TEAM /AUS) + 10′ 30”
9. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION – EASYPOST / COL) + 11′ 04”
10. JAI HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 12′ 01”

[各賞]
■ポイント賞:MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN)
■山岳賞:RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS / ECU)
■新人賞:REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞:MARC SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP)
 

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■マドリードの周回コースには今季で引退するバルベルデが先頭を独走して入場し、ファンに別れの挨拶をしていた (photo : Unipublic /Charly Lopez)

 

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■表彰式の前には今季で引退するバルベルデのセレモニーが行われた (photo : Unipublic /Charly Lopez)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

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