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ソウルから東京へ、自転車で「新朝鮮通信使」日韓国交正常化50年を記念

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日本と韓国の国交が正常化してから今年で50年となるのを記念し、ソウルから東京へ自転車で駆け抜ける「新朝鮮通信使」が11日、ソウル市内を出発した。両国の親善を深めるのが目的。江戸時代に派遣された「朝鮮通信使」の道をたどりながら各地を訪れ、総走行距離は約1200kmに上る。

 
景福宮で記念撮影する「新朝鮮通信使」の日本側参加者=11日
景福宮で記念撮影する「新朝鮮通信使」の日本側参加者=11日
ソウル市内は車道を走行
ソウル市内は車道を走行

韓国国内ではサイクリングロードも

韓国外交部と朝鮮日報が主催し、実行委員会とJCA(日本サイクリング協会)が主管。日韓を自転車になぞらえ「両輪で走る新朝鮮通信使」と銘打ち、両国の親善を深めるのが目的だ。11日午前の出発式では、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が朴槿恵(パク・クネ)首相のメッセージを代読。「両国が過去を直視し、友情のペダルを共に漕いで未来に向かってほしい」と語った。

朝鮮通信使は朝鮮王朝が日本に送った使節で、江戸時代には徳川幕府将軍の代替わりなどを祝う目的で派遣された。一行は訪れた各地で友好を深めたという。

新朝鮮通信使には日韓から各25人、総勢50人が参加し、10時過ぎにソウル中心部の景福宮を出発。参加者で早大サイクリングクラブに所属する鈴木勇貴さんは「かつて朝鮮通信使が通った道をたどりながら、韓国の風景と生活に触れるのが楽しみ」と話した。

 
南漢江サイクリングコースでは廃線跡の鉄橋も渡る
南漢江サイクリングコースでは廃線跡の鉄橋も渡る
大学生の朴恩英(パク・ユニョン)さん
大学生の朴恩英(パク・ユニョン)さん


ソウル中心部ではパトカーの先導の下、1車線を使ってパレード走行。その後、市内を流れる漢江沿いに設けられた自転車専用道路「南漢江サイクリングコース」に入った。途中には廃線跡を利用したルートもあり、かつて列車が走った鉄橋も渡れる。

初日の走行距離は78km。韓国光州市の大学生、朴恩英(パク・ユニョン)さんは「これまで長距離を走ったことがなく不安だったが、仲間の支えにも助けられて走り切ることができた」と振り返った。ルート設計を担当した朴成培(パク・ソンベ)さんは「自転車道路も組み入れ、走りやすいよう配慮した」と話す。

一行はこの後、韓国を縦断して17日に釜山に到着。対馬を経て20日に福岡に入り、11月1日の東京到着を目指す。(斉藤円華)

<参考サイト>
両輪で走る新朝鮮通信使 公式サイト http://kj50.or.kr/jp/