自転車界で起業「サイクルライフデザイナー」という仕事を見つけるまで

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自転車を通して豊かな生活を送るお手伝いをしたい――。その思いを実現するため、会社を起こした人物がいる。東京サイクルデザイン専門学校の「キャリアスクール」卒業生・石原慎一さんだ。キャリアスクールでの学びから、事業に至るまで、様々な角度からお話を聞いた。

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母校、東京サイクルデザイン専門学校のロビーでインタビュー

 

偶然の発見が、独立への一歩を踏み出させた

Q:石原さんは、前職で広告関係のお仕事をされていたそうですね。

石原:デザインの専門学校を卒業したので、ウィンドウディスプレイを手掛ける会社や、ビッグサイトなどで開かれる展示会のブースをつくる会社、それから量販店などで商品を飾るPOPをつくる会社など、セールスプロモーションの分野で仕事をしていました。24歳で業界に入り、2016年に会社を辞めるまで15年ほど広告畑にいたというわけです。

 

Q:自転車にはいつ頃から興味を持たれていたんですか?

石原:はじめてスポーツバイクに乗ったのは2010年。広告の仕事って時間も不規則で付き合いも多く、健康的なことやストレス解消のために自転車に乗り始めてハマってしまいました。最初は週末に乗る程度でしたが、自転車への思いがだんだん強くなって。ちょうどその頃、独立のことを漠然と考えていたんです。

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Q:それで東京サイクルデザイン専門学校へ?

石原:それが自転車で何かできないかと思っていた時に、妻と渋谷を散歩していたんです。そしたら、妻が「自転車の学校あるよ!」って。冗談みたいな話ですが、それまでこの学校のことは知りませんでした。それで会社も辞めて、2016年の10月コースに入学しました。

 

Q:思い切りましたね!

石原:自分で何かやりたいという気持ちはあって、自転車がその半歩を踏み出させてくれて、この学校との出会いがさらに1歩進めてくれたという感じです。

 

サイクリングツアーがもたらす、この仕事のやりがい

Q:学校を卒業後に、『Chan-Cycle』として独立されたんですよね。

石原:東京サイクルデザイン専門学校のキャリアコースで半年間しっかりと勉強したことで、自転車の整備や工具の使い方はもちろんですが、自転車業界について詳しくなりました。それに業界の方との繋がりも少しずつできたんです。その繋がりの中で、『東京サイクリングツアー&レンタサイクル』を運営している株式会社ジャパンライドの二宮さんという方に出会いました。卒業後、半年ほどして『Chan-Cycle』は立ち上げていましたが、最初は仕事らしい仕事もないので、ジャパンライドでガイドと整備、レンタサイクルを車でお客様のところへ配達するといった手伝いをしていたんですよ。

Q:現在は、どのような事業を展開されているのでしょう。

石原: 『Chan-Cycle』では、これだけをやるということは決めていません。私の肩書も「サイクルライフデザイナー」としました。基本的な考え方として、自転車を通して豊かな生活を送るためのお手伝いができればと思っています。

メインとなる事業は、サイクリングツアーです。『Chan-Cycle』のホームページにはいくつのツアーを載せていますが、アレンジもできます。価格も安く設定していますし、初心者向けなので、女性のお客様や、スポーツバイクに興味はあるけど乗ったことがないという方も多いですね。

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Q:ツアーのお仕事をしていて、楽しいと思うのはどんな時でしょう。

石原:走り始めは緊張していた方も、ツアーが終わる頃には笑顔になっているんですよ。「自転車欲しい!」と言われるとうれしいですよね。実は、そういうお客様と一緒に自転車屋さんにロードバイクを買いに行くという“お手伝い”をしたこともあるんですよ。他にも企業単位で参加されたり、親子で一緒に走られたり、みなさん楽しそうに走られていますよ。他にレンタサイクル事業も好調ですね。

chancycleツアー

Chan-Cycleでは、大小さまざまな規模のガイドツアーを実施している

キャリアコースの仲間とサイクルモードに出展

Q:東京サイクルデザイン専門学校で学んだことは、どのように生かされていますか?

石原:自転車をすべてバラして、組み立てるということをやりますので、メカニック技術に対する自信がつきます。ショップのプロには及ばないですが、自転車で起業しようという時に、工具の正しい扱い方にはじまり、駆動系からブレーキのメンテや、ホイール組みまでできるので、安全面において大きなアドバンテージになります。

それからショップをされているプロの先生方のお話は、単に技術的なことに留まらず、業界のことや、今のトレンドについて知ることができるので、起業する身としてはとても勉強になりました。

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久しぶりに学舎を外から懐かしそうに見る石原さん

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恩師である濱中先生と再会! 思い出話と、現在の報告が止まらない

Q:一緒にキャリアコースで学ぶ人たちとの繋がりはありますか?

石原:自転車が好きという共通の話題がありますから、話していても楽しいです。それに、卒業後には同期の仲間と一緒にサイクルモードに出展もしました。そうやってお互いに切磋琢磨できるのも、学校という場があったからこそです。

 

Q:最後に今後の展開についてお聞かせください。

石原:まだ3年目ですが、レンタサイクルのショップを作りたいと思っています。そこを起点にツアーを催行したり、コミュニティの場ができたらいいですよね。そうやって、これからも僕をきっかけに自転車ライフの入り口を提供していきたいですね。

 

Chan-Cycle
都内近郊のサイクルツアーをメインに、レンタサイクル事業や自転車イベントの企画・運営を行う。この他、自転車生活をより楽しくするための事業を広く展開。広告業界出身のデザイン力を生かした自転車関連のロゴ、チラシ、HPバナーなどのデザイン制作も行っている。

 

石原さんが在籍していた、東京サイクルデザイン専門学校キャリアスクールとは

日本初となる自転車の専門学校の「東京サイクルデザイン専門学校」が、働きながら自転車について学びたい、自転車趣味の世界をもっと追求したいと考える人たちに向けて開設したコースが「キャリアスクール自転車メカニック夜間コース」だ。短期間で自転車のメンテナンスに特化して学ぶことができるカリキュラムとなっており、参加者の年齢は幅広い。少人数での授業になるので、講師からきめ細かい技術的な指導を受けることができる。

体験入学、授業見学イベントを以下の日程で開催しているので、気になる人はまず下見に行ってみては?

 

夜間体験入学&授業見学会(19:00〜20:30)
1/23(木)・ 2/27(木)

夜間授業見学会(19:00〜20:00)
1/16(木)・ 1/28(火)・ 2/13(木)・ 2/18(火)・ 3/5(木)・ 3/10(火)

予約、問合わせはこちら https://tcds.jp/news_detail/data/766