ツール・ド・フランス2019でコロンビアのベルナルが総合初優勝/最終区間はユアンが3勝目をマーク

目次

第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、2019年7月28日にランブイエからパリのシャンゼリゼ大通りまでの128kmで最終ステージを競い、22歳のエガン・ベルナル(チームイネオス)が総合初優勝を果たし、祖国コロンビアに初タイトルをもたらした。

総合2位は昨年総合優勝した英国のゲラント・トーマス(チームイネオス)、3位はオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームユンボ・ビスマ)だった。

22歳6カ月15日のベルナルはツール史上3番目に若い総合優勝者になり、新人賞のマイヨ・ブランも受賞した。ツール史上最も若い優勝者は1904年に19歳11ヶ月19日で優勝したアンリ・コルネ(フランス)、2位は1909年に22歳6ヶ月6日で優勝したフランソワ・ファーベル(ルクセンブルク)だが、マイヨ・ジョーヌは100年前の1919年に誕生したため、ベルナルはマイヨ・ジョーヌを着て最終日の表彰台に上がった最も若い優勝者になった。

ベルナルは南米待望の勝者として、コロンビアにマイヨ・ジョーヌを持ち帰ることになる。今年はジロ・デ・イタリアでエクアドルのリチャルド・カラパス(モビスターチーム)が総合初優勝しており、これで南米勢が2019年のグランツール2つを制したことになった。

ツール2019最終ステージ

(©Bettiniphoto)

シャンゼリゼ周回コースにゴールした最終ステージは、オーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)が集団ゴールスプリントでオランダのディラン・フルーネウェーヘン(チームユンボ・ビスマ)とイタリアのニッコロ・ボニファツィオ(トタル・ディレクトエネルジー)を打ち負かし、今大会3勝目をマークした。ベルギーのTV局では「ニュー・マキュアンの誕生だ!」と、絶賛していた。

ポイント賞のマイヨ・ベールは、スロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が7回目の受賞を果たした。彼はドイツのエリック・ツァーベル(1996~2001年)を抜き、最多受賞回数記録を更新した。

山岳賞のマイヨ・アポワは地元フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)が初めて受賞し、シャンゼリゼの表彰台へ上がった。

スーパー敢闘賞は今年のツールで区間2勝し、マイヨ・ジョーヌを14日間着用した地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が受賞した。彼はTwitter上で行われた一般投票でも圧倒的な票を集めて1位になっていた。

アラフィリップは最終ステージでチームメートのスプリントをアシストする為に、残り1kmで集団の先頭を引き続け、20秒遅れでゴールしたが、総合5位は守ることができた。

ツール2019最終ステージ

アラフィリップは祖国フランスに34年ぶりのツール総合優勝をもたらすことはできなかったが、スーパー敢闘賞を獲得してシャンゼリゼの表彰台に上がる事ができた(©Bettiniphoto)

■シャンゼリゼ区間を制したユアンのコメント
「信じられない。ただシャンゼリゼを周るだけでも非現実的な気分になるのに! ボクにとってこのツールは全くゆっくり始まった。こうなるとは思わなかったが、レース後半は信じられないほど成功した。今日は本当に厄介なスプリントだった。ボクはかなり後ろにいた。ボクは待って、そしてただ飛び出した。右側から行き、最後は幸運にも十分なスピードがあった。8年前に初めてシャンゼリゼを訪れた時、ここでいつか勝つと言った。それが最初のツールでもうできたのは素晴らしいよ!」

■総合初優勝したベルナルのコメント
「信じられない。何と言えばいいかわからない。ボクはツールで勝ったけれど、それを簡単には信じられない。それに馴染むには、数日必要だ。これは家族のためのもので、ボクはただ彼らを抱きしめたい。どうやって説明すればいいかわからない幸福感だ。これは我々コロンビア人にとって初めてのツール(での勝利)だ。これまでに大勢のコロンビア人がトライした。我々には過去に偉大な自転車選手がいた。でも、ボクがツールで初めて勝った選手になった! コロンビアはそれに値する」

■今年のツールで最も敢闘した選手に選ばれたアラフィリップのコメント
「このレースは素晴らしい経験で、まさに唯一無二の物だった。マイヨ・ジョーヌを着るのは夢だったが、それを14日も持っことは、ただ信じられないことだった。チームはボクの為に走り、ボクを守ってくれる素晴らしい仕事をしてくれた。その間、ボクは日々、この夢を可能な限り長く延ばす為に闘っていた。

観衆のサポートは素晴らしかった。彼らがボクの名前を叫び、ボクとチームへの励ましと指示を示したことが、ボクにとってどれだけの意味があったのかを十分な言葉にして伝えることはできない。彼らに感謝したい。それは想像したことがなかった。総合5位になり、素晴らしいパフォーマンスとボーナスでこの忘れがたいツールを締めくくることになるとも、決して想像したことがなかった」

ツール2019最終ステージ

7度目のポイント賞を受賞したサガン(photo : ASO/Pauline BALLET)

ツール2019最終ステージ

山岳賞を初受賞した地元フランスのバルデ(photo : ASO/Pauline BALLET)

ツール2019最終ステージ

総合優勝したベルナルは新人賞も受賞した(photo : ASO/Pauline BALLET)

ツール2019最終ステージ

チーム成績を受賞したスペインのモビスターチーム(photo : ASO/Pauline BALLET)

ツール2019最終ステージ

シャンゼリゼ区間を制したユアン(photo : ASO/Pauline BALLET)

ツール2019最終ステージ

●第21ステージのマイヨ・ジョーヌ(凱旋門)

■第21ステージ結果[7月28日/ランブイエ 〜パリ・シャンゼリゼ/128 km]
1. CALEB EWAN (LOTTO SOUDAL / AUS) 03H 04′ 08”
2. DYLAN GROENEWEGEN (TEAM JUMBO – VISMA / NED)
3. NICCOLÒ BONIFAZIO (TOTAL DIRECT ENERGIE / ITA
4. MAXIMILIANO RICHEZE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ARG)
5. EDVALD BOASSON HAGEN (TEAM DIMENSION DATA / NOR)
6. ANDRÉ GREIPEL (TEAM ARKEA – SAMSIC / GER)
7. MATTEO TRENTIN (MITCHELTON – SCOTT / ITA) 
8. JASPER STUYVEN (TREK – SEGAFREDO / BEL) 
9. NIKIAS ARNDT (TEAM SUNWEB / GER)
10. PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
67. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) +20”

 

第106回ツール・ド・フランス 個人総合最終成績(マイヨ・ジョーヌ)

1. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) 82H 57’ 00’’
2. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01’ 11’’
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 01’ 31’’
4. EMANUEL BUCHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 01’ 56’’
5. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA)  + 04’ 05’’
6. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 04’ 23’’
7. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 05’ 15’’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 05’ 30’’
9. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 06’ 12’’
10. WARREN BARGUIL (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) + 07’ 32’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞(マイヨ・ブラン):EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL)
※第20ステージは DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) が着用
■チーム成績(黄色ゼッケン):MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞(赤ゼッケン): VINCENZO NIBALI (BAHRAIN – MERIDA / ITA) 

ツール・ド・フランス公式サイト

ツール・ド・フランス2019 スタートリスト

ツール2019最終ステージ

ツール2019公式ガイドバナー