ミラノ~サンレモ2021でベルギーのストゥイヴェンが初優勝!

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5大クラシックの1つである第112回ミラノ~サンレモ(UCIワールドツアー)が、3月20日にイタリア北部で開催され、ベルギーのヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)が残り2kmから逃げ切り、サプライズな初優勝を果たした。

ミラノ~サンレモ

残り2kmでアタックしたストゥイヴェンが逃げ切った

2位はオーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)、3位はディフェンディングチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)だった。優勝候補だったオランダチャンピオンのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)は5位、世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)は16位だった。

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ビッグタイトルを獲得したベルギーのストゥイヴェン


残り2kmでストゥイヴェンがアタック

第112回大会は172人が出走。ミラノのスタートと同時にアタックしたのは、チーム ノボ ノルディスクのアンドレア・ペロンだった。このアタックで8人の先頭グループが形成され、終盤の丘越えまで逃げ続けた。

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快晴の下、ミラノのスフォルツェスコ城前をスタートした選手たち

ゴールまで残り24.5kmのチプレッサ峠の登坂で、最後まで逃げていたタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)が吸収され、レースは振り出しに戻った。

そこからイネオス・グレナディアズが先頭を引き、集団からはピュアなスプリンターが遅れ始めた。イネオス・グレナディアズはチプレッサ峠を越えた後も下りで集団を引き、先頭は一時50人ほどになったが、残り13kmで後続グループが追いつき、90人程度に膨れ上がった。

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ポッジョで最初に仕掛けたのは世界チャンピオンのアラフィリップだった

ゴールまで残り9kmで、最後のポッジョ登坂がスタート。引き続きイネオス・グレナディアズが集団の先頭を引いていた。残り6.5kmで最初にアタックしたのはアルカンシエルのアラフィリップだった。しかし、すぐにヴァンアールトが反応した。続いてヴァンアールトが攻撃し、ポッジョの頂上を先頭で通過したが、後方にはスプリンターのユアンが付いていた。

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スプリンターのユアンはポッジョを2番手で通過したが…

下りで先頭に出たのは初参加のトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)だった。ここで先頭は10人ほどに絞られ、優勝候補は全員顔を揃えていた。しかし、ポッジョを下り終えた残り2kmでストゥイヴェンがアタック。セーアン・クラーウアナスン(チームDSM)が追いかけ、残り1kmのフラム・ルージュで先頭のストゥイヴェンに追いついた。

2人はわずかなリードを保って最後のホームストレートに到着した。そして残り150mでスパートしたストゥイヴェンが、有力選手が揃った後続グループに追いつかれる事なく、両手を上げてフィニッシュラインを通過し、ビッグタイトルを手中に収めた。

28歳のストゥイヴェンは、昨年地元ベルギーのオムロープ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)を制したが、モニュメントと呼ばれる5大クラシックで優勝したのはこれが初めてだった。今季はマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)のリードアウトとして働き、彼自身はまだ勝ち星がなかった。ベルギーのTV局の優勝予想も、彼には星1つですら付けていなかった。

■サプライズな初優勝を果たしたストゥイヴェンのコメント
「残り1kmで、ゴールへと向かう最後のカーブの前にちょっと回復しようと試みた。少し回復することができて、それからスプリントを開始した。ミラノ~サンレモで勝ったなんてまだ信じられない。ポッジョの下りの後で、まだ何人かのスプリンターが残っているのを見たから、スプリントになるのを予想し、疲れさせようとした。それは今朝決めた戦略ではなく、むしろ本能だった。素晴らしい。言葉が見つからない」

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残り2kmでアタックしたストゥイヴェンが逃げ切った

第112回ミラノ~サンレモ 結果
[3月20日/UCIワールドツアー/299km]
1. STUYVEN Jasper (TREK – SEGAFREDO / BEL) 6:38:06
2. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS)
3. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL)
4. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
5. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED)
6. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS)
7. ARANBURU DEBA Alex (ASTANA – PREMIER TECH / ESP)
8. COLBRELLI Sonny (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
9. KRAGH ANDERSEN Søren (TEAM DSM / DEN)
10. TURGIS Anthony (TOTAL DIRECT ENERGIE / FRA)
16. ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA)
117. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +7:14

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