ツール・ド・フランス2021第12ステージはポリッツが初優勝

第108回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月8日にサン・ポール・トロワ・シャトーからニームまでの159.4kmで第12ステージを競い、ドイツのニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)が逃げ切り、区間初優勝を果たした。
 

ツール・ド・フランス2021

ポリッツが独走で逃げ切り、区間初優勝を果たした

区間2位はスペインのイマノル・エルビティ(モビスターチーム)、3位はオーストラリアのハリソン・スウィーニー(ロット・スーダル)だった。メイン集団は16分近く遅れてゴールしたが、総合首位はタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が守った。


サガンが不出走

ツール・ド・フランス2021

●第12ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)

第12ステージは155選手が出走。スロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)がスタートしなかった。彼は第3ステージのゴールスプリントで、ケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)の落車に巻き込まれ、膝を負傷していた。

ローヌ渓谷の突風の影響で、スタートは10分遅れた。強風の影響でスタートからスピードが上がり、集団は早々に分断してしまった。15km地点で世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)を含めた13人が逃げ出し、ポリッツ、エルビティ、スウィーニーもそこに加わっていた。

総合成績が最も上位のセルヒオ・エナオ(チームクベカ・ネクストハッシュ)でも50分以上遅れていた為、集団はこの逃げを許してペースを緩めたため、タイム差は30km地点で4分になった。その後も13人は差を広げ続け、ゴールまで残り90kmでは10分になっていた。
 

ツール・ド・フランス2021

第12ステージは13人が逃げ切った

レース中盤に越えたカテゴリー3のベルベデール・ド・タローの丘はポリットが先頭で通過。逃げにアラフィリップが加わっていたため、ドゥクーニンク・クイックステップは集団を引かず、UAEチーム・エミレーツがコントロールする集団は11分50秒遅れていた。

スタート前には、このステージは集団ゴールスプリントになり、英国のマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が区間4勝目を上げ、エディ・メルクスが持つ34勝の最多区間優勝記録に並ぶのではないかと期待されていたが、それはまた別の機会になった。
 

ツール・ド・フランス2021

集団はチームUAE・エミレーツがコントロールした


ポリッツがアタック

ゴールまで残り50kmでタイム差は12分45分になり、先頭の逃げグループではアタックが始まり、残り49kmで最初に仕掛けたのはポリッツだった。この時は失敗したが、彼は残り40kmでもう一度アタックし、エルビティ、スウィーニー、シュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)とともに逃げグループから先行する事に成功した。

残り26.7kmの中間スプリントはポリッツが先頭で通過。4人はアラフィリップが居る追走グループに25秒差を付けていた。ゴールまで残り14kmでキュンクが遅れ、先頭は3人になった。そして残り12kmでポリッツがアタックし、独走を開始。彼はこの時すでに、この日の敢闘賞受賞が決まっていた。

ポリッツは追走する2人に30秒差を付けたまま、単独でゴールした。彼は2019年のパリ〜ルーベで2位になって注目を浴びたが、ビッグレースで勝ったのはこれが初めてだった。サガンの棄権で沈んでいたボーラ・ハンスグローエにとっては、素晴らしい成功となった。

15分53秒遅れでゴールした集団は、スプリンターたちが14位争いのスプリントを競い、マイヨ・ベールのカヴェンディッシュが先頭でゴールし、ポイント賞のポイントを3ポイント獲得した。

■ツール区間初優勝を果たしたポリッツのコメント
「信じられない。ツール・ド・フランスで区間優勝するのは夢だ。サガンが去らなければならなかったのは悲しい事だった。我々は横風の中でスタートした。この数日間、調子が良いと感じていた。我々のグループには多くのスプリンターが居たから、ボクはレースをハードにしなければならず、かなり早くアタックした。最初にアタックして、全力を出し切った。単独でゴールするなんて信じられない」
 

ツール・ド・フランス2021

マイヨ・ジョーヌはポガチャルが守った

■第12ステージ結果[サン・ポール・トロワ・シャトー~ニーム/159.4km]
1. POLITT Nils (BORA – HANSGROHE / GER ) 3:22:12
2. ERVITI Imanol (MOVISTAR TEAM / ESP ) +31
3. SWEENY Harrison (LOTTO SOUDAL / AUS ) +31
4. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI ) +01:58
5. MEZGEC Luka (TEAM BIKEEXCHANGE / SLO ) +02:06
6. GREIPEL André (ISRAEL START-UP NATION / GER ) +02:06
7. THEUNS Edward (TREK – SEGAFREDO / BEL ) +02:06
8. VAN MOER Brent (LOTTO SOUDAL / BEL ) +02:06
9. ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA ) +02:06
10. HENAO MONTOYA Sergio Luis (TEAM QHUBEKA NEXTHASH / COL ) +02:06
14. CAVENDISH Mark (DECEUNINCK – QUICK-STEP / GBR ) +15:53

■第12ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO ) 47:22:43
2. URAN Rigoberto (EF EDUCATION – NIPPO / COL ) +05:18
3. VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN ) +05:32
4. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU ) +05:33
5. O’CONNOR Ben (AG2R CITROEN TEAM / AUS ) +05:58
6. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED ) +06:16
7. LUTSENKO Alexey (ASTANA – PREMIER TECH / KAZ ) +06:30
8. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP ) +07:11
9. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA ) +09:29
10. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Peio (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP ) +10:28

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):CAVENDISH Mark (DECEUNINCK – QUICK-STEP / GBR)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):QUINTANA Nairo (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(※第13ステージは VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) が着用)
■チーム成績:BAHRAIN VICTORIOUS (BRN)
■敢闘賞:POLITT Nils (BORA – HANSGROHE / GER )


第13ステージは平坦区間

ツール・ド・フランス2021

●第13ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)

7月9日はガール県のニームから、オード県のカルカソンヌまでの219.9kmで、平坦区間の第13ステージが行われる。序盤にカテゴリー4の丘が1カ所あるだけで、集団ゴールスプリントになりそうなレイアウトだが、カルカソンヌのゴールはこれまで集団ゴールスプリントで終わった事はない。

ツール・ド・フランス2021

ツール・ド・フランス公式サイト

J SPORTS「ツール・ド・フランス2021」全21ステージ独占生中継&LIVE配信

ツール・ド・フランス2021開幕情報(スタートリスト)

6/14発売! ツール・ド・フランス2021公式プログラム