ツール・ド・フランス2023 第10ステージはビルバオが区間初優勝

  • photo A.S.O. /Charly Lopez / ©SprintCycling

第110回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、休養日明けの7月11日にヴュルカニアからイソワールまでの167.2kmで、丘越え区間の第10ステージを競い、スペインのペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)が、逃げ切った6選手でのゴールスプリントを制し、区間初優勝を果たした。
 

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■ツール・ド・スイスで事故死したチームメイトのメーダーのために走っていたビルバオは表彰台で空を指した (©SprintCycling)

 
区間2位はドイツのゲオルク・ツィンマーマン(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)、3位はオーストラリアのベン・オコナー(AG2R・シトロエン チーム)だった。マイヨ・ジョーヌはデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が守った。
 

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■マイヨ・ジョーヌはヴィンゲゴーが守った (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
休養日明けの丘越えステージ

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

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● 第10ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
クレルモン・フェランで最初の休養日を過ごし、7月11日から2週目がスタート。中央山塊の丘を越える第10ステージは、169選手が出走した。スタートしてすぐにカテゴリー3の丘が始まり、マイヨ・ジョーヌのヴィンゲゴーとマイヨ・ブランのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が加わった22人の先頭集団が形成された。

そこから次の丘でジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)、クリッツ・ネイランズ(イスラエル・プルミエテック)ら13人が先行し続けたが、逃げ続ける事はできなかった。この動きの中で、集団からはロマン・バルデ(チームDSM・フィルメニッヒ)とダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が遅れてしまった。

14km地点でビルバオが加わった7人が逃げ出し、アラフィリップが加わった7人が追走した。集団はペースを落とし、バルデとゴデュは集団に戻る事ができた。ゴールまで残り86kmで2つの逃げグループは1つになり、14人の集団になった。総合成績が最も上位だったのはビルバオで、7分37秒遅れの総合11位だった。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
ゴールまで残り33kmの最後の丘越えで、逃げ集団からネイランズがアタックし、単独で頂上を通過した。しかし、彼は残り3.2kmで5人の追走グループに捕まってしまった。最後は6人でのゴールスプリントになり、残り1kmのフラムルージュでアタックしたツィンマーマンに、ビルバオとオコナーが付いていき、200mでスパートしたビルバオが33歳でツール区間初優勝を果たした。

スペインの選手がツールで区間優勝したのは、2018年以来5年ぶりだった。メイン集団は2分53秒遅れでゴールし、ビルバオは4分34秒遅れの総合5位に順位を上げる事ができた。

■ツール区間初優勝したビルバオのコメント
「我々は完全に集中してこのステージをスタートした。昨日は最初の40kmをチェックして、意識していた。休養日の後で、厳しいレースになるだろうと予想していた。チェックしていた重要な瞬間に、我々バーレーンはトップ20の中に5人が入っていた。我々は全員がアタックし、エンジン全開だった。

ネイランズは印象的なアタックをした。彼は最強だったが、向かい風を受けすぎていた。我々は追走でよく協力した。最後の3kmでは、自分が最も速いと分かっていたので、コントロールしていた。ツィンマーマンのアタックを許してしまった時はヒヤリとした。それから何も考えずにスプリントした。全力で行って、自分が走っている理由、つまり(チームジャージの右胸にある#rideforGinoの文字を指差して)ジーノのためという事を思い出していた。

これは特別な勝利だ。準備をして、ポジティブなエネルギーを持ってツールに来るのは困難だった。最初の2ステージを勝つ為に走りたかったが、不可能だった。その後は自分の瞬間を待っていた。自分の総合順位は問題だったが、動く事を決めた。それは正しい動きだった。これはプロ13年目で、初めてのツールでの勝利だ。とても特別な瞬間だよ」
 

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■チームジャージの胸に書かれた #rideforGino の文字を指差すビルバオ (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
■第10ステージ結果

[7月11日/ヴュルカニア~イソワール/167.2km]
1. P. BILBAO LOPEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) 03h 52′ 34”
2. G. ZIMMERMANN (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / GER)
3. B. O’CONNOR (AG2R CITROEN TEAM / AUS)
4. K. NEILANDS (ISRAEL – PREMIER TECH / LAT)
5. J. CHAVES (EF EDUCATION – EASYPOST / COL)
6. A. PEDRERO (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 03”
7. S. JENSEN (LIDL – TREK / DEN) + 00′ 27”
8. M. KWIATKOWSKI (INEOS GRENADIERS / POL) + 00′ 27”
9. W. BARGUIL (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) + 00′ 30”
10. J. ALAPHILIPPE (SOUDAL QUICK-STEP / FRA) + 00′ 32”

■第10ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) 42h 33′ 13”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 17”
3. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 02′ 40”
4. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 04′ 22”
5. P. BILBAO LOPEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 04′ 34’’
6. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 04′ 39”
7. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 04’ 01”
8. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 05′ 26”
9. D. GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 06′ 01”
10. S. KUSS (JUMBO-VISMA / USA) + 06′ 45”

[各賞]
■ポイント賞:J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞 :T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績:BAHRAIN VICTORIOUS (BHR)
■敢闘賞 : K. NEILANDS (ISRAEL – PREMIER TECH / LAT)

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■独走で逃げ続け、残り3kmで捕まったネイランズが敢闘賞を獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)


第11ステージはスプリント区間

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● 第11ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
7月12日はクレルモン・フェランからムーランまでの179.8kmで、平坦区間の第11ステージが行われる。
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

ツール・ド・フランス公式サイト

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