ツール・ド・フランス2023 第11ステージはフィリプセンが今大会4勝目

2023.07.13
レース

第110回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、７月12日にクレルモン・フェランからムーランまでの179.8kmで平坦区間の第11ステージを競い、マイヨ・ベールを着たベルギーのヤスペル・フィリプセン（アルペシン・ドゥクーニンク）が集団ゴールスプリントを制し、今大会４勝目を上げた。

■フィリプセンが今大会4勝目を上げた (©SprintCycling)

区間2位はオランダのディラン・フルーネウェーヘン（チームジェイコ・アルウラー）、3位はドイツのフィル・バウハウス（バーレーン・ヴィクトリアス）だった。マイヨ・ジョーヌはデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー（ユンボ・ヴィスマ）が守った。

■ヴィンゲゴーのマイヨ・ジョーヌ通算着用日数は17日になった (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

全21ステージの中間地点

(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

● 第11ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

今年のツールも丁度半分の第11ステージとなり、169選手が出走。スタートしてすぐにアンドレイ・アマドール（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）、マティス・ルヴェル（チームアルケア・サムシック）、ダニエル・オス（トタルエナジーズ）がアタックし、この日の逃げになった。集団はスプリンターを擁するチームがコントロールし、タイム差は大きく開かなかった。

ゴールまで残り54kmでルヴェルが諦め、5km後にはアマドールが集団に戻ったが、オスは30秒ほどのタイム差を守り、単独で逃げ続けた。雨が降り出す中、オスは先頭を逃げ続けたが、ゴールまで残り13.5kmで吸収された。彼はこの日の敢闘賞を獲得した。

■アマドール、ルヴェル、オスの３人がスタートから逃げた (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

集団の先頭はユンボ・ヴィスマが引き、残り2.3kmでアリエ川の橋を渡ってゴールの街へと入る時、コースラジオはフィリプセンのリードアウトを務めるマテュー・ファンデルプール（アルペシン・ドゥクーニンク）が、集団から遅れていると告げていた。

しかし、フィリプセンはファンデルプールなしでも見事なスプリントを見せた。アレクサンダー・クリストフ（ウノエクスプロサイクリングチーム）が最初にスプリントを開始し、その後方から飛び出したフルーネウェーヘンの後ろからスパートしたフィリプセンは、大差を付けてフィニッシュラインを通過した。

ベルギーの選手がツールの１大会で区間４勝したのは、1998年のトム・ステールス以来だった。通算区間優勝数は６勝になり、フィリップセンは25歳でトム・ボーネンの記録に並んでしまった。

■ツールの１大会で区間4勝した現役選手はカヴェンディッシュとフィリプセンだけだ (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

■今大会４勝目を上げたフィリプセンのコメント
「これまでのところ、信じられないようなツールだ。全てがどれほどうまく行ってるのが実感できない。とても誇らしいよ。自分の調子に満足している。問題なく最後まで行かなければならなかった。それを何とかやり遂げた。とても嬉しいよ。ファンデルプールが居なくてももちろん勝てるが、彼が引いてくれればより簡単になる。

今日はいくつかの後輪を見つけ、自分のスペースを見つけなければならなかった。フルーネウェーヘンの後輪に付けられて嬉しい。彼はスペースを開けてくれたので、追い越す事ができた。スプリントのチャンスはあと３回あるかもしれないが、逃げる連中もいるだろう。もう少し勝てる事を願っているが、何よりも今はこのマイヨ・ベールをパリに持っていくのが主な目標だ」

(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

■第11ステージ結果
［７月12日／クレルモン・フェラン～ムーラン／179.8km］
1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 04h 01′ 07”
2. D. GROENEWEGEN (TEAM JAYCO ALULA / NED)
3. P. BAUHAUS (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
4. B. COQUARD (COFIDIS / FRA)
5. M. PEDERSEN (LIDL – TREK / DEN)
6. A. KRISTOFF (UNO-X PRO CYCLING TEAM / NOR)
7. L. MOZZATO (TEAM ARKEA – SAMSIC / ITA)
8. P. SAGAN (TOTALENERGIES / SVK)
9. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL)
10. S. WELSFORD (TEAM DSM – FIRMENICH / AUS)

■第11ステージ後の総合成績（マイヨ・ジョーヌ）
1. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) 46h 34′ 27”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 17”
3. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 02′ 40”
4. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 04′ 22”
5. P. BILBAO LOPEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 04′ 34’’
6. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 04′ 39”
7. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 04’ 44’’
8. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 05′ 26”
9. D. GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 06′ 01”
10. S. KUSS (JUMBO-VISMA / USA) + 06′ 45”

［各賞］
■ポイント賞：J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞：T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績：BAHRAIN VICTORIOUS (BHR)
■敢闘賞 : D. OSS (TOTALENERGIES / ITA)