東京五輪日本代表に選ばれた新城「自国開催のオリンピックを走れることをうれしく思う」

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新城東京五輪

東京五輪の自転車競技(ロード)の日本代表候補に選ばれた新城幸也(バーレーン・マクラーレン)が、オンラインで記者の質問に答えた。新城にとっては、2012年のロンドン、2016年のリオに続き、3大会連続3度目の五輪出場となる。

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今シーズンを振り返って

変則的なシーズンといいますか、特殊なシーズンになりましたが、無事に走ることができて本当に良かったです。コロナ禍で3月にレースが中断して、始まった当初は開催して1か月でまたレースが止まってしまうんではないかとか、ツール・ド・フランス、世界選手権が終わったらそこでシーズンが閉じてしまうんじゃないかとか色んなうわさを耳にしながら過ごして、レースが開催されてからはいつ止まるかわからないので、その一つひとつを全力で走ろうということで挑んできました。そのすべてが100点というわけではないんですけど、自分としては満足のいくようなシーズンだったのではないかと思います。

(今シーズン)つかめたものというと、コンスタントにトレーニングができたっていうところですかね。昨年もそうですし、その前も過去5年、前回のリオオリンピックのときに大腿骨を骨折して、そのあと1年に1回どこか骨折をしてしまっていたので、そういう部分でやっぱり今年落車もなく無事にけがもなく1年間通して走れたっていうことは数字的にも出てるんですよね。レース自体は止まってしまったんですけど、その中で短い期間でトレーニングで上げていくのか、こうやってコロナ禍の中レースが止まってしまったのでトレーニングを続けて徐々に上げていくのかっていうのは、コンディション作りのなかでも変わってくるんですよね。継続して徐々に上げていってレースでいい力を発揮できて、僕としては4年前のグランツール(ツール・ド・フランス)を走った感覚っていうのを今回のジロでは最初の週から感じることができていたので、そういう部分は良かったかなというふうに思いますね。

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13回目のグランツール完走を果たした新城

東京五輪への意気込み

何度も言っていますけど、やはり現役選手である、しかもトップカテゴリーで走っている現状のなか、オリンピックが東京で行われるっていうのは僕にとってはすごくスペシャルなことで、誰もができないことですよね。前回のリオだったらブラジル代表だったり、その前のロンドンだったらイギリス代表だったり。数多い選手の中、こうやって自国開催のオリンピックっていうのは気持ちがこもります。来年オリンピックまでどうアプローチしていくかっていうところはまだ明確にはなっていないですけど、コロナ禍の中いつレースが始まるかっていうのはまだ決まっていませんし、ただ単純に自国開催のオリンピックを走れることをすごくうれしく思います。

東京五輪の目標

メダルを目指します。というのも、誰が勝つか分からないのが自転車レース。いろんなスポーツに世界ランキングがつきますけど、僕は今世界で絶対トップ10には入っていないですけど、トップ10ではない選手でも表彰台に上がれるというのは自転車レースの1つの魅力といいますか、誰もが表彰台に上がれるチャンスがあるっていうのは自転車レース独特かなと思うので。僕自身いろんなチャンスを目の前にしてきて、そのチャンスがまた東京で巡ってくるというよりは、それを自分で手繰り寄せるような展開にしたいですね。

やっぱり自国開催というのは力が入りますね。いろんな方々が応援に来られると思いますし。もちろんいつだって何かしてやろうと思っては走ってるんですよね、日本代表で走るときは。というのは、チームで走ると自分のためというよりはチームメイトのためというのが多いので。オリンピックだったり世界選手権だったら、どうしたら自分は表彰台に上がれるか、トップ10に入れるかっていうのはいつも考えながら走っているので、変わらずどうしたらメダルが取れるかっていうふうに。目論見ですよね。それがうまくいけるようにというふうには思います。

東京五輪の戦い方

獲得標高4000m以上になると思います。世界選手権も今年は5000mありましたし、そういうレースっていうのは僕自身あんまり走ってこなかったんですよね。ですけど、今回参加することができて、250kmで獲得標高5000mっていうレースが自分の体にどう反応するのかっていうことを体感できたんですよね。そのあとジロもありましたし、ジロでは4ステージ、5ステージくらい獲得標高4000m超えのステージがあったので、そういうところではメイン集団にまだ30人、40人くらいいましたけど、その中で残ることもできましたし。なので現時点では逃げにいったほうがいいのか待ったほうがいいのかっていうのはわからないですけど、獲得標高4000m以上、200km以上のレースっていうのを体で感じてきて、また自分の中で枠が広がったと言いますか、いろんな作戦がこれから取れるなって思います。

僕自身トレーニングでコンディションを上げるというよりは、レースを走ることでコンディションは上がっているので、できる限りオリンピックの前にたくさんレースを走って本番に臨みたいなというふうに思っています。

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