ツール・ド・フランス2023 第19ステージはモホリッチが逃げ切り区間優勝

  • photo A.S.O. /Pauline BALLET/Charly Lopez / ©SprintCycling

第110回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月21日にモワラン・アン・モンターニュからポリニーまでの172.8kmで第19ステージを競い、逃げ切った3人でのゴールスプリントをスロベニアのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が制して区間優勝した。
 

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■モホリッチ(右)とアスグレーンのゴールスプリントは写真判定にもつれこんだ (©SprintCycling)

 
区間2位は前日に区間初優勝したデンマークのカスパ・アスグレーン(スーダル・クイックステップ)、3位はオーストラリアのベン・オコナー(AG2R・シトロエン チーム)だった。メイン集団は13分43秒遅れでゴールし、マイヨ・ジョーヌはデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が守った。
 

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■ヴィンゲゴーのマイヨ・ジョーヌ着用日数は25日になった (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)


モホリッチが区間通算3勝目

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(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

 

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● 第19ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
第19ステージは151選手が出走。前日にも逃げたヴィクトール・カンペナールツ(ロット・デスティニー)が最初にアタックしたが、10kmで吸収された。しかし、彼は57km地点で逃げ出した9人に再び加わっていた。ゴールまで残り65kmで先頭の逃げ集団は30人に膨らみ、マイヨ・ベールを着たヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)がマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)と一緒に入っていた。

そこからサイモン・クラーク(イスラエル・プルミエテック)とカンペナールツが逃げ出し、30秒ほどのタイム差を付けて先行し続けた。ゴールまで残り33kmでクラークは脚が攣って失速し、先頭はカンペナールツだけになった。ここで追走グループからアスグレーンがアタックし、オコナーとモホリッチが付いて行った。
 

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(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

 
3人はゴールまで残り30kmのイヴォリーの丘でカンペナールツを追い越し、先頭に立った。後方のマイヨ・ベール集団からはこの先頭グループに合流しようとアタックがかかり続けたが、マイヨ・ベールのフィリプセンやファンデルプールがそれを許さなかった。

クラシックレースのような展開が続いた後、3人はわずかなタイム差を守って逃げ続け、ゴールまで残り4kmでマイヨ・ベールのグループに32秒差を付けていた。3人はそのまま逃げ切り、残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、スプリントで不利なオコナーが最初にアタックしたが、残り250mでアスグレーンに追い抜かれてしまった。

最後はアスグレーンと、その後方から飛び出したモホリッチの一騎打ちになり、写真判定でモホリッチの勝利が確定した。彼は2021年のツールで区間2勝していて、これが区間通算3勝目だった。バーレーン・ヴィクトリアスにとっても、これは今年のツールで3回目の区間優勝だった。

■区間優勝したモホリッチのコメント
「プロのサイクリストであることは厳しく残酷だから、この勝利は多くの意味がある。準備でたくさん苦しんだ後、皆がとても強く、後ろに付いて行くのが大変な事に気付く事もある。ローズ峠では空っぽになった。時々あまりにも苦しみすぎて、自分はここに属していないのではないかと思う。

今日はアスグレーンに付いて行かなければならなかった。ジーノのために、全てのために。彼の後輪に付いて、フィニッシュラインで彼を打ち負かす必要があった。オコナーがアタックした時、それが彼にとって唯一のチャンスで、彼がそうすると分かっていた。アスグレーンが反応するだろうと思っていたから、彼をフィニッシュラインで打ち負かした。

自分がツール・ド・フランスの区間で勝てるだけ強いのは分かっていた。すでにそれを成し遂げていたからだ。困難な時期を過ごしたから、ボクにとってもチームにとっても感動的だ」
 

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■モホリッチが3度目の区間優勝を果たした (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)


■第19ステージ結果

[7月21日/モワラン・アン・モンターニュ~ポリニー/172.8km]
1. M. MOHORIC (BAHRAIN VICTORIOUS / SLO) 03h 31′ 02”
2. K. ASGREEN (SOUDAL QUICK-STEP / DEN)
3. 3. B. O’CONNOR (AG2R CITROEN TEAM /AUS) + 00′ 04”
4. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) + 00′ 39”
5. M. PEDERSEN (LIDL – TREK / DEN) + 00′ 39”
6. C. LAPORTE (JUMBO-VISMA / FRA) + 00′ 39”
7. L. MEZGEC (TEAM JAYCO ALULA / SLO) + 00′ 39”
8. A. BETTIOL (EF EDUCATION – EASYPOST /ITA) + 00′ 39”
9. M. TRENTIN (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 00′ 39”
10.  T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 39”

■第19ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) 75h 49′ 24”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 07′ 35”
3. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 10′ 45”
4. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 12′ 01”
5. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 12’ 19’’
6. P. BILBAO LOPEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 12′ 50”
7. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 13′ 50”
8. F. GALL (AG2R CITROEN TEAM / AUT) + 16′ 11”
9. S. KUSS (JUMBO-VISMA / USA) + 16′ 49”
10. D. GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 17′ 57”

[各賞]
■ポイント賞:J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
■山岳賞 : G. CICCONE (LIDL – TREK / ITA)
■新人賞 :T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績:JUMBO-VISMA (NED)
■敢闘賞 : V. CAMPENAERTS (LOTTO DSTNY / BEL)
 

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■カンペナールツが2日連続で敢闘賞を受賞した (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)


第20ステージは最後の山岳ステージ

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● 第20ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
今年のツールも残り2ステージ。7月22日はベルフォールからル・マルクシュタイン・フェルランまでの133.5kmで、ヴォージュ山脈ステージが行われる。距離は133kmと短く、頂上ゴールではないが、スタートしてすぐにカテゴリー2の峠越えが3カ所続き、終盤には標高1163mでカテゴリー1のプティ・バロン峠を越え、最後は標高1193mでカテゴリー1のプラッツァーヴァーゼル峠に挑む。今年最後の山岳ステージの累計標高は3600mだ。
 

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■ベルギー建国記念日にツールで5回優勝したエディ・メルクスが来場した (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

 

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(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

ツール・ド・フランス公式サイト

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