舗装路から外れ、未知のフィールドへとこぎ出す。ロードバイクの軽快さとMTBの冒険性を併せ持つグラベルバイクは、近年ますます注目を集めている。最新モデルや周辺ギアは、快適性や耐久性だけでなく、ライドスタイルそのものを広げる革新性にも満ちている。ここでは、グラベルライドをさらに楽しくする新機材、ジャイアントのグラベルバイク「リボルト アドバンスド2」の魅力をお届けしよう。

REVOLT ADVANCED2
リボルト アドバンスド2
価格╱39万6000円

spec. 
フレーム╱カーボン
フォーク╱カーボン
コンポーネント╱シマノ・GRX610機械式2×12スピード
ホイール╱ジャイアント・P-X2
タイヤ╱ジャイアント・クロスカットグリップ 700×45C
サイズ╱XS、S、M
カラー╱カーボンスモーク

カーボンの完成車でアンダー40万円を達成〜リボルト アドバンスド2

グラベルレースでの勝利をコンセプトに、昨年フルモデルチェンジしたジャイアントのリボルト。ケーブル類の内装化やダウンチューブの内蔵ストレージ、リーチを長くとった新ジオメトリへの変更などトレンドに沿った進化を遂げている。一方で、シンプルな設計を堅持して前作比160gの軽量化。D型断面のD-Fuseシートポストなどの自社パーツが衝撃吸収を担う。リヤエンドにはリヤセンター長を10mm可変できる独自機構「フリップチップ」を搭載し、用途や好みに応じて調整可能だ。

プロユースのアドバンスドプロと、普及グレードのアドバンスドに大別でき、後者はコンポなどの違いにより0と2が用意される。ここに紹介するのは2026年モデルのアドバンスド2だ。コンポはシマノ・GRXで、フロントは46×30T、リヤは11-36T（12S）というワイドなギヤ比に設定。タイヤは上位モデルが40Cであるのに対して、アドバンスド2は45Cを履く。隙のないスペックながら40万円を下回るのは驚きしかない。

ハンドル周辺のケーブル類はフル内装されており、ハンドルバーバッグなどの装着が容易だ。写真は新製品のジャイアント・シャドーSLブリトーバーバッグ（1.2L、3850円）

標準装着タイヤはジャイアントのクロスカットグリップTRで、サイズは2026年モデルで40Cから45Cにワイド化。フォークは53mm幅まで許容する。ブレード側面にはラック用ネジ穴あり

大口径ダウンチューブには内蔵ストレージが設けられている。工具不要で簡単に開閉でき、標準付属のバッグに携帯工具やチューブなど収納できる（ボトルケージは別売）

リヤエンドにはリヤセンター長を10mm可変できるフリップチップが組み込まれる。これによりハンドリングと最大タイヤ幅（45mm ⇔53mm）を調整することができる

IMPRESSION〜ジャイアントがエントリーユーザーに贈る秀作

リボルトの立ち位置としてはグラベルレーサーだが、日本ではレース自体がごく少数という状況。ゆえに普及グレードのアドバンスド2は“グラベルライドってどんなものなのか？”と考えている多くのユーザーにとって、ターゲットになりやすい一台だろう。

タイヤやホイールの重さもあり舗装路の走りは軽快とは言いがたいが、いざダートに入るとトラクションのかかりが良く、素性がレーサーであることを実感する。スプロケットが12Sなので細かくギヤを選ぶことができ、なおかつワイドなので急な上りもグイグイと進むことができる。これなら積載量が増えても現状のギヤで十分だろう。裾野を広げたいというジャイアントの願いや良心が感じられる秀作だ。

BRAND〜屈指の生産技術を持つ世界最大手メーカーだ

1972年に台湾で創業した世界最大手の自転車メーカーで、現在は中国やオランダ、ハンガリーにも自社工場を持つ。カーボンのプリプレグ生成を自社で行えるのは業界唯一であり、生産技術の高さは間違いなくトップクラス。プロチームへの機材供給にも積極的だ。