「旅へ誘う」グラベルバイク。キャノンデール新トップストーンを2人のライダーがチェック!

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  • photo 長谷川拓司

model 山下晃和
Presented by Intertec

キャノンデールのグラベルバイクの顔「トップストーン」が三世代目に刷新された。アドベンチャーバイクとして細部まで突き詰められたこの一台を、どう使って遊ぶのか? グラベルと旅を愛する2人のライダーが、走って語り合う!

新トップストーン

写真右のバイク:TOPSTONE CARBON 1 Lefty AXS
キャノンデール・トップストーンカーボン 1 レフティアクセス
完成車価格/113万5000円

SPEC
フレーム●カーボン
フォーク●レフティオリバー40mm トラベル
メインコンポ●スラム・ライバルAXS
タイヤ●WTB・ラドレーTCSライト 700×44C
サドル●フィジーク・テラ アルゴ X5
シートポスト●キャノンデール・セーブ カーボン
サイズ●47、51、54
カラー●ブラック

写真右の人:山本和弘さん
MTB、CX、ロードバイクと幅広く活躍した元トップ選手の“カズさん”。選手時代からキャノンデールにほれ込み、現在まで同ブランドのマーケティングを担当。

写真左の人:山下晃和さん
自転車やモーターサイクルで世界を旅し執筆するファッションモデルで、初代トップストーンも旅の相棒。旅フェス「バイク&キャンプ」の主催を務める。

山下さんが持つバイク:TOPSTONE CARBON 3 GRX
キャノンデール・トップストーンカーボン3 GRX
シマノ・GRX機械式12速モデル価格/57万円

もっと! 旅へのワクワクを感じる一台に

2015年、ロードバイクに太いタイヤを入れて砂利道を走るという「グラベル遊び」がアメリカで始まりかけていたまさにそのとき、キャノンデールが何だかよく分からない自転車を発売した。堅牢なアルミフレームに片持ちフォーク「レフティ」をぶっ刺し、650Bホイールに42Cのスリックタイヤ。MTBとロードのキメラ、スレートである。まだ“グラベルバイク”という名称が一般的ではなく、当時はマルチパーパスバイクなどと呼ばれていた。キャノンデールがまたおかしなことを始めたぞという期待のまま、その「新しい遊び」は支持を集め、グラベルバイクは今やスポーツバイク界の一ジャンルとして確立されている。

今最もホットなグラベル市場には各メーカーが参入しているが、第一人者はやはりキャノンデールだ。2018年に初代トップストーン、その翌年にトップストーンカーボン、さらに翌年にはトップストーンカーボンレフティと、次々と個性的なバイクを送り出し、グラベル界で喝采を浴びている。グラベルロードの萌芽からちょうど10年、キャノンデールはトップストーンカーボンを3代目へと世代交代させた。そこで、キャノンデール愛が高じて仕事にしてしまったカズさんと、自転車旅人・山下さんが、新型トップストーンカーボンで自由に遊びに出発だ!

ハンドルまわり ダウンチューブのストレージ トップチューブ後端まわり

フレーム形状は大きく変化していないように見えるが、トップチューブ後端とシートチューブが薄くなり、キングピンサスペンションがより効果的に動くように。これによってフレーム後半の柔軟性が向上し、悪路での安定性が高まった。タイヤクリアランスはフロント56mm、リヤ52mmへ。さらにケーブルが内蔵され、ダウンチューブにストレージを設けるなど、キャノンデールらしい個性はそのままにグラベルの最新トレンドを取り入れている。前作同様に片持ちフロントサスペンションであるレフティを搭載したモデルも用意され、ストロークは前作の30mmより10mm伸びて40mmに。

Kazu × YAMASHITA 新しいトップストーンと二人のスタイルでグラベルを旅するには?

グラベルのキャノンデール

CS:この前、某メーカーの人が「日本のグラベル市場でトップストーンのシェアに食い込んでいくのは厳しいものがある」とボヤいてました。確かにグラベルシーンで、キャノンデールの存在感は非常に大きいですね。「グラベル=キャノンデール」というイメージがあるほど。
カズ:去年のニセコグラベルで統計をとったんですが、参加者の24%ほどがキャノンデールユーザーでした。
CS:4台に1台! すごい。
カズ:2015年に出たスレートでグラベルシーンをリードできたことが大きいと思います。当時の日本は「グラベルって何?」状態でしたが、スレートでいろんな楽しみ方を提案して、トップストーンになってからも熱量を変えずイベントをサポートしたり試乗会やツアーを開催したりと積極的にやりました。今思えばその種まきが良かったんだと思います。
CS:では、新型トップストーンカーボンのコンセプトについて教えてください。見た目は1代目・2代目と大きく変わっていないようですが……。
カズ:新型はよりオフロード志向・アドベンチャー志向が強まりました。それに伴い、2代目に設定されていたLAB71が新型には用意されません。LAB71は究極の軽さやスピードを求めたグレードですが、新型はそういう走りを想定してないんです。軽さやスピードを求める人にはスーパーXがありますから。3代目はより自由に遊べるバイクになりました。

キャンツーでも生きる

CS:さて、今回はミスターキャノンデールであるカズさんと、バイク&キャンプを愛するモデルの山下さんにお越しいただき、「富士グラベル」の周辺コースを走ってもらいました。バイクはもちろん新型トップストーンカーボンですが、お二人のスタイルが全然違いますね。山下さんはマウントを活用したバイクパッキング仕様。荷物を積んでツーリング的に走るならリヤサス付きのトップストーンカーボンではなくリジッドフレームの方がいいんじゃないかとも思ってしまいますが。
山下:グラベルを含んだツーリングで何が一番重要かというと、「安全に走れること」なんです。キャンプ場って必ず未舗装路の先にありますから。
CS:確かに。新型に荷物を積載した印象は?
山下:キャンプ道具はどんなに厳選しても4〜5kgになってしまうので、積載を前提とした設計になっているか否かでは走りに雲泥の差が出ます。トップストーンカーボンが他のバイクとどこが違うかというと、積載してグラベルを走ったときの安定感。キングピンがあるので左右にブレにくく、どんな路面でも安心して走れます。新型トップストーンカーボンは積載した状態での安定感がより高まっているように感じます。キャンプツーリングは誰かに勝つためではなく、安全に目的の地まで行くことが重要。トップストーンカーボンのように荷物を積んでもグラベルを走っても、怖くないバイクは最適なんです。

トップストーンで走る二人

トップストーンで走る二人

最小限の携行物で身軽に走るカズさんスタイルと、バイクパッキングでチェアやバーナーを積む山下さんスタイル。新型トップストーンはそのどちらにも対応する

愛車と富士山を眺めながら自転車談義

林道の脇にあった広場で山下さんがコーヒーを淹れてくれた。愛車と富士山を眺めながら自転車談義。トップストーンはレースやトレーニングとは違う世界も見せてくれる

こんなバイクは他にない

CS:一方、カズさんは軽快に走る快走仕様。
カズ:はい。実際に僕が新型トップストーンを楽しむとしたら?という想定です。
CS:カズさんは歴代のトップストーンに乗られてきたと思いますが、新型の走りは?
カズ:オフロードの走りはもう言うことなし。新型になってフレームの柔軟性が上がり、キングピンのメリットを感じやすくなりました。荒れた路面でトラクションが掛かりやすくなってます。レフティ仕様はストロークが伸びて、日本各地にあるトレイルチックな里山に最高なんですよ。こんな面白いバイクは他にない。ちょっと難しいセクションも、これならチャレンジしたくなります。というようにオフロード寄りにはなってるんですが、舗装路でもバネ感が背中を押してくれるような感じがあります。試乗した人は「eバイクみたいな感覚だ」と言われますね。MTBと違って行動範囲が広くなるので、見られる景色も増え、豊かなライドができます。新型トップストーンカーボンのキャッチコピーは「Always Game」ですが、まさにそういう乗り方をしてほしいです。
CS:「いつでも遊ぼうぜ!」か。いいですね。レースとかパワーとか獲得標高とかタイムとかもいいけど、グラベルは数字に縛られない自由な乗り物ですからね。
カズ:まさにそう。だからキャノンデールはバイクを売るだけじゃなくて、国内のイベントをサポートして、そういうマインドを広めていきたい。例えばニセコグラベルや富士グラベルでキャノンデールが用意するグラベルソファ。仲間と一緒に走って行った先の景色のいい場所にポツンとソファがあって、みんなで「あったー!」って写真を撮る。これまで何度もグラベルソファを用意しましたが、写真を撮るとみんないい笑顔なんですよ。タイムとか順位とかパワーとか関係ない。その笑顔がグラベル遊びの本質です。そんな遊びをしたくてグラベルバイクを買ってイベントに出る、という人が増えてくれるとうれしいです。

YAMASHITA’s STYLE キャンプ道具を積んで自分だけのひとときを

山下さん 山下さんの荷物

お気に入りのアウトドアチェアとシングルバーナー、クッカーを積んで走りました。新型トップストーンはフォークにマウントがあるので、フロントに積めるのがいいですね。自転車って乗車すると後ろ荷重になるので、リヤに積むと悪路でのバランスが悪くなることがあります。グラベルバイクで山に入って、誰もいない原っぱを見つけて、そこで愛車を眺めながらコーヒーを淹れる。サイクリストとしてこんな至福の時はないでしょう。

山下さんがトップストーンに装着したフロントバッグは、「オールドマンマウンテン」の「ヘムロック ウィズ フリップケージ(左右セット)」価格2万4750円だ

バッグ1つあたり7Lの容量を持ち、回転の動作でロック/アンロックが可能なマウントシステムである「FLiPケージとHemlockバッグ」を採用。トップストーンのフォークにはダボ穴も設けられているので、旅のバイクへとラクにカスタムできる

フロントバッグには「ルートワークス・ハンドルバーバッグ」(3万4980円)を装着。フタ部分にサイクルコンピュータのマウントを搭載できるなど、ライドスタイルに応じた自在な拡張性を持つ

旅するファッションモデルであり「BIKE&CAMP」を主宰する、山下晃和さん

旅するファッションモデルであり「BIKE&CAMP」を主宰する、山下晃和さん

Kazu’s STYLE スタッシュポートを活用して身軽にライドを楽しむ

山本さん 山本さんの荷物

新型トップストーンにはスタッシュポート(フレームストレージ)が設けられたので、今まで背中のポケットやツールボトルに入れていたチューブ・ポンプ・携帯工具などをダウンチューブに入れて身軽に走れます。専用のバッグもあるので出し入れも簡単です。僕は今回、コンパクトなフロントバッグのみを付け、補給食やスマホを入れてTシャツで走りました。第3世代のトップストーンカーボンじゃないとできない走り方です。

山本さん

現在インターテックでキャノンデールブランドをまとめる、カズさんこと山本和弘さん

CHECK!「第一回富士グラベル」でトップストーン大試乗会を開催!

首都圏や東海エリアからアクセスが良好な富士山周辺エリアで開催される、新たなグラベルイベント「第1回富士グラベル」が5月18日(日)に迫る!そして キャノンデールも、こちらの新型トップストーンの試乗車を用意した大試乗会を開催予定! 気になった人はぜひ参加してみよう!