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エトナ山ゴールのジロ・デ・イタリア第6ステージはミッチェルトン・スコットが圧勝! チャベスが区間優勝、S・イエーツが総合首位

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エトナ山頂ゴールで区間優勝とマリア・ローザを分け合ったチャベス(左)とイエーツ
エトナ山頂ゴールで区間優勝とマリア・ローザを分け合ったチャベス(左)とイエーツ

第101回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月10日に南部シチリア島のカルタニセッタから、標高1736メートルのエトナ山頂(カテゴリー1)までの164kmで今年最初の山岳区間となる第6ステージを競い、ミッチェルトン・スコットのエステバン・チャベス(コロンビア)とサイモン・イエーツ(英国)の2人が、後続に26秒差を付けてワンツー・フィニッシュを決めた。

ゴールでは115kmを逃げ切ったチャベスが区間優勝を獲得し、前日までの総合成績で17秒遅れの3位に付けていたイエーツが総合首位に立ち、初出場のジロで初めてマリア・ローザに袖を通した。

この日、マリア・ローザを着ていたオーストラリアのローハン・デニス(BMCレーシングチーム)はゴールまで残り3.3kmでメイン集団から脱落。結局、イエーツより1分以上遅れてゴールし、総合6位へ後退した。

 
 
マリア・ローザを初めて着た英国のサイモン・イエーツ 
マリア・ローザを初めて着た英国のサイモン・イエーツ 

115kmを逃げ切ったコロンビアのチャベス

シチリア島最終日の第6ステージは、172選手が出走。ドイツのリュディゲル・ゼーリッヒ(ボーラ・ハンスグローエ)がスタートしなかった。今年最初の山岳区間は、ゴールまでまだ115kmもある49km地点で、28人が集団から逃げ出して闘いが始まった。

そこにチームメートのジャック・ヘイグ(ミッチェルトン・スコット)と一緒に加わっていたのがチャベスだった。この逃げには、コロンビアチャンピオンのセルヒオ・エナオ(チームスカイ)や、イタリアのディエゴ・ウリッシ(UAEチーム・エミレーツ)も入っていた。

終盤、メイン集団の後方で落車が発生し、イタリアのダヴィデ・フォルモロ(ボーラ・ハンスグローエ)が巻き込まれて遅れてしまったが、15km続くエトナ山の登坂が始まる前には、集団に合流することができた。エトナ山の上りが始まった時、逃げ集団とメイン集団のタイム差は1分あまりだった。

逃げ集団から最初にアタックしたのはオランダのロベルト・ヘーシンク(チーム・ロットNL・ユンボ)だったが、そのまま逃げ出すことはできなかった。残り10kmでイタリアのジュリオ・チッコーネ(バルディアーニ・CSF)がアタックしたが、2km先で捕まった。

チッコーネは残り6.4kmでもう一度アタックし、独走を開始。後続に10秒のタイム差を付けたが、1km先でチャベスに追い抜かれてしまった。時を同じくしてメイン集団ではコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が攻撃を開始。ゴールまで残り3.5kmで、メイン集団はチャベス以外の逃げを全員吸収した。しかし、マリア・ローザのデニスは遅れ始めていた。

メイン集団はその後もニュージーランドのジョージ・ベネット(チーム・ロットNL・ユンボ)や、イタリアのドメニコ・ポッツォヴィーボ(バーレーン・メリダ)が攻撃を仕掛けたが、誰も抜け出すことがなく、10人でゴールを目指していた。そこからゴールまで残り1.5kmでイエーツがアタックしたが、誰も彼を追わなかった。

イエーツはゴールまで残り500メートルでチームメートのチャベスに追いついたが、マリア・ローザを取れると確信していたため、区間優勝はチャベスに譲った。カテゴリー1のエトナ山頂で1位になったチャベスは、山岳賞のマリア・アッズーラも獲得した。区間2位でゴールしたイエーツは6秒のボーナスタイムも獲得し、総合成績で2位のトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)とのタイム差は16秒になった。

追走グループは26秒遅れてゴールし、スプリントでフランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が区間3位に入り、4秒のボーナスタイムを獲得した。


■2016年につづいて2度目の区間優勝をしたチャベスのコメント
「信じられない。1年間欠場した後で、ボクがジロに復帰するにはこれが必要だった。ここは最後が本当に難しいステージだった。まずは逃げでものすごく引いてくれたジャック・ヘイグに感謝する。このイエーツと一緒のワンツーは夢みたいだ」

■ジロでマリア・ローザを着用した4人目の英国人になったS・イエーツのコメント
「我々の戦略は、監督が今朝するように言ったものではない。スタートからアタックがたくさんあったクレイジーな一日だった。チャベスはかなり大きなグループで先頭にいたから、ボクは後方で座っていられた。エネルギーを節約できたんだ。それは完璧に機能した。

調子がいいと感じたから、追いつくことを試みた。チャベスは一日中逃げ続けていたから、勝利に値した。ボクはマリア・ローザが取れるとわかっていたから、すごく嬉しかった」
 
今年最初の山岳ステージはミッチェルトン・スコットの圧勝だった 
今年最初の山岳ステージはミッチェルトン・スコットの圧勝だった 
 
■第6ステージ結果[5月10日/カルタニセッタ~エトナ/164km]

1. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 4h 16’ 11”
2. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR)
3. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 26”
4. BENNETT George (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NZL) 0’ 26”
5. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 26”
6. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 0’ 26”
7. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 0’ 26”
8. DUMOULIN Tom (TEAM SUNWEB / NED) 0’ 26”
9. ARU Fabio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 0’ 26”
10. FROOME Chris (TEAM SKY / GBR) 0’ 26”
21. DENNIS Rohan (BMC RACING TEAM / AUS) 01’ 04”

■第6ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 22h 46’ 03”
2. DUMOULIN Tom (TEAM SUNWEB / NED) 0’ 16”
3. CHAVES Esteban (MITCHELTON - SCOTT / COL) 0’ 26”
4. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 43”
5. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 45”
6. DENNIS Rohan (BMC RACING TEAM / AUS) 0’ 53”
7. BILBAO Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 01’ 03”
8. FROOME Chris (TEAM SKY / GBR) 01’ 10”
9. BENNETT George (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NZL) 01’ 11”
10. ARU Fabio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 01’ 12”
12. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 01’ 23”
22. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 02’ 12”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):Elia Viviani (Quick-Step Floors)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):Esteban Chaves (Mitchelton - Scott) 
■新人賞(マリア・ビアンカ):Richard Carapaz (Movistar Team)
 
                                                                   
                                                                   
MAP : RCS Sport
MAP : RCS Sport
イスラエルで3ステージ、休養日を挟んでシチリア島で3ステージを競ったジロは、やっとイタリア本土に上陸。5月11日は、ピッツォからプライア・ア・マーレまでの159kmで、山岳ポイントのない平坦な第7ステージが行われる。

レース公式サイト

 

第6ステージのハイライト映像