チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニのツアー・オブ・ジャパン2025【堺ステージ】
2025年ツアー・オブ・ジャパンは例年どおり大阪府堺市の大仙公園周回コースで始まった。1周は2.7kmで、タイムトライアルで使うときはスタート・フィニッシュエリアの都合で2.6km。チーム ソリューションテック・ヴィーニファンティーニはツール・ド・熊野から選手を1人入れ替え、新城幸也ら6人の選手が出走した。新たに来日したのはヴァレリオ・コンティ、2015年にはランプレ・メリダでTOJに出場し、伊豆ステージで区間優勝を果たしている32歳のクライマーだ。
レース前、ステージではユキヤのシューズをスポンサードしているシマノの島田真琴さんとユキヤが、愛用するシューズSH-RC903についてのトークショーを繰り広げた。珍しい構図ではあるが、シマノのお膝元・堺市、そして日本が誇る新城幸也と来ては、「なぜこんなトークショーがこれまでなかったのか」と言いたくなるくらいだ。
「(シューズは)年間、少なくとも4足は欲しい」と話すユキヤは「ARSR」の文字がサイドにあしらわれたニューデザインのシューズを手に持ち、その優秀さを熱弁。シマノとしても選手のシグネチャーモデルを作っているのはマチュー・ファンデルプールとユキヤだけという話で、シマノの力の入れ具合がよくわかる。いや……一足欲しいです(笑)

シマノのトークショーに登場した新城幸也
TOJのステージの前座として、堺国際クリテリウムが開催された。大仙公園周回コースを10周するもので、大集団スプリントになると思いきや、3人の逃げが決まってしまった。エーススプリンター、ドゥシャン・ラヨヴィッチのスプリント狙い満々だったチームは肩透かしを食らい、集団フィニッシュを選ぶ。そしてジョルジェ・ジュリッチが5位に入るに止まった。
そのクリテリウム直後、オージーケーカブトのブースでは同社がサポートするチームのライダーが5人集まり、ミニ撮影会が行われた、メンバーは日本ナショナルチームの金子宗平やユキヤ、ヴィクトワール広島の孫崎大樹らであったが、ファンの方々はまず絶対にユキヤと握手し、記念撮影に収まる。ユキヤは、ご存じでしょうが日本のヒーローなのだ!
選手たちはいったんリラックスしたウエアに着替えるなどして昼食をとった。アジアのレースではこのチームのプレス担当となるユキヤの奥さん、美和さんは炊飯器まで持ち込んでいて、選手たちにサンドイッチとおにぎりなどを用意している。献身的にチームをサポートしている姿は、チームスタッフのレベルを超えてすごい。いやまじで。
そしてマッサージのサポートには、エンネスポーツマッサージの院長、穴田悠悟が来ている。もう付け加える言葉はないだろう、日本一強いスタッフを揃えて来日しているのだ。

ドゥシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)

新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
チームプレゼンテーションが始まった。チームは参加16チーム中14番目の登壇で、ユキヤが声をかけるとチームの選手たちはポディウムトラックに上がっていく。観客からは「ユキヤ〜!」「ガンバレ〜!」の声がかかり、ユキヤも「クリテリウムでは力をセーブしたが、タイムトライアルは全員が頑張る」と自信を見せた。
ピットではどこからともなくローラー台が用意された。各選手は、スタート時刻から逆算してウォーミングアップを始め、カフェインの入った補給食を摂る。当たり前の光景ではあるが、ステージレースの初日は、今日勝った人がリーダージャージを着るのだ。タイムトライアルのチーム内出走はダヴィデ・バルダッチーニを先頭にジュリッチ、コンティ、ユキヤ、ラヨヴィッチ、マーク・スチュワートの順でのスタートだ。チームテントには各選手と、ウオーミングアップの時間が書かれた紙が貼られ、各自はエアロワンピースに着替えてアップにいそしんだ。
バルダッチーニはまず3分10秒を出したが、すでにトレンガヌのマティアス・ブレンホイが3分5秒を出していて届かない。ジュリッチは3分6秒、コンティも6秒台を出し、ユキヤは12秒台とまとめるが、期待はもちろんツール・ド・熊野で区間2勝を挙げているラヨヴィッチだ。
セルビアのTTチャンピオンジャージを着用したラヨヴィッチがひときわ重いギヤを踏んでフィニッシュラインを駆け抜けると、実況中継がどよめいた。これまでのトップタイム、リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ×ボディラップ)の3分0秒51を大きく上回り2分台に入る2分58秒91! 時速52.3kmで2.6kmのコースを走ったラヨヴィッチが、TOJ堺ステージの勝者となり、グリーンのリーダージャージに袖を通した。
ああ、もうリーダージャージ着ちゃったじゃん、ユキヤ明日からお仕事タイヘンだね!

堺ステージで優勝したドゥシャン・ラヨヴィッチ

ラヨヴィッチはリーダージャージも獲得した
ツアー・オブ・ジャパン2025
第1ステージ・堺
個人タイムトライアル 2.6km
5月18日(日)13:35〜
堺ステージ結果
1. ドゥシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)0:02:58
2. リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ X ボディラップ)+0:00:02)
3. キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ)+0:00:03)
16. マーク・スチュワート(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:07.05
18. ジョルジェ・ジュリッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:07.20
24. ヴァレリオ・コンティ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:08.03
39. ダヴィデ・バルダッチーニ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:11.18
67. 新城 幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)+0:13.99
個人総合時間賞
ドゥシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)0:02:58
ポイント賞
ドゥシャン・ラヨヴィッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
新人賞
カイエ・ソレン(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
団体総合時間賞
シーキャッシュ X ボディラップ
ツアー・オブ・ジャパン公式サイト
https://toj.co.jp/2025/
ツアー・オブ・ジャパン公式YouTubeチャンネル「BPAJ ch」
https://www.youtube.com/@BPAJch