「サイクルスポーツ6月号」の見どころを副編集長が紹介!
目次
発売中の「サイクルスポーツ6月号」は、55周年企画「編集長リレー」の第二回であり、リニューアルした連載も本格始動!そこでサイスポ誌の副・編集長のエリグチが、今号の見どころや注力ポイントを紹介します。

【本誌副編集長エリグチ】
地元・大阪でのサイクリング部時代は、家から走り出せば大和川を経由して生駒山系や葛城山系に、そして奈良に和歌山にと絶好のライドルートに囲まれていたため、ほとんど自走で遊んでばかり。いっぽう上京してからは輪行ばかりしている。
読者アンケートから見る、クルマと輪行
まいど!副・編集長のエリグチです! いよいよ一年の中でもとびきりのサイクリングシーズンが到来し、大型連休もやって来てと、皆様ライドの予定が詰まっているのではないでしょうか?
そうしてサイクリングを楽しむにあたって、玄関の扉を開けて走り出して丸一日遊び尽くせるという気軽さが、自転車遊びの魅力であることは間違いないのですが。今僕が住む都内はその交通事情や関東平野の広さから、限られた時間で目いっぱいサイクリングを楽しむためには「自転車を運ぶ」ことが重要な要素となってくるものです。
そんななかで、編集長リレーの第1走者である“けんたさん”から与えられたお題が「自転車クルマ(グルマ)を選びたい!」というものでした。
自転車界(輪界)にいると、何故だかクルマ好きってめちゃくちゃ多いんですよね。サイスポの関係者だけでも、前編集長のナカジさんも、その前の吉本司さんも、その前の前の江GO!さんも、だいたいクルマの話をし出すと止まらなかったものですし。それは展示会やイベントにおいても同じで、こだわりの一台にマイバイクをカッコ良く積載して、という方に多々出会います。
そこで、せっかくのアニバーサリー期間ですから、いつもの自転車雑誌っぽくないコトをやってみようということで、弊八重洲出版の姉妹紙である老舗自動車雑誌「ドライバー」編集部に協力を仰ぎ、クルマにフォーカスした誌面を展開しました。
ただ、めっちゃ正直に言うと僕はクルマ移動より“輪行”の方が好きなんですよね。流れゆく車窓を眺めながらワンカップを空けて、なんて旅とお酒好きにはたまらないじゃないですか。そこで、本特集では自転車×クルマに合わせて輪行も取り上げることで、「自転車を運び、その先でライドを楽しむ」という魅力そのものまでを掘り下げることを目指しました。
ちなみに、ユーザーの皆さんの意見はどうなのだろうと気になって、2025年3月29日〜4月3日の6日間に渡り、このサイクルスポーツウェブ上でオンラインアンケートを実施、589件(!)ものご回答をいただきました。皆様ご協力をありがとうございました!
そのアンケートにおいては、「自転車をサイクリングの目的地まで運ぶ際、主にどの手段を使いますか?」の質問に対しては、「クルマ(57.6%)」、「輪行(40.4%)」 と、運ぶ手段としてはクルマが優勢でした。
せっかくなので皆さんのコメントで個人的になるほどな〜と思ったコメントをピックアップしてみましょう。
クルマでは、
「危険な市街地の車道を走るリスクが減る、無駄な消耗を減らしヒルクライムに専念できる、現地での対応の選択肢が多い、お土産を持ち帰ることができる(SEI…さん)」
「林道の入口まで運ぶ、駐車料金の安いエリアに駐車して後は自転車など。シチュエーションが大きく変化するゲートウェイ的なフェーズで便利と思う。 (あらあらさん)」
「自転車とともに車中泊ができるようにカスタムした軽商用車で運んでいるため、自転車状態からバラすことなく移動ができること。また、朝早くからスタートするイベントの場合でも、会場近くの駐車場で寝泊まりできるためギリギリまで寝ることができる点です。(トムさん)」
また輪行では、
「クルマだと、出発したところに戻らなければならないですが、電車だと自由に行動できる。(ショータさん)」
「目的地まで素早く楽に移動できる。特に都心回避できるので、ライド中のリスクを減らせる。(くろさん)」
「疲れて寝てしまっても、あるいはお酒を飲んでしまってもOKなこと(タカミヤさん)」
その他には、
「自走しているが、そのままの状態でサイクルトレインやフェリーで運搬します(マサさん)」
「国内航空FDAさんの輪行ケース貸出サービスが便利(さたさん)」
「最近は車輪行&車中泊にハマっています。一日走ったあとに、風呂入って地元の特産品を肴に乾杯できる幸せを知ってしまいました。(ダブルてっちゃんさん)」
「鉄道員ですがロードバイクに乗るようになって気付いたのですが、交通機関に自転車を積み込む事が出来ると勘違いしている人やルールを守れていない人が多い事に気付きました。輪行袋からはみ出てるのはよく見かける例で、出来る限り収納するように声をかけています。しかしあまりにヒドイと鉄道輪行が出来なくなるのでは?と心配しています。(コロ助さん)」
「ユニバーサルデザインが行き届いている駅や街は輪行にも優しい。輪行は全部楽しいので行き先を選ぶ基準になった。(traさん)」
などなどなど。どのコメントも、皆様自身の自転車趣味に即した利用方法や考え方に、うなずいてしまうコメントばかり。そして声を上げられた皆さん誰もが、自転車を運ぶことにマイルールを持っていることが分かります。
だからこそ、これから試そうと気になっている人や、既に実践されている人が、自身の新しい「自転車の運び方」の扉を開くきっかけとなって欲しいな、そう思って本特集をまとめています。
ちなみに余談ですが、今回クルマパートでは国産車5ブランドから広報車をお借りして、車載やドライビングを試しました。その中でも某広島方面のクルマの広報担当の方がとてもアツいサイクリストでして、試乗車を借りに行った際に「サイクリスト目線での、このクルマのお薦めポイント」をレジュメ一枚にまとめたうえで詳しくご説明いただき、取材現場に臨むこととなりました。
私達のスポーツバイク趣味は、様々なジャンルの人々が「自転車」という共通項から互いに関わり合って盛り上げることができるからこそ、もっと面白い視点や企画ができるのだよなと、実感した次第です。
改めまして、新しい連載のコト
新連載「the Saddle Talk(サドルトーク)『多様化するロードコンポの本当の価値を考える』」、読みましたか? まだの人はぜひ読んで下さい。
名物ライター安井行生さんが、担当編集の吉本司さんと繰り広げる、自転車にまつわる自由奔放深掘り試乗トークが今回本格始動となるのですが、そのテーマは開幕早々ド・ストレートに「ロードバイクコンポーネント」です。
近年続々と新製品が登場してその姿を変化させつつある、シマノとスラムの2つのブランドのロードコンポですが、記事で特に注目したいのが、それぞれのブランド担当者を直接取材し、その生の意見を掲載させてもらっていること。
しかもそれを踏まえて、この安井・吉本両氏が、試乗して断言してしまっていること。でもどうやらその先には、まだ語らねばならない「グラベル」のカテゴリーが控えており……。僕たち私たちの好きなロードバイクのお話を、こうも自由に展開できるのは、彼ら「サドルトーク」二人の話力筆力の成せるワザです。(特集に絡めてか、クルマも登場します。どうして……?いや、さすが!)
この新連載が、かつての名物連載「自転車道」の続編たる「自転車道2」とはならず、「サドルトーク」となった。それは真っ直ぐな道を時には外れて、あちこち寄り道しつつも好きに走り掛け合い語り合う、そんな自転車趣味の奔放な面白さを改めて展開したかったからなのでしょう。
でもそれって読み手である私たちも、「サドルトーク」できるということなんです。“道”に入門までせずとも、たまには仲間と一緒に機材のことやアレコレを語りながら、サドルトークしてみませんか?
そして「月3万円で行く!週末ツーリングで日本一周計画」(田村浩氏連載)、読みましたか? まだの人は読んでください。第二回目の神奈川編で、早速予算3万円ギリギリです。
月刊「サイクルスポーツ」の作り方
ついつい今回も長くなってしまったのですが、最後にひとつだけ。
前回の見どころ紹介にて、新サイスポの「3つの柱」を設定した、と書きました。
編集長リレーのような広げる柱、連載による骨太となる柱、そして3本目が「読者参加の柱」です。
それは、本記事の頭に取り上げた「読者アンケート」でのご協力はもちろん、名古屋サイスポデイズやライド大会といったイベントでのスナップ取材、そして近々展開する「誌面連動型読者参加イベント」といった、リアルもオンラインも両面を考えています。
そのうえで、月刊「サイスポ」誌の感想を、もっと聞かせていただけないでしょうか?
もちろん誌面のアンケート(ハガキもオンラインも募集中!)もですが、何ならツイッター(現X)やフェイスブックといった各SNSでも、infoメールアドレス宛でもかまいません(info@cyclesports.jp)。
今号を読んだうえで、「つまらなかった」、「もっとこうしてほしい」、「もっと○○を掘り下げてほしい」、「これがおもろいねん」等々……どんな感想も大歓迎です。その声が誌面製作の大切な要素となりますので、皆様ぜひ感想を聞かせていただけるとうれしいです。
さあ次に控えているのは僕が大好きな自転車旅特集です!次号もお楽しみに!
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雑誌コード:04137-6
ISBN:4910041371044