ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第19ステージはカヴァニャが逃げ切り区間初優勝
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スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年9月13日にアビラからトレド旧市街までの165.2kmで第19ステージを競い、フランスのレミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が独走で逃げ切り、グランツール初優勝となる区間優勝を果たした。
メイン集団は5秒後にゴールし、区間2位にはアイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)、3位にはチェコのズデニェック・シュティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が入った。
第19ステージはレース中盤に総合リーダージャージのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)が落車に巻き込まれ、一時は集団から1分遅れたが、無事に戻ることができた。総合上位の選手は全員5秒遅れのメイン集団でゴールし、順位に変動はなかった。
ログリッチェとロペスが落車で遅れた
第19ステージは156選手が出走。スタートしてすぐにカテゴリー3の丘越えがあり、集団は分断し、11選手が逃げ出すことに成功した。そこにカヴァニャも加わっていた。13km地点の頂上はブルーノ・アルミライユ(グルパマ・FDJ)が先頭で通過。集団とのタイム差は1分を超えていた。
タイム差が3分半になると、集団はCCCチーム、チームカチューシャ・アルペシン、ボーラ・ハンスグローエ、カハルラル・セグロスRGAが引き始め、54km地点で2分半に縮まった。残り100kmでその差はさらに縮まって1分半を切った。
集団ではゴールまで残り61km地点で大きな落車事故が発生し、トニー・マルティン(チームユンボ・ビスマ)とマルコ・マルカート(UAEチーム・エミレーツ)が負傷し、レースを棄権した。この落車にはラ・ロハを着たログリッチェと白い新人賞ジャージを着たミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が巻き込まれ、集団から1分遅れてしまった。集団はモビスターチームが引き続けたが、ログリッチェとロペスのグループは必死に追走を続け、残り51kmで集団に追いつくことができた。
ゴールまで残り35km地点で、今度は横風を利用してボーラ・ハンスグローエが集団を分断し、ログリッチェは再び遅れたが、残り29km地点で追いついた。
先頭の逃げグループでは、ゴールまで残り25kmでカヴァニャがアタックして独走を開始した。彼はそのまま逃げ切ってトレド旧市街の坂を駆け上がり、区間初優勝を勝ち取った。
■区間初優勝したカヴァニャのコメント
「レースの最後はすごく苦しんだ。最後の25kmは酷かった。ものすごい向かい風だったからだ。もっと速く行きたかったけれどできなかった。彼らに捕まるのではないかと恐れていたが、最後はうまくいった。ボクたちは毎日チームでベストを尽くすように努力している。もう4勝目だ。今日、ボクたちはジルベールのために走った。大きなグループが逃げて、ボクは付いて行ったけれど、リーダーは後ろに居たからボクは引く必要がなかった。ブエルタで区間優勝するのはボクの目標だった」
■落車に巻き込まれたログリッチェのコメント
「落車はちょっと不運だったが、ボクはまだここに居る。何が起きたのかは本当にわからない。後方に居たから見えなかったんだ。ただ前に戻るために全力を出した。新しい自転車をもらって、チームと一緒に可能な限り速く走り、集団に戻った。良くなるかもしれないが、すごく悪くなるかもしれない。明日の様子を見てみよう。ボクたちは一日(勝利に)近づいた」
■第19ステージ結果[9月13日/アビラ~トレド/165.2km]
1. RÉMI CAVAGNA (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 03H 43′ 34”
2. SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL) + 05”
3. ZDENEK ŠTYBAR (DECEUNINCK – QUICK – STEP / CZE) + 05”
4. PHILIPPE GILBERT (DECEUNINCK – QUICK – STEP / BEL) + 05”
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 05”
6. TOSH VAN DER SANDE (LOTTO SOUDAL / BEL) + 05”
7. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) + 05”
8. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 05”
9. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 05”
10. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 05”
81. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 5’ 33’’
■第19ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 75H 00’ 33’’
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02’ 50’’
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 31’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 04’ 17’’
5. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 04’ 49’’
6. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 07’ 46’’
7. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 9’ 16’’
8. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR) + 11’ 50’’
9. JAMES KNOX (DECEUNINCK – QUICK – STEP / GBR) + 13’ 23’’
10. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 21’ 09’’
130. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 04H 00’ 35’’
[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
※第20ステージはTADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)が着用
■山岳賞 : GEOFFREY BOUCHARD (AG2R LA MONDIALE / FRA)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : RÉMI CAVAGNA (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA)