活動10年目のチームスカイ、スカイがスポンサーで走る最後のシーズン
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英国のチームスカイは、昨年末にタイトルスポンサーである英国の衛星放送事業者スカイが今年いっぱいでスポンサーを終了すると発表。活動10年目の節目の年は、チームスカイの名前で走る最後のシーズンになる
衛星放送事業者スカイが2019年いっぱいでスポンサー終了
英国のUCIワールドチームであるチームスカイは、2010年に活動を開始し、今シーズンは10年の節目の年を迎えた。
2012年にブラッドリー・ウィギンスが英国人として初めてツール・ド・フランスで総合優勝した後、クリストファー・フルームが4回、ゲラント・トーマスが1回総合優勝し、チームスカイのツールでの勝利数は9年間で6回、2012年以降に勝てなかったのは、2014年だけだ。
フルームは2017年にブエルタ・ア・エスパーニャ、2018年にはジロ・デ・イタリアでも総合優勝し、チームスカイに3大ツアーすべてのタイトルをもたらした。
しかし、昨年12月12日の朝、英国の衛星放送事業者スカイは、チームスカイのオーナーとスポンサーを、2019年12月31日で終了すると発表した。この決定で、同チームがチームスカイの名前で走るのは、今シーズンが最後になってしまった。
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チームスカイは、活動10年目の節目のシーズンを迎えるために、11月末には新しいデザインのチームジャージも発表したところだった。チームのゼネラル・マネージャーを務めるデヴィッド・ブレイルズフォードは、2020年以降も引き続きビッグチームを存続させるために、スカイクラスの大口スポンサーを探さなければならなくなった。
英国の衛星放送事業者スカイは、2008年から英国車連のスポンサーを開始し、自転車競技の後援を続けてきた。しかし、同社はすでに英国車連のスポンサーを2016年末で終了していた。
2019年は29選手が所属
チームスカイは1月1日に、今シーズンの所属選手29人を発表した。コロンビアのセルヒオ・エナオがチームを離れたが、英国のベン・スウィフトが戻ってきた。
[チームスカイの2019年シーズン所属選手]
Leonardo Basso (Italy / 25)
Egan Bernal (Colombia / 21)
Jonathan Castroviejo (Spain / 31)
David de la Cruz (Spain / 29)
Owain Doull (Wales / 25)
Eddie Dunbar (Ireland / 22)
Kenny Elissonde (France / 27)
Chris Froome (Great Britain / 33)
Filippo Ganna (Italy / 22) …UAEチーム・エミレーツから移籍
Tao Geoghegan Hart (Great Britain / 23)
Michal Golas (Poland / 34)
Kristoffer Halvorsen (Norway / 22)
Sebastian Henao (Colombia / 25)
Vasil Kiryienka (Belarus / 37)
Christian Knees (Germany / 37)
Michal Kwiatkowski (Poland / 28)
Chris Lawless (Great Britain / 23)
Gianni Moscon (Italy / 24)
Jhonatan Narvaez (Ecuador / 21) …クイックステップフロアーズから移籍
Wout Poels (Netherlands / 31)
Salvatore Puccio (Italy / 29)
Diego Rosa (Italy / 29)
Luke Rowe (Wales / 28)
Pavel Sivakov (Russia / 21)
Ivan Sosa (Colombia / 21) …アンドローニ・ジョカットリから移籍
Ian Stannard (Great Britain / 31)
Ben Swift (Great Britain / 31) …UAEチーム・エミレーツから移籍
Geraint Thomas (Wales / 32)
Dylan van Baarle (Netherlands / 26)
2019年シーズンのチームジャージは再び黒ベース
2019年シーズンに使用する新デザインのチームジャージは、昨年の白から再び黒ベースに戻った。しかし、従来の黒ジャージとは異なり、青から黒へのグラデーションになっている。
青は昨年のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)開幕前に、チームが参加表明をした環境保護キャンペーン『スカイ・オーシャン・レスキュー』にインスパイアされている。スカイ・オーシャン・レスキューのロゴは、ジャージの襟の部分に付いている。
背中にはアイコニックなライトブルーの縦ラインが入り、脇には選手名が入っている。2017年と2018年のチームジャージに採用されていたチームの勝利を象徴するデータパターンは消えたが、チームバスのデザインには残されている。サプライヤーは変わらずカステリ社だ。
フルームとトーマスはツール出場、ベルナルはジロに初挑戦する
チームスカイは1月1日に今シーズンの主要選手のレースプログラムも発表し、英国のクリストファー・フルームとゲラント・トーマスは揃ってツール・ド・フランスに参加することが確定した。
「2019年に何をするべきか、どのグランツールに焦点を当てるかを決めるのは、難しい決断だった。特に去年はジロで優勝し、チームとともにあれほど素晴らしい時間を持ったからだ。でも2019年は、ボクの一番の目標はツールになるだろう」と、フルームは語っている。
今年5月には34歳になるフルームは、昨年達成できなかった、ツール5勝目を目指すことになるだろう。
「ジロに戻ってマリア・ローザを守らないことは、全く難しい決断だった。去年は素晴らしい思い出を得たが、ツールを主要な目標にするのであれば、おそらく2019年はジロをスキップした方がいいと思う」と、フルームは付け加えている。
今年5月に33歳になるトーマスは、ディフェンディングチャンピオンとしてツールに参加し、ヨークシャーで開催される世界選手権のタイムトライアルも目標にする。
「ボクにとってのメインゴールは、できる限り最高の成績を得るためにツールに戻ることだ。もし2018年のツールで優勝していなければ、ボクはジロとブエルタ・ア・エスパーニャに参加するプログラムを考えただろう。しかし、ボクはツールに勝ち、ゼッケン1を背負うだろう。戻らなければ悲しいだろうし、同様に100%の状態で戻らなくても悲しいだろう」と、トーマスは語っている。
昨年チームスカイに加入した21歳のエガン・ベルナルは、ツールでグランツールデビューを果たし、総合15位になった。彼は今季、初参加のジロ・デ・イタリアでチームスカイのエースを務めることになる。
「ジロはボクが本当に好きなレースだ。ボクはイタリアに3年間住んでいて、友達がたくさんいるし。イタリアのファンが本当に好きなんだ。ボクは道も知っているし、ジロは本当に好きだ。だからいいレースをしたいよ」と、ベルナルは豊富を語った。
ベルナルは母国で開催されるツアー・コロンビア(アメリカツアー2.1/2月6日〜11日)でシーズンをスタートする予定だ。このレースにはフルームも参加する。ベルナルは昨年、コロンビア・オロ・イ・パスという名称で初開催されたこのレースで総合優勝していて、ディフェンディングチャンピオンとしてスタートラインに立つ。
「ツアー・コロンビアを走ることには本当に興奮している。そこでフルーミーと走るのは初めてになるから、良く走りたい。地元だし、ファンや家族、そしてコロンビアのために良いレースがしたい。ファンのサポートは信じられないくらいスゴイし、地元だからね」