仮屋和駿が優勝!2022全日本選手権ロード男子U23ロードレース 女子は開催見送り

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キナンレーシングチームの仮屋がU23のタイトルを獲得

2022全日本自転車競技選手権・男子U23ロードレースは広島県中央森林公園サイクリングロード12.3kmを10周回する123kmで行われた。出走は119人だ。

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

レースは2周目の終盤に4人の逃げが決まった。中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)、松原颯祐(日本体育大学)、馬場慎也(鹿屋体育大学)、長川達哉(EQADS)の4人がなんとか1分のタイム差を付けて逃げるが、メイン集団は活発に動き続け、6周目前半の下り区間でこの4人は捕まった。

このカウンターでぱらぱらと合計6人が抜け出した。メンバーは山田拓海(早稲田大学)、寺田吉騎(アジアサイクリングアカデミー)、篠崎蒼平(東京大学)、津留峻(鹿屋体育大学)、五十嵐洸太(弱虫ペダルサイクリングチーム)、そして先ほどまで逃げていた松原だ。

メイングループでは昨日のTTの勝者・留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデベロップメントチーム)が積極的に動くがマークがきつく、抜け出せない様子。先頭の6人は1人また1人とドロップしてゆき、しばらくして山田と寺田2人の逃げになった。

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

8周目の三段坂でメイングループから抜け出した6人が前の2人を追い、9周目には合流。ここから寺田がドロップし、7人の逃げ集団が形成された。メンバーは山田の他に岩田聖矢と香山飛龍(いずれも弱虫ペダルサイクリングチーム)、仮屋和駿(キナンレーシングチーム)、川崎三織(EQADS)、吉田圭吾(京都産業大学)、平井杏周(関西大学)。留目を含むメイン集団とのタイム差は50秒ほどで最終周回に突入!

このまま7人のゴールスプリントになるかと思われたが、弱虫ペダルの2人が上りに入って交互に仕掛け、それを冷静に見極めて最後の上りでアタックした仮屋がそのまま独走で逃げ切り、U23のタイトルをキナンレーシングチームにもたらした。

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

全日本選手権2022 男子U23ロードレース

2022全日本技選手権 男子U23ロードレース
1位 仮屋和駿(キナンレーシングチーム)3時間6分12秒(平均時速39.65km)
2位 岩田聖矢(弱虫ペダルサイクリングチーム)+12秒
3位 香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)+15秒

 

エリート女子+U23女子ロードレースは開催見送り

エリート女子+U23女子はレースの4日前になって開催が見送られるという、前代未聞の事態となった。

これは、参加予定だった選手の一人が、このレースにチームカーを走らせるようJCFに要望し、JCF側が選手の安全面を理由にこれを却下したために日本スポーツ仲裁機構に訴えた(6月10日)ことに端を発する。

JCFは機構の裁定にほぼ従って「チームカーは競技に随行できない」という特別規則を削除。しかしチームカーが競技に随行してしまっては選手やチームカーの安全が確保できないと考え、レースの開催そのものを見送るという苦渋の決断をしたものだ。

そもそも日本の女子のレースではチームカーが走った例がほとんどなく、選手もスタッフもチームカーが走るレースの経験が豊かとは言えないうえ、広島のコースそのものが狭いワインディングの続く難コースのため、ここでチームカーを入れたレースをすることはできないというのがJCFの説明だ。

このタイミングでレースがキャンセルとなった選手たちの気持ちを考えるとやりきれない思いだが、それは訴えを起こした選手本人もきっとそうに違いない。

女子選手にとって全日本選手権は、選手にUCIポイントの付く国内唯一のレースでもあり、ぜひ開催地が現れることを祈りたいが、レースを誘致したいという自治体がほとんどないのも事実らしい。なんとか他のアイデアがなかったものかとも思うが、覆水盆に返らず。このような事態が二度と起こらないように祈るばかりだ。

 

第90回 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
第25回全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会
開催期間:2022年6月23日(木)~6月26日(日)
会場:広島県中央森林公園サイクリングロード

日本自転車競技連盟
https://jcf.or.jp