シクロクロス世界選2022男子エリートは英国のピドコックが初優勝

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米国アーカンソー州のフェイエットヴィルで、1月30日に開催されたウォルマート・UCIシクロクロス世界選手権の男子エリートは、22歳のトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)が独走で優勝し、英国に初の世界タイトルをもたらした。
 

シクロクロス世界選

■22歳のピドコックはスーパーマンのポーズでゴールした(©SprintCycling)

 
2位は30秒遅れでオランダのラルス・ファンデルハール(バロワーズ・トレック・ライオンズ)、3位は32秒遅れでベルギーのエリ・イーゼルビット(パウエルスサウゼン・ビンゴール)だった。


2大チャンピオンが欠場

ディフェンディングチャンピオンのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス/オランダ)と、ベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)が欠場した今年のシクロクロス世界選は、今季ワールドカップで総合優勝したイーゼルビットと、ピドコックが優勝候補の筆頭に名前を上げられていた。

ファンデルプールとヴァンアールトは、2015年から2人だけでアルカンシエルの奪い合いを続けていたため、今年は8年ぶりで新しい世界チャンピオンが誕生するのは間違いなかった。

ベルギーはワールドカップ最終戦後に、クインテン・ヘルマンス(トルマンスシクロクロスチーム)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、渡米できなかった。男子エリートは14カ国の36選手がスタートラインに並んだ。

レースは序盤からフランスとベルギーが攻撃を続けたが、ピドコックは常にそれをチェックし、逃げを許さなかった。先頭はすぐに10数人のトップ選手たちに絞られた。
 

シクロクロス世界選

■新型コロナのパンデミックが続く中、シクロクロス世界選は有観客で開催され、大勢のファンが熱戦を見守った(©SprintCycling)

 
勝敗を決したのは、4周目のヘアピン・スロープだった。トリッキーなスロープを上る直前に、ピドコックは前を走っていたマイケル・ヴァントルノート(パウエルスサウゼン・ビンゴール)を追い抜き、先頭でスロープを越えた。

その後方では、3番手を走っていたイーゼルビットが、スロープの上りで滑ってしまった。ベルギーチームの僅かな隙を見逃さなかったピドコックは、ここで加速し、じわじわと差を広げていった。4周目の終わりに、彼は追走するイーゼルビットに6秒差を付けていた。

独走を開始したピドコックに、追いつける選手はいなかった。追走グループからは、7周目にファンデルハールがアタックし、イーゼルビットが付いて行った。しかし、2人と先頭のピドコックとのタイム差は、すでに30秒以上開いていた。

ピドコックはそのまま逃げ切り、スーパーマンのポーズでフィニッシュラインを通過した。2位争いのゴールスプリントは、ファンデルハールが制した。

■英国初のシクロクロス世界チャンピオンになった22歳のピドコックのコメント
「ベルギー人たちは戦術的なレースを走ろうとした。ボクは自分のチャンスを見つけ、やり抜いた。ここにはマテューとウァウトがいないから、レースに勝つのはより難しくなったと思う。誰もがレースはより簡単になると期待しているが、そのメンタリティーでは乗り越えられない。誰がレースに参加していたって、とても難しいものさ。ボクたちは1つの計画を持ってここに来た。そしてボクたちはその過程に固執し、それは結局良い結果になった」
 

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■男子エリートの表彰台。左から2位のファンデルハール、優勝したピドコック、3位のイーゼルビット(©SprintCycling)

  
■男子エリート 結果

[1月30日/100m + 9周 x 3.1km]
1. PIDCOCK Thomas (GBR) 1:00:36
2. VAN DER HAAR Lars (NED) +0:30
3. ISERBYT Eli (BEL) +0:32
4. VANTHOURENHOUT Michael (BEL) +0:52
5. VENTURINI Clement (FRA) +0:57
6. AERTS Toon (BEL) +1:02
7. ADAMS Jens (BEL) +1:06
8. SWEECK Laurens (BEL) +1:16
9. KUHN Kevin (SUI) +1:36
10. SOETE Daan (BEL) +1:44

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