2021UCIロード世界選 男子エリートはフランスのアラフィリップが連覇

2021UCIロード世界選

フランスのアラフィリップがもう1年アルカンシエルを着用できる

ベルギー北部のフランダース地方で開催されていた、2021年UCIロード世界選手権大会は、9月26日の最終日に男子エリートのロードレースを競い、フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイッステップ)が独走で連覇を果たした。
 

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フランスのアラフィリップが世界選で連覇を果たした

2位はオランダのディラン・ファンバールレ(イネオス・グレナディアズ)、3位はデンマークのミケル・ヴァルグレン・フンデール(EFエデュケーション・NIPPO)だった。
 


45カ国の193選手がスタート

100回目の記念大会だった男子エリートのロードレースは、45カ国の193選手が出走。ベルギー北部の港町アントワープの有名な広場であるフロート・マルクトがスタートだった。今大会のメイン・サーキットがある、ヴラームス・ブラバント州の州都ルーヴァンまでの道程で、8カ国の8選手が逃げ出し、先頭グループを形成した。メイン集団は逃げのタイム差が3分半を超えたところで、ベルギーのティム・デクレルク(ドゥクーニンク・クイッステップ)がコントロールを始めた。

ルーヴァンに到着し、最初にコントロールラインを通過した時、逃げのタイム差は5分半を超えていたが、レースはまだ200km以上残っていた。ルーヴァンのサーキットを一周し、大勢の観客に顔見せをした後、レースは首都ブリュッセルに近いオーブレイス近郊に設定された、フランドリアン・サーキットに向かった。

残り187kmで、デンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレート)、イタリアのマッテーオ・トレンティン(UAEチーム・エミレーツ)、ダヴィデ・バッレリーニ(ドゥクーニンク・クイッステップ)が落車する事故が発生した。イタリアの2選手は最初の上り坂が始まる前に集団に戻ったが、ピーダスンは結局レースを棄権した。


エヴェネプールが逃げに加わった

フランスは早くから動き出し、残り180kmのフランドリアン・サーキットの最初の坂だったスメイスベルフでブノワ・コスヌフロワ(AG2R・シトロエンチーム)がアタックし、ベルギーのレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイッステップ)とデンマークのマウヌスコート・ニルスン(EFエデュケーション・NIPPO)が付いて行った。

このトリオにスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)やデンマークのカスパ・アスグレーン(ドゥクーニンク・クイッステップ)らが合流し、15人の追走集団を作った。メイン集団は一時この追走集団に1分近いタイム差を許してしまったが、選手を送り込めなかったイタリアが仕事を始め、タイム差は縮まっていった。

最初のフランドリアン・サーキットを終えてルーヴァンのサーキットに戻った時、エヴェネプールの追走集団は先頭の8人に1分12秒差で、イタリアが引くメイン集団とのタイム差は25秒だった。イタリアはトレンティンが集団を引き、ウェインペルスの坂で8人に先頭グループに追いついたエヴェネプールの追走集団を、その直後に吸収した。ここでレースは振り出しに戻ったが、レースはまだちょうど半分の133kmが残っていた。
 

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逃げに加わって働き続けたエヴェネプール(©Bettiniphoto)

90人ほどに減った集団はベルギーがコントロールを続け、残り114kmで再びアタックしたコスヌフロワは、ルーヴァン出身のヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)が潰した。ゴールまで残り91km、2回目のフランドリアン・サーキットへと向かう前の最後の周回で、ドイツのニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)がアタックし、10人の逃げグループが形成され、ベルギーは再びエヴェネプールが加わった。

2回目のフランドリアン・サーキットが始まり、10人は30秒程度のタイム差を付けて逃げ続けた。ゴールまで残り66.6kmの、石畳のモスケスストラートの坂で、先頭からイタリアのアンドレーア・バジョーリ(ドゥクーニンク・クイッステップ)、ベルギーのエヴェネプール、オランダのファンバールレ、フランスのヴァランタン・マドゥアス(グルパマ・FDJ)、米国のニールソン・パウレス(EFエデュケーション・NIPPO)が抜け出した。


アラフィリップがアタック

集団からは残り58kmのベークストラートの坂でフランスのアラフィリップがアタックし、ベルギーのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)とストゥイヴェン、イタリアのソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)、スロベニアのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)、チェコのズデニェック・シュティバル(ドゥクーニンク・クイッステップ)が付いて行った。

ここに英国のトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)、オランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)、デンマークのフンデール、フランスのフロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイッステップ)、イタリアのジャコモ・ニッツォーロ(チームクベカ・ネクストハッシュ)、ノルウエーのマルクス・フールゴール(ウノX プロサイクリングチーム)が合流し、ゴールまで残り53kmで先頭の5人に追いついた。

先頭集団は17人になり、開催国ベルギー、イタリア、フランスがそれぞれ3人、オランダが2人、英国、米国、デンマーク、ノルウエー、チェコ、スロベニアがそれぞれ1人加わっていた。この先頭集団から、フランドリアン・サーキットの最後の坂だったスメイスベルフでアラフィリップがアタックし、コルブレッリが付いて行ったが、2人はすぐに捕まった。

ルーヴァンのサーキットに戻った時、17人の先頭集団はすでに後続集団に1分半のタイム差を付けていた。先頭を引き続けていたエヴェネプールは残り26.3kmのケイゼルスベルフで仕事を終え、後方に下がった。ベルギーがコントロールを止めた先頭集団から、残り21kmのウェインペルスの坂でアラフィリップがアタックして先行し、ルーヴァン市街地から大きな環状道路へと出た。
 

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ルーヴァン市街地のシントアントニウスベルフで決定的なアタックを決めたアラフィリップ(©Bettiniphoto)

アラフィリップは環状道路で追いつかれたが、攻撃の脚を止めず、市街地に戻って残り17.5kmのシントアントニウスベルフの狭い上り坂で決定的なアタックを決めた。彼は最終周回へと突入するコントロールラインを通過した時、追走するストゥイヴェン、パウレス、フンデール、ファンバールレの4人に10秒差を付けていた。

ディフェンディングチャンピオンはじわじわとタイム差を広げ、残り6.5kmのウェインペルスの坂では30秒近くになっていた。後方では表彰台争いが始まり、アタックしたフンデールをストゥイヴェンが追うシーンもあった。先頭ではアラフィリップが30秒差を守って最後のシントアントニウスベルフを駆け上がり、最後は大勢の観客を煽るように手を振り、ガッツポーズでゴールした。フランス出身の選手が世界選手権で2回勝ったのは、アラフィリップが初めてで、しかも連覇という快挙になった。
 

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表彰台争いのゴールスプリントで負けた地元のストゥイヴェン(右)(©Bettiniphoto)

32秒遅れの追走グループは、表彰台を争うゴールスプリントを競い、米国のパウレスが先頭から最初に仕掛け、すぐ後方に付けていたストゥイヴェンが先頭に立ったが、最後尾からスプリントを開始したオランダのファンバールレが先頭でフィニッシュラインを通過して2位になった。オランダの選手が世界選男子エリートの表彰台に上がったのは、1997年のレオン・ファンボン(3位)以来だった。

ベルギーのストゥイヴェンは、ゴールスプリントでデンマークのフンデールにも負け、4位でレースを終えた。彼の実家はフィニッシュラインからたった300mの場所にあったが、表彰台に上がる事はできなかった。結局開催国のベルギーは、ロードレース種目では1つもメダルを獲得できず、アルカンシエルは1枚も取れなかった。
 

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男子エリート・ロードレースの表彰台。左から2位のファンバールレ(オランダ)、連覇したアラフィリップ(フランス)、3位のフンデール(デンマーク)(©Bettiniphoto)

■男子エリート ロードレース 結果
[9月26日/アントワープ~ルーヴァン/268.3km]
1. ALAPHILIPPE Julian (GRA) 5:56:34
2. van BAARLE Dylan (NED) +32
3. HUNDAHL Michael Valgren (DEN) +32
4. STUYVEN Jasper (BEL) +32
5. POWLESS Neilson (USA) +32
6. PIDCOCK Thomas (GBR) +49
7. STYBAR Zdenek (CZE) +1:06
8. van der POEL Mathieu (NED) +1:18
9. SENECHAL Florian (FRA) +1:18
10. COLBRELLI Sonny (ITA) +1:18
11. van AERT Wout (BEL) +1:18
49. ARASHIRO Yukiya (JPN) +6:31
62. EVENEPOEL Remco (BEL) +7:22
 

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ウェインペルスの坂を埋め尽くした大観衆(©Bettiniphoto)

フランダース世界選 公式サイト

UCI公式サイト