山本がエスケープ、岡39位 サウジ・ツアー2023 第3ステージ

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2月1日に行われたサウジ・ツアー2023 第3ステージ、レースは前日の砂漠地帯から赤い岩肌の山々に囲まれた丘陵地に舞台を変えて行われた。アップダウンが目立つ中でも、やはりサウジアラビアの風の洗礼を受け続けながら走るレース。選手たちの疲労も日に日に増してきている様子。

この第3ステージ、JCL TEAM UKYOは登坂力とスプリント力を兼ね備えた岡篤志でゴール順位を狙い、総合上位の希望がある山本大喜は総合成績を上げる走りを作戦とし、レースに挑んだ。

サウジ・ツアー2023 第3ステージ

 

3ステージで最大8分差をつけた山本がエスケープ

スタートして間もなく発生した4人のアタック、ここに単独で山本選手が追いつきエスケープが成立、利害関係が一致したメンバーは時間が10分過ぎるごとにプロトンとのギャップを1分ずつ伸ばす力走が続き、1時間経過地点で6分半のアドバンテージを稼ぐ。

グループを形成しているのは過去実績のあるコラテックの選手2人、クライマーのエウスカディの選手1人と地元サウジアラビアの選手1人、そして総合成績はトップから1分55秒遅れで最も上位につけている山本。タイム差が安定し、サポートカーから現時点でバーチャルリーダーであることを伝えると、より走りにも集中力が増した。

サウジ・ツアー2023 第3ステージ

110km近くのロングエスケープに成功した山本

サウジ・ツアー2023 第3ステージ

逃げに乗る山本

 

このリードアウトが56㎞地点で8分45秒差まで広がると、プロトンはモビスターとコフィディスを中心としたスピードアップがはじまりる。アップダウンと横風の中でのハイペースにプロトンは細分化しながら先行とのギャップを埋めてくる。一方、先行グループでは73㎞地点のスプリント賞に向け活性化。先手を切ってアタックしたのは山本であったが、メンバーを振り切れず4位で通過。

そして、後半の20㎞の登坂に入る頃にはプロトンとのギャップは3分半まで縮まる。 山本は猛追してくるプロトンに捕まるタイミングに警戒し、エスケープグループが上りで分解しても諦めずに粘る。山本を吸収したプロトンは山頂に設置された122.8km地点のボーナスポイントにむけ活性化するも、前方からの向かい風が強く、落車も発生したことでペースダウン。

結果、プロトンは崩れずにゴールまでラスト4㎞の上りに差し掛かる。そびえ立つ巨岩を急勾配で切り通したヒルクライムでの優勝争いに展開は激化。デゲンコルブなど有力選手が次々と脱落しながら、トップグループはゴールに突き進む。

この激戦のレースを制したのは、昨年の世界選手権U23TTの金メダリストUNO-Xのセーレン・バーレンショル。軽量でスプリント力のある岡は力及ばず、35秒差の39位でゴールした。このステージで2位に入ったジョナサン・ミランが総合トップとなり、リーダーが入れ替わり翌日の山岳ステージを迎えることとなった。

サウジ・ツアー2023 第3ステージ

チーム最上位39位でゴールした岡

 

山本選手のコメント
「逃げ出しから協調して大きくリードできました。スプリント賞を取りにいく動きを自分から仕掛けたものの、皆強くて逆に奪われてしまいました。110km近く積極的に逃げて捕まりましたが、最終展開まで走りを繋げたのはコンディションに手ごたえも感じることができました。」

岡選手のコメント
「最後の展開に向けポジションアップを図りました。強い向かい風とワールドクラスが勝負する上りのスピードに必死で食らいつくも最後に離されてしまいましたが、トップが見える位置でゴールできました。次はもっと上を目指します。」

清水監督のコメント
「今日は山本選手が大きく逃げてバーチャルリーダーになるなど、チームとしての積極性が話題になる展開になりました。彼は逃げ続けるだけでなく、捕まった先の展開も意識しての走りが見られるなどこのツアーで成長したところも見ることができました。岡選手をチームで引き上げてスプリントに挑みましたが、ここはひとつ及ばない結果となりました。しかし、それぞれが戦う意思をもってこのツアーに挑戦している事に価値も見出せました。」

 

SAUDI TOUR 2023 Stage 3(159.5km)
1 WÆRENSKJOLD Søren(UNO-X)4h23’18”
2 MILAN Jonathan(BAHRAIN VICTRIOUS)+00″
3 BOL Cees(ASTANA QAZAQSTAN) +00″
39 OKA ATSUSHI(JCL TEAM UKYO) +35”
42 BENJAMIN PRADES(JCL TEAM UKYO) +35”

 

サウジ・ツアー2023
大会期間:2023年1月30日〜2月3日
カテゴリー:UCI 2-1
ステージ:第3ステージ(2023年2月1日)
Al ManshiyahTrain Station >> Abu Rakah(159.5km)
出場:16チーム、106名/完走 105名
JCLチームUKYOメンバー:石橋 学、小石 祐馬、岡 篤志、山本 大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス

大会オフィシャルサイト
https://www.thesauditour.com/

JCLチームUKYO オフィシャルサイト
https://jcl-team-ukyo.jp