ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 第5ステージはソレルが逃げ切り優勝/モラールが総合首位

  • photo Unipublic / Sprint Cycling Agency / Cxcling

スペインで開催中の第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月24日に北部バスク地方のイルンからビルバオまでの187.2kmで中級山岳区間の第5ステージを競い、地元スペインのマルク・ソレル(UAEチーム・エミレーツ)が独走で逃げ切って区間優勝した。
 

vuelta2022

■地元スペインのソレルが逃げ切って区間優勝した (photo : Unipublic / Sprint Cycling Agency)

 
区間2位は南アフリカのダリル・インピー(イスラエル・プルミエテック)、3位は英国のフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)だった。メイン集団は5分以上遅れてゴールし、逃げ切った選手の中で総合成績が最も上位だったフランスのリュディ・モラール(グルパマ・FDJ)が総合首位になった。

第5ステージは179選手が出走。軽い喉の痛みがあったオランダのダーン・ホーレ(トレック・セガフレード)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、出走しなかった。この日は中盤にカテゴリー3の峠を3カ所越えた後、後半にカテゴリー2のアルト・デル・ビベロ峠を2回越えるレイアウトだった。

スタートからアタックと吸収が続いた後、峠越えが始まる前の74km地点で、9人が集団から逃げ出す事に成功した。その後、8人が合流し、逃げは17人の大きな集団になった。この逃げ集団が2分差を付けた時、メイン集団からソレルが単独でアタックし、2つ目の峠で追いつく事ができた。

逃げ集団で総合成績が最も上位だったのはモラールで、58秒遅れの総合20位だった。中盤に越えた3カ所のカテゴリー3の峠は、全てモナコ出身のヴィクトル・ランジェロッティ(ブルゴス・BH)が先頭で通過し、山岳賞総合首位を確実にした。

最初にアルト・デル・ビベロ峠を越えた時、逃げ集団は既にメイン集団に4分以上のタイム差を付けていた。ビルバオのフィニッシュラインを通過した後、逃げ集団からジェイク・ステュワート(グルパマ・FDJ)がアタックし、単独で2度目のアルト・デル・ビベロ峠を上り始めたが、彼は山頂まで残り1kmで追ってきたソレルに追い越されてしまった。

ソレルは後続に10秒ほどのタイム差を付けて山頂を越え、ビルバオのゴールを目指した。フラム・ルージュで追走グループは先頭のソレルが目視できる程に迫っていたが、結局彼を捉える事はできなかった。ソレルは2020年にも区間1勝していて、これが2度目の勝利だった。

4秒差の追走グループでゴールしたモラールは、区間3位で4秒のボーナスタイムを獲得したライトにたった2秒差で総合首位の座を獲得した。現在32歳のモラールは、2018年にもブエルタで真紅の総合リーダージャージを4日間着用した事があった。

■区間優勝したソレルのコメント
「とてもハッピーなのは事実だ。(14分以上遅れた)昨日の後で、これは予期していなかった。最終的にこれを実現できたし、とても幸せだよ。逃げを作りたくて必死に戦った。逃げが決まった時、ボクはそこには入っていなかったが、入りたかった。それでマチン監督が上りでトライしろと言った。

最後は試してみたくて、それに全力を尽くした。多くの事が取り沙汰されているが(グランツールでスペイン勢の勝利がない事)、それは簡単ではない。大勢のスペイン人選手がたくさんのチームに居て、我々はしばしば働かなければならないからだ。簡単ではないが、我々だって勝つ事はできるのさ」

■総合首位になったモラールのコメント
「ボクにとっては重要な日だ。昨日からこの事を考えていた。総合成績でそんなに離れていなかったからね。今日ラ・ロハを取る事は可能だとチームメイトたちに言っていて、ボクはそれをやり遂げた。とても良い気分だ。今日ステュワートはとても強く、ボクのために引いてくれた。最後に彼はアタックするチャンスがあった。

ソレルが勝ったのは、リーダージャージを取るボクには都合が良かった。彼がボーナスタイムを取ったからね。去年は深刻な事故でレースを離れなければならなかった。ベストなレベルに戻れるかどうかも分からなかった。でも1年後に、ボクはグランツールでリードしているんだ」
 

vuelta2022

■フランスのモラールが総合首位になった (photo : Unipublic / Sprint Cycling Agency)


■第5ステージ結果

[8月24日/イルン~ビルバオ/187.2km]
1. MARC SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP) 04h 15′ 23”
2. DARYL IMPEY (ISRAEL-PREMIER TECH / RSA) + 00′ 04”
3. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR) + 00′ 04”
4. RUDY MOLARD (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 00′ 04”
5. G LAWSON CRADDOCK (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / USA) + 00′ 04”
6. NIKIAS ARNDT (TEAM DSM / GER) + 00′ 04”
7. VICTOR LANGELLOTTI (BURGOS-BH / MON) + 00′ 04”
8. VADIM PRONSKIY (ASTANA QAZAQSTAN TEAM /KAZ) + 00′ 04”
9. GREGOR MÜHLBERGER (MOVISTAR TEAM / AUT) + 00′ 04”
10. ROGER ADRIA OLIVERAS (EQUIPO KERN PHARMA / ESP) + 00′ 04”
23. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 05’ 09’’

■第5ステージまでの総合成績
1. RUDY MOLARD (GROUPAMA – FDJ / FRA) 16h 07’22’’
2. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR) + 00′ 02’’
3. NIKIAS ARNDT (TEAM DSM / GER) + 01’ 09’’
4. G LAWSON CRADDOCK (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / USA) + 02’27’’
5. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 04’ 09’’
6. SEPP KUSS (JUMBO – VISMA / USA) + 04’ 22’’
7. PAVEL SIVAKOV (INEOS GRENADIERS /FRA) + 04’ 35’’
8. TAO GEOGHEGAN HART (INEOS GRENADIERS /GBR) + 04’ 35’’
9. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)+ 04’ 36’’
10. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS /ECU)+ 04’ 42’’

[各賞]
■ポイント賞:SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL)
■山岳賞:VICTOR LANGELLOTTI (BURGOS-BH / MON)
■新人賞:FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR)
■チーム成績:GROUPAMA – FDJ (FRA)
■敢闘賞:MARC SOLER (UAE TEAM EMIRATES / ESP)
 

vuelta2022

(photo : Unipublic / Cxcling)

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2022はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!

8/23発売!完全保存版「2022ツール・ド・フランス詳細レポート」