北海道の大地を味わい尽くせ! 十勝“アンパント”グラベル本格始動
目次
もはや「ニセコグラベル」だけじゃない!? 2025年9月末に北海道の一大農園地帯の帯広・十勝エリアで開催された「十勝グラベル」は、雄大な景観の中グラベルとグルメを堪能できる新たなグラベルイベントだ。その魅力を探るべく、本誌エリグチが実走取材してきた!
実走レポーター
本誌・エリグチ
グラベルに首ったけの本誌副編集長。初めての十勝サイクリングを楽しんだ後、帯広の酒場と銭湯を体感しこのエリアに惚れる。
「Gravel magazine」2026年版も刊行予定!
SNS:@ergtick
Event
「TOKACHI ANPANTO GRAVEL supported by Panaracer」
開催日●2025年9月28日(日)
開催会場●道の駅おとふけ なつぞらのふる里 (北海道河東郡音更町なつぞら2)
主催●十勝サイクルウィーク実行委員会
How to Access?
「とかち帯広空港」利用で、首都圏からも好アクセス!
首都圏からは羽田空港からの直行便が3~7便(/日)就航しており、約1時間40分の飛行機輪行を駆使すれば意外なほどあっという間にアクセスできる。空港~会場までは約35kmと自走も可能。また、新千歳空港から会場までは車で約2時間の距離だ。
思い描くグラベルをそのままどうぞ
じゃがいもに大豆に麦に、牛馬羊……見渡す限り農園の平原だ。その中を真っすぐ延びるあぜ道に、巨大なトラクターが進んで行く。あれ、ここは本当に日本? 思わずそうつぶやく景色の中を、僕たちは自転車で駆け抜けている。レーシーなグラベルタイヤにピッタリの引き締まった砂利道がはるか先の丘まで続き、それはまるで北米のグラベルレース「アンバウンド」を思わせ、そこから名を取ったという「アンパント」というイベント愛称にも思わずうなずいてしまう。でもこの景色って、僕らが北海道をイメージする時に思い浮かべる、雄大さそのものなのだ。
「十勝グラベル」は、今秋から本格始動する新たなグラベルイベント。本イベントは、帯広在住のデザイナーでありサイクリングガイドの小川宣幸さんが中心となって立ち上がった。昨年に小規模プレツアーが開催され、ひょんなことからインフルエンサーのけんたさんが参加してみると、もう大絶賛! 筆者も彼から「グラベルに乗るなら十勝は走ったほうが良いですよ!」と熱く推してもらったことで、今回の取材に臨んだというわけだ。
乾いた空気の中、北の大地の淡い光と砂埃が幾多のグラベルライダーを包んでいく。未舗装のアップダウンをジェットコースターのように走り抜ければ、これが本来の機材の性能なのかとちょっと感心してしまう。今回はパナレーサーがメインスポンサーに名乗りを挙げたことで、約100人のサイクリストが全国から参加した。そしてこのエリアは、飛行機輪行を経由すればアクセスが十分に良く、会場最寄りの帯広の街には宿泊先や飲食店も大充実。どうやら次回の春大会は、この壮大なフィールドをより生かしたプランも計画中のよう。日本のグラベルライダー諸氏、十勝は一度走っておいたほうが良いですよ!

大会前日となる27日には、帯広駅を起点とした「ウェルカムライド」が開催。帯広の名物パン屋やジェラート屋を巡る約25kmのミニグラベルライドとなり、参加者同士のアイスブレイクとなった。もちろんその後はホテルに自転車を置いて、帯広の屋台街へ宴会にGO!
Interview「グラベルで地域の価値を高めていく」
「この一年、パナレーサーは各地でイベントの開催に協力してきました。その目的の第一は、ユーザーに参加してもらい楽しんでもらうということ。そして第二に掲げるのが、声を掛けてくれた地域に対し、その地域創成に協力していくというミッションです。開催地の魅力を参加者一人ひとりに最大限に感じてもらい、もっと詳しく知って帰ってもらう。そこから自転車のフィールドはもっと広がっていくものだと思います。この十勝は日本でも特にユニークなグラベルライドができる地域。そして運営に携わる十勝の皆さんの熱量があるからこそ、このイベントが広がっていくことは間違いないでしょう」
























