ガールズケイリン10周年記念開催 本日よりスタート!

本日6月29日より7月1日まで、神奈川県平塚市の平塚競輪場にて、女子選手のみで1日12レースを行うオッズパーク杯ALL GIRL’S 10th Anniversaryが行われる。開催の前々日、都内にて記者会見が行われた。その様子をレポート。

ガールズケイリン10周年記念

6月27日、品川プリンスホテルにてガールズケイリン10周年記念記者会見が行われた。
ガールズケイリンが始まってから10周年を記念して、6月29日~7月1日の日程で平塚競輪場にて初めて「女子だけ」の開催が行われる。

これまで、ガールズのレースは、男子レース開催の間や最後に行われるのみであったが、今回の開催では3日間、1日12レースが全て女子のレースとなる。

記者会見にて、JKA執行理事の八子洋介は、「ガールスの設立当初は33名の選手から始まって、2022年現在で179名まで選手が増えました。今大会は参加全84選手が全て女子となります。トラック世界大会での小林優香や佐藤水菜の活躍も多く見られるようになり、今後ガールズケイリンに憧れを持ってもらえるように、10年を節目として様々な改革に着手する予定です」と話した。

1964年に女子競輪は一度廃止をしており、そこから2012年にガールズケイリンとして生まれ変わっている。その経緯について、ガールズケイリンの生みの親でもあるJKA元会長、下重暁子はこうコメントしている。

「私がガールズケイリンを誕生させたいと考え始めたのは、橋本聖子議員との会話で『女子アスリートがトレーニングする場所を提供してほしい』と訴えられた時からでした。
当時JKA会長であった私は、『女子の自転車競技選手がトレーニングする場所は競輪場を活用すればよい』と思いましたが、『いっそのことプロとして活躍すれば良いのではないか』と考えたのです。
2012年のロンドンオリンピックでは、女子のケイリンが正式種目になることが決定していました。ケイリンは日本発祥の種目なのに、当時女子は出場もおぼつかない状況で、これはなんとかしなければという思いも強くありました。
当時業界内には、以前あった女子競輪の人気がなくなり、廃止に追い込まれた経験から復活に疑問を唱える声も多くありましたが、私にはなぜか自信があり『これは復活ではなく新たな誕生なのです。これからの競輪は女がキーワードよ』と、よく言っていました。確かに競技者も少なく、お客様も受け入れてくれるかどうかわからない中で、ある意味賭けでもあったわけですが、10年間で立派に成長し、競輪の中で人気のコンテンツになったということで、感慨もひとしおです。
また、オリンピックにも堂々と出場できるほど選手層もあつくなり、世界での活躍にも期待が持てます」

 

ガールズケイリン10周年記念

会見で登壇した小林(左)、石井(中央左)、佐藤(中央右)、沖(右)

 

会見には、ガールズの一期生である小林莉子、二期生の石井寛子、七期生の佐藤水菜、さらにはJKAの女子一期生から六期生を教官として担当した沖美穂が登壇し、トークショーを行った。

ガールズの一期生として競輪学校に入った小林は、「正直、大変だったとかそういう記憶はないんです。本当にただがむしゃらに、どこまで強くなれるかだけを考えて過ごしていたので。そこまで考えられる余裕はなかったんだと思いますね」と話す。

担当した沖は一期生の印象について、「さまざまな分野から来られた方が多くて、大変な部分はあったと思います。でも1期生としてすごく頑張ってくれて、気持ちはひとつだったと感じます」と振り返った。

 

ガールズケイリン10周年記念

初代ガールズグランプリ女王の小林

 

2011年7月1日、雨の中のデビュー戦のことを鮮明に覚えていると話した小林。
「お客さんの熱気があって、はじまったんだなというのを感じて走りました。
これは当時の1期生とも話していたことなんですが、『最初の1年でしっかりお客さんを掴まないと、この先続いていかないから頑張ろう!』と。売り上げも本当に気にしていました。次の日の出走表で売り上げが見られるので、毎回見るのにドキドキしていました。
ガールズは3年で終わる、もって5年と言われ続けていたので、絶対に軌道に乗せるという気持ちでやっていたんです」

 

ガールズケイリン10周年記念

2017年ガールズグランプリ女王の石井は、現在ガールズケイリンで最多勝利数を誇る

 

一方で、二期生として入った石井は、「危機感はそんなになかったと思います。どちらかというと2期生は、1期生とどう仲良くするかの方が大きかったかも。仲の良い人たちとも戦わなきゃいけない、厳しい世界に入ってきたなと思っていました」

七期生として入ってきた佐藤も「先輩方が土台を作ってくださったおかげで走りやすい環境でレースだけを頑張れる状況だったので。大変だったというお話をいっぱい聞くんですが、すごく感謝しています。私も土台を作る人になって、もっとメジャーなスポーツになるように頑張って行きたいと思います」と話した。

 

ガールズケイリン10周年記念

アジア選手権で獲得したばかりの金メダルをお茶目な表情で見せる佐藤

 

また、佐藤は去年の世界選手権ケイリンでの銀メダル、直近、アジア選手権のケイリン金メダルなど順調に結果を出してきている。

「両立はすごく難しいことだと最初は思っていたんですが、競技を通じて精神面・脚力面で一皮剥けたような成長を遂げられたのかなと思います」と話した。

一方で、ガールズに集中する石井は、「スピードアップしちゃったのはさとみなのせいですね(笑)。ナショナルメンバーはみんな強いのでどう勝てるかを考えています」と話した。

ナショナルチームのメンバーから、佐藤水菜、小林優香、太田りゆも参戦する。初めての女子だけの開催がどんな戦いになるのか期待したい。

なお、今回はナイター開催となり、1レース目は15時40分から、最終12レースは20時25分からの発走を予定している。
中継はもちろん、競輪の開催を見たことがないという人もこの機会に生での観戦にもぜひ訪れてみてほしい。

 

平塚競輪場
神奈川県平塚市久領堤5-1
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