ヴェローシ・ジミー 台湾発のハンドメイドスチールバイク

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ウエア協力:ウエイブワン、ダイアテック

ヴェローシ・ジミー

ヴェローシ・ジミー

不思議と重さを感じさせない

あらゆるブランドをOEM生産する台湾。そんな自転車製造大国のフリークたちが立ち上げたブランドがヴェローシ。各種のハンドメイドフレームをラインナップするが、なかでも日本のサイクリストに受け入れられそうなスチールモデルが「ジミー」だ。

使用しているクロモリパイプは、イタリアの名門コロンブスのCROMOR。厳しい使用条件にも対応する、万能タイプのダブルバテッドだ。エンドなどの各種フレーム部材はオリジナルが多く、既視感がない斬新なフレーム作りが特徴だ。実際にジミーを目の前にすると、明らかに日本のビルダーとはアプローチが異なる。よく言えば斬新、悪く言えば無骨。たとえばチェーンステーの造形などはグラベルバイクの設計と製造における隘路だが、右側に板状の部材を使うなど大胆な手法でクリアランスを確保している。

乗ってみると、スチールらしいしなやかな印象は薄く、ラフにこいでもよれない硬さがある。それが熱処理されたパイプの効果なのかはわからないが、かつて一世を風靡した焼き入りクロモリパイプであるプレステージで組まれたMTBに通じるバネ感を味わえる。セットされた650×47Bタイヤのおかげで走破性は十分に高く、ドロッパーポスト用のケーブル内蔵にも対応する。他とは違う個性的なグラベルバイクが欲しいなら、検討に値するモデルだ。

 

ヴェローシ・ジミー

エニシングケージなど大型のカーゴケージに対応する3対のアイレットを備えたカーボンフォーク。ダイナモの配線を内蔵することもできる。

ヴェローシ・ジミー

フレームの作りは質実剛健で、ワイヤー・ホース類はダウンチューブ下面にストラップ留め。シートチューブはステルスタイプのドロッパーポストの内蔵に対応する。

 
ヴェローシ・ジミー

どこか懐かしいクロスドシートステーを採用。タイヤクリアランスを確保しつつ、トップチューブに寄り添うシートステーの曲げ加工が特徴的だ。

ヴェローシ・ジミー

右側チェーンステーの根元は板状の部材が用いられており、この薄さによって幅2インチ以上のタイヤにも対応する。アイレットやブリッジも完備しているので、ツーリング車としての積載力と発展性は満点だろう。

インプレッション

オフロード:思いのままに操れる快感

ヴェローシ・ジミー

試乗車のハンドル位置などが自分の好みに合っており、オン・オフ問わずに意のままに走らせることができた。全体にシャキッとしており、カーボンフォークと相まってスチールフレームらしさが希薄でアルミっぽい軽快さがある。逆に言えば少し落ち着きがないが、それも操る楽しさを増やしてくれる。

オンロード:異形だが実に素直な走り

ヴェローシ・ジミー

650×47Bとかなり太いタイヤがセットされていたので、乗り心地は極上。フレームに起因するような変わったクセは感じられず、どこまでも素直。上りでも重さがさほど気にならず、オールマイティな性格だ。フレームセット販売なので、手持ちのパーツを活用したり、個性的なアッセンブルを楽しみたい。

SPEC

フレームセット価格:13万8000円(税抜)
フレーム:コロンブスCROMOR
フレームサイズ:XS、S、M、L(540)、XL
フォーク:カーボン
カラー:グラベルカーキ、マティーニパーティ(グロスモスグリーン)
試乗車実測重量:10.4kg(ペダルなし)