【Dailyアレ!アレ!ユキヤ】雪の残るグラン・サッソへ ジロ・デ・イタリア第7ステージ

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第7ステージ

フィニッシュまでラスト800m、雪の残るなかを進むグルペット

ジロ・デ・イタリア2023への出場が決まった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)を追って現地へ飛んだ、本誌の連載「アレ!アレ!ユキヤ」を担当する番記者・大前 仁のレポート。

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カプアからグラン・サッソまでの218km、本大会初の山頂フィニッシュとなるこの日、天気は雨模様が予想されていた。フィニッシュのグラン・サッソは標高2130mと高く、道路は開通しているもののまだスキーヤーの姿さえ見える。平日ながら、頂上までのケーブルカーを利用して多くの観客が詰めかけた。

レースはスタートアタックで飛び出した3人がそのまま11分差を開いて100km地点の第2カテゴリーの上りを越え、最後の上りに入った。「序盤は雨の影響で寒くて、途中の2級を上ってからは天気が良くなりました。それからはドライでしたね」とユキヤ。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第7ステージ

スタートアタックを後方で見送るユキヤ

最後の上りといっても、じわじわと40kmほど上り続けるので、追走のメイン集団にとってもかなりキツい上りである。ユキヤによれば「最後の上りまでは、リーダーチームのDSM以外はどこも牽いていなかったです。ステージを狙ったチームがなかったということです」。

ユキヤのチームは総合上位勢がタイムを失わないことがまず重要で、逃げとのタイム差があまり縮まらないなか、先頭付近をキープしてレースを有利に進めた。
先頭がラスト40kmを通過するころ、ユキヤは集団右側から後ろを連れてスルスルと上がってきた。さすがである。チームを引き連れて先頭をキープし、たっぷり働いて(おそらく日本のテレビにも映って)、そして牽引をマリア・チクラミーノのジョナタン・ミランに交代した。
ミランも献身的に先頭を牽き、そして後ろに下がっていく。逃げとの差は6分くらいまでしか縮まらず、後続は後続のなかで、タイム差を失わないような走りに見えた。

レースを終えたユキヤは「上り口で位置取りして、そのままグルペットでした」と語るが、その働きはしっかり結果となって現れた。チームメイトのブイトラゴが区間11位、ジャック・ヘイグが14位、カルーゾが17位に入り、カルーゾは総合10位にまで上がってきた。ジロはまだ第1週だが、バーレーン・ヴィクトリアスの動きは総合を射程圏内に入れ、上々の滑り出しといえるだろう。

 

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