クロスバイクで100km走破するための装備とテクニック
目次
通勤・通学から休日のサイクリングまで幅広く使える人気のスポーツ自転車「クロスバイク」。実はこれ、工夫すれば普通に100kmほど走れてしまうんです。そんな長い距離のサイクリングに挑戦したい人に向けて、サイクルスポーツがこれまでに蓄積してきた、基本的ノウハウをまとめてみました。

スポーツ自転車に不慣れな人でも扱いやすく、通勤・通学からサイクリングまで活躍するクロスバイクは人気の車種です。写真はFORCEの「Moravia 100D LTD」。天候にかかわらず安定した制動力を発揮するディスクブレーキ仕様で、キックスタンドが標準で付属。まさに初めてのクロスバイクにぴったりな一台。価格は6万280円で、写真はサイクリング仕様にカスタムしています。詳しい装備は記事の本文で
【POINT①】出先でのパンクに対処できる装備を持とう

いきなりの話題で「え? パンク」と思われるかもしれませんが、出先でもしパンクしてしまって対処する手段がなければ、それでサイクリングは続行不能になります。誰かの助けを呼べれば良いですが、状況によっては最悪遭難します。
そこで、必ず事前にパンクに対処できるよう、【最低1本の予備チューブ】【携帯ポンプ】【タイヤレバー】の3つを用意し、携行しましょう。パンクした場合はタイヤの中のチューブを交換し、携帯ポンプで空気を入れれば再スタートできます。このとき、タイヤの着脱がしやすいようにタイヤレバーを使いましょう。

予備チューブの一例。写真はFORCE・チューブ フレンチバルブ 48mm(1870円)。自分の自転車のタイヤサイズに合ったものを、自転車専門店のスタッフに相談して購入しましょう

携帯ポンプの一例。こちらのように車体に取り付けられるタイプだと携帯するのに便利です。写真はFORCE・携帯フレームポンプ ホース付(3520円)。延長ホースに足を固定できる台座が搭載されており、コンパクトながら楽に空気を入れられます。うれしい空気圧ゲージつき

タイヤレバーの一例。写真はFORCE・プラスチックタイヤレバー3本セット(660円)。タイヤの着脱がしやすくなる便利なアイテムです
※タイヤ・チューブの着脱方法についてはこちらの動画を参考にしてみてください。
サドルバッグに収納すると良い

サドルバッグの一例。写真はFORCE・サドルバック ECO ベルクロ取付(1980円)。ベルクロだけで簡単に着脱ができ、コンパクトながら十分な容量の0.8Lサイズ
これらのアイテムは、【サドルバッグ】という、サドルの下側に取り付けられる携帯バッグに収納すると良いです。
あると便利なアイテム:携帯ツール

携帯ツールの一例。写真はFORCE・ツールセット MINI 8機能(2860円)。スタイリッシュでコンパクトながら8種類の工具をそろえています
クロスバイクは多くの部品が六角レンチで回せるボルトで装着されており、万一出先で緩みが発生したりしたときのために、上の写真のような携帯ツールを持っておくと安心です。予備チューブ等と一緒にサドルバッグに入れておくと良いでしょう。
【POINT②】安全性と快適性にかかわる装備を整える
万一の転倒などに備え、必ず【自転車用ヘルメット】を装備しましょう。

自転車用ヘルメットの一例。写真はFORCE・SWIFT ヘルメット(6380円)。手に入りやすい価格ながら調整機構を備え、バイザーも付属しているのがうれしいアイテムです
そして、日没に備え【ヘッドライト】【テールランプ】も必ず装着しましょう。クロスバイクにはたいてい赤い反射板が初期装備されていますが、後続車両からの被視認性を高めることが夜間は重要なため、テールランプも必須と考えてください。

ヘッドライトの一例。写真はFORCE・ライト SHARK 700LM USB充電(4950円)。最大700ルーメンの明るさで2時間持続するので、クロスバイクのようなスポーツ自転車の夜間走行に最適です

テールランプの一例。写真はFORCE・テールライト COB USB充電(2200円)。バンド式でさまざまな部分に装着でき、コンパクトながら明るいテールランプです
必須ではありませんが、ぜひ快適に走るために使ってみてほしいのが、【サイクリングウェア】です。スポーツ自転車用に設計されており、サイクリングの動きを妨げず、汗を排出して体を快適に保ってくれます。

サイクリングウェアの一例。写真のトップスとパンツはFORCEのものですが、参考商品です。 ※シューズとレッグカバーはモデルの私物です
特に、長距離のサイクリングではお尻が痛くなりがちのため、ぜひお尻まわりに「パッド」が配された【サイクリングパンツ】は着用することをおすすめします。体のシルエットが出ることが気になる方は、ハーフパンツなどの下側に履くと良いでしょう。

サイクリングパンツに配されるパッド。クッション性のある素材が用いられており、サドルと触れるお尻まわりの部分をサポートします
また、【自転車用グローブ】もぜひ着用することをおすすめします。手のひらの部分にクッション素材が配されているものが多く、長時間ハンドルを握っていても手のひらが痛くなりにくいです。手を保護する役割もあります。

自転車用グローブの一例(こちらは長指タイプ)。写真はFORCEのものですが参考商品です
【POINT③】クロスバイクで長距離を走るテクニック
さあいよいよ出発です。ここからはクロスバイク(のみならずスポーツ自転車全般にも言えますが)で長距離を走るときに重要となるコツをご紹介します。
【最重要】ペース配分

サイクリング初心者にありがちなのは、序盤からついつい飛ばしてしまい、中盤から後半にかけて失速したり、あるいはリタイヤしてしまうことです。
100kmほどの長い距離を走り切るうえでは、最初から最後まで一定のペースで走ることが非常に重要です。それが最も疲れず速く楽しく走ることにつながります。
「どんなペースで走ったらいいか分からない」という方が多いのですが、そんな方におすすめなのは、とにかく序盤からペースを“これでもか”と抑えてみることです。最初から「こんなに遅くていいのかな」と思えるほどに楽なペースで走り、それを最後まで維持してみてください。それでも終盤では「あ〜今日は出し切ったなぁ」と思えるくらいの疲労感になるはずです。
こまめにギヤチェンジして無理なくペダルを回す

基本的にクロスバイクにはたくさんのギヤが装着されています。変速レバーをこまめに操作し、例えば上り坂や向かい風になって速度が落ちペダルが重くなってきたなと感じたらどんどん変速し、ギヤを軽くしていってください。
特に上り坂では「まだギヤを残しておいた方がいいかな」などとは考えずに、少しでも重く感じたらどんどん軽いギヤへ落としましょう。最も軽いギヤ(ローギヤ)にバンバン入れてしまって構いません。
逆に速度が上がってきたらギヤを重くしてください。速度が上がってきても軽いギヤのまま走るとペダルがクルクルと回りすぎ、速度が上がらないばかりか疲れてしまいます。
このように変速をうまく活用し、重すぎず軽すぎず、ちょうど良いと感じるペダルの重さを常に保つようにしてください。これによって脚への負担を減らし、楽に速度を保っていくことができます。
こまめな水分補給を

こちらも重要なポイントです。サイクリングは想像以上に汗をかき、水分が失われ続ける運動です。風が体全体に当たるため汗が乾きやすく水分が失われている感覚が乏しくなりがちなのですが、それだけに要注意なのです。
喉が渇いてから飲む、というのはもうタイミングとして遅いと考えてください。できれば5分〜10分に1回と時間をきめ、一口分くらいの水分をとっていくようにしましょう。また、汗とともにナトリウムもどんどん失われますから、飲むものは(好みにもよりますが)スポーツドリンクがおすすめです。
水分補給でぜひ活用してほしいのが、【自転車用ボトル】と【ボトルケージ】です。専用ボトルを車体に取り付けて携行でき、さっと飲むことができます。なお、水分補給するときは安全に十分注意してください。

自転車用ボトルとボトルケージの一例。写真はFORCE・ボトル SAVIOR 0.5L(1430円)と同・PET&ボトルケージ カーボン柄(1540円)。こちらのボトルケージはペットボトルの装着も可能です
こまめなエネルギー補給も忘れずに

意外と忘れられがちな点です。長距離のサイクリングでは、昼食としてどこかおいしい料理店に寄ることが多いのではないでしょうか。それも大切なサイクリングの楽しみですよね。
ただ、それ以外の時間は水分以外何も口にしない、という人が多いかもしれません。実は、サイクリングは想像以上にエネルギーを消費する運動でもあります。その分補給しながら走らないと、エネルギー切れで力が出なくなってしまうことがしばしば起こります。「あぁ疲れてもう動けない」という状態は、実は疲れだけではなくエネルギー切れを起こしている可能性も高いのです。
よって、昼食で料理店などに立ち寄る以外でも、ぜひ軽くつまめるような携行食を持ち、1時間に1回くらいの頻度で食べながら走ってください。
こうした携行食を収納するのに便利なのが【トップチューブバッグ】です。自転車のトップチューブと呼ばれる部分に装着するミニバッグで、すぐ中身を取り出せ、さまざまな荷物を運べる優れものです。

トップチューブバッグの一例。写真はFORCE・フレームバッグ スマホ窓付(5170円)。取り出す頻度の高いものを収納するのに便利な容量0.7Lのバッグで、蓋の部分にはスマートフォンの収納も可能となっています
適切に休憩を取る

どうしても走り続けていれば疲れてしまいますし、集中力も切れてきます。安全のためにも1時間に5分〜10分程度の休憩を入れることが大切です。よって、目的地やゴールを設定しているなら、そうした休憩時間も加味してサイクリングの時間配分を決めておくことが必要ですね。
なお、休憩中はヘルメットを外した方が良いです。頭部の圧迫を軽減したり、夏場であればヘルメット内の熱気を排出して熱中症予防にもなります。
休憩に関連して、例えばコンビニに寄ったり飲食店に寄ったりして、自転車から離れる時間ができることがあります。そのときには、どんなに短時間でも必ず【サイクルロック】で施錠しましょう。もし盗難に遭ってしまったらサイクリングはそこでジ・エンドです。そして大切な愛車も失ってしまうことになってしまいます。

サイクルロックの一例。写真はFORCE・ミニロックコイルワイヤー 180cm(2200円)。サイクリング時に役立つコンパクトなサイクルロックで、3桁のダイヤル式
長距離のサイクリングをするときにおすすめなのは、携帯性に優れたコンパクトなタイプです。これも先に紹介したサドルバッグやトップチューブバッグ等に収納して携行すると良いでしょう。
引き返す&途中で切り上げる勇気も必要
最後に。例えばこれ以上走り続けるのが無理なほど疲れてしまったり、あるいはこれ以上進むと日没を過ぎて危険だなと判断されるくらい予想以上に時間がかかってしまったなど、サイクリングは予定どおりにはいかないことも多いものです。
そんなときは、途中で引き返す、あるいは家族に車で迎えにきてもらってリタイヤを決断するなど、大人の判断をすることも大切だと思います。たとえ思ったようなサイクリングが達成できなかったとしても、それはあなたにとっての貴重な経験となり、次回の挑戦への糧になるはずです。
この記事で紹介したFORCE(フォース)について
チェコの総合自転車アクセサリーブランド。その展開アイテム数は約3000に達し、ヘルメット、ライト、スタンド、サイクリングウェア、ポンプ、工具類など、ほぼワンブランドで必要なものを網羅します。「Be Force」(“全てのサイクリストの力になる”)をコンセプトとし、高品質で手頃な価格を実現していることが特徴です。











