【Dailyアレ!アレ!ユキヤ】ナポリの難しいステージ ジロ・デ・イタリア第6ステージ

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新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第6ステージ

ジロ・デ・イタリア2023への出場が決まった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)を追って現地へ飛んだ、本誌の連載「アレ!アレ!ユキヤ」を担当する番記者・大前 仁のレポート。

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南部ナポリのステージ

ローマ、ミラノに次ぐイタリア第3の都市、ナポリ。ジロ・デ・イタリア2023 第6ステージはスタートとフィニッシュがナポリの海べり、コースはヴェスヴィオ火山をぐるりと回ってからソレント半島をも回ってくる162kmだ。この距離はプランされたときのものだが、今日はリアルスタート地点前後で選手にメカトラが相次いだため、かなり進んでからレースがスタートした。

プロフィールマップを見るだけでは難易度が高くないように思えるが、コーナーとアップダウンが続く難しいコースだと説明された。チームバスからスタートサインに向かうユキヤも少し緊張した面持ちで、静かに出かけていった。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第6ステージ

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第6ステージ

 

難しい1日

レースは5人の逃げをもう1人が追う展開で始まったが、ユキヤのチームメイトでマリア・チクラミーノを着るジョナタン・ミランがごく序盤にトラブルで停車していったん遅れをとったためか、34km地点の中間スプリントでのポイント獲得はならなかった。

続く2級山岳はあまりタイム差を開かせないよう、メイン集団もハイペースで上ったが、そのせいでユキヤはそこから脱落。得意の下りで前に追いついたものの、「海沿いのアップダウンで前に上がれず、3級の手前のカテゴリーが付いていない上りで遅れました」とのことだ。

95km地点の3級山岳を通過する時点で逃げとメイン集団とのタイム差は2分台。「10人位で走っていて、残り30kmくらいでカヴ(マーク・カヴェンディッシュ)のグループが追い付いてきて、あのグルペットでゴールまで行きました」とユキヤは話す。

終盤、逃げとメイン集団のタイム差に加えカヴェンディッシュグループまでのタイム差がテレビ画面に出た、11分台。ユキヤはこの集団にいたようだ。

この日のタイムアウトは13%だから、きっと大丈夫。案の定、カヴェンディッシュの隣にユキヤという絵柄でフィニッシュラインに帰ってきた。この2人がいるグルペットなら安心だ。

ユキヤがいない分、チームはユキヤの分までミランのアシストをしているように見えたのは僕のひいき目だろうか。2人の逃げをギリギリで捕まえ、バーレーン・ヴィクトリアスは集団スプリントに持ち込んだ。

勝ったのはマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)、ミランは惜しくも2位となったが、ポイントをさらに加点し、明日もマリア・チクラミーノを着ての出走となった。

ユキヤは明日のステージについて「雨で2000mまで上るのは……」と言葉少なだ。26km上ってのフィニッシュ地点は標高2130m。しかも「真ん中で一回上がって、下がるのが寒そうです」とユキヤ。せめて雨が降らないように、てるてる坊主でも作って応援したい!

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2023第6ステージ

 

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