UCIワールドツアーのパリ~ニース2020はドイツのシャッハマンが総合初優勝

フランスで開催されていた第78回パリ~ニース(UCIワールドツアー)は、3月14日にニースからカテゴリー1のバルドブロール・ラ・コルミアーヌ頂上までの166.5kmで最終区間の第7ステージを競い、ドイツチャンピオンのマクシミリアン・シャッハマン(ボーラ・ハンスグローエ)が総合初優勝を果たした。彼は区間優勝した初日からマイヨ・ジョーヌを守りきった。

今年のパリ~ニースは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の流行拡大により、15日に行われる予定だった第8ステージは中止になり、第7ステージで終了した。カテゴリー1頂上ゴールの最終ステージは、コロンビアのナイロ・キンタナ(チームアルケア・サムシック)が独走で制した。

パリ~ニース2020

新型コロナウイルスの脅威にさらされたパリ~ニースは、シャッハマン(中央)が総合初優勝して幕を閉じた(photo : © BORA – hansgrohe / Bettiniphoto)

第7ステージは快晴のニースを92選手がスタート。世界チャンピオンのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)は新型コロナウイルス流行拡大の影響で母国デンマークからの帰国要請があり、最終区間を走らなかった。

序盤にニコラ・エデとアントニー・ペレス(コフィディス)、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、トマス・デヘント(ロット・スーダル)、アルベルト・ベッティオール(EFプロサイクリング)、オレリアン・パレパントル(AG2R・ラモンディアル)の6人が逃げ出し、集団に3分程度の差を付けて逃げ続けた。峠の頂上は山岳賞のマイヨ・アポワを着たエデが1位で通過してポイントを稼ぎ続けた。

16.3km続く最後のバルドブロール・ラ・コルミアーヌの登坂が始まると先頭はアラフィリップとデヘントの2人になった。アラフィリップはすぐに脱落し、デヘントは単独で山頂を目指した。しかし、残り10kmでマイヨ・ジョーヌ集団は1分25秒後方に迫っていた。

ゴールまで残り4kmで、マイヨ・ジョーヌ集団からキンタナがアタックし、1km先でデヘントを追い抜き、そのまま独走で区間優勝を果たした。後方のマイヨ・ジョーヌでは総合争いが繰り広げられ、総合2位のティシュ・べノート(チームサンウェブ)がアタックし、キンタナより46秒遅れでゴールした。マイヨ・ジョーヌを着たシャッハマンは苦しみながらも58秒遅れでゴールに飛び込み、たった18秒差で総合首位の座を守ることができた。

新型コロナウイルス流行拡大の影響で予定よりも5チーム少ない17チームが参加し、136選手で競われた今年のパリ〜ニースは、完走者がたった61人だった。

パリ~ニース2020

今大会唯一の頂上ゴールはコロンビアのキンタナが独走で制した(photo : A.S.O./Fabien Boukla)

■区間優勝したキンタナのコメント
「いつも優雅に区間優勝しようと努めている。チームは逃げを捕まえるために働き、その後でボクは自分がしなければならないことをした。総合成績でできることは何もなかった。ひどい落車(第2ステージ)でその日はあまりにもタイムを失ってしまった。毎日最高の状態でゴールし、チームに小さな喜びをもたらすためにもレースが終わってしまう前に勝ちたかった。これはチーム全体の仕事に対する贈り物だ。これからボクは家族と一緒に居るためにコロンビアへ戻るつもりだ」

■UCIワールドツアーのパリ〜ニースで総合初優勝したシャッハマンのコメント
「非常にハードだった。コンラッド、シュワルツマン、グロスシャルトネールがボクの為にレースをコントロールしてくれたが、ゴールは本当にハードだった。最後の3kmは地獄を通り抜け、痛みをこらえた。今は天国にいるような気分で、それは脚の痛みを消してくれる。初めての成功ではないが、今までで最高で最も重要な勝利だ。沢山の人はボクが総合を争う選手になれるかどうか疑っていたからね。ボクは今や、最も権威ある1週間のレースで勝ったんだ」

パリ~ニース2020

ゴール直後のシャッハマン(photo : © BORA – hansgrohe / Bettiniphoto)

■第7ステージ結果[3月14日/ニース~バルドブロール・ラ・コルミアーヌ/166.5km]
1. QUINTANA Nairo (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) 4:27:01
2. BENOOT Tiesj (TEAM SUNWEB / BEL) +46
3. PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA) +56
4. HIGUITA GARCIA Sergio Andres (EF PRO CYCLING / COL) +56
5. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +56
6. SCHACHMANN Maximilian (BORA – HANSGROHE / GER) +58
7. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +1:19
8. KANGERT Tanel (EF PRO CYCLING / EST) +1:22
9. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1:32
10. MOLARD Rudy (GROUPAMA – FDJ / FRA) +1:32

第78回パリ~ニース 個人総合最終成績(UCIワールドツアー)
1. SCHACHMANN Maximilian (BORA – HANSGROHE / GER) 27:14:23
2. BENOOT Tiesj (TEAM SUNWEB / BEL) +18
3. HIGUITA GARCIA Sergio Andres (EF PRO CYCLING / COL) +59
4. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:16
5. PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA) +1:24
6. QUINTANA Nairo (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) +1:30
7. MOLARD Rudy (GROUPAMA – FDJ / FRA) +2:03
8. KANGERT Tanel (EF PRO CYCLING / EST) +2:16
9. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +3:39
10. KRAGH ANDERSEN Søren (TEAM SUNWEB / DEN) +4:36
[各賞]
■ポイント賞:BENOOT Tiesj (TEAM SUNWEB / BEL)
■山岳賞:EDET Nicolas (COFIDIS / FRA)
■新人賞:HIGUITA GARCIA Sergio Andres (EF PRO CYCLING / COL)
■チーム成績:TEAM SUNWEB (GER)

パリ~ニース公式サイト