2021全日本選手権ロードレース 女子エリートは植竹海貴が優勝
2021全日本選手権ロード2日目、女子はアンダー23とエリートが同時出走となり、12時半に広島県中央森林公園サイクリングロードの一周12.3kmを8周するレースがスタートした。出走は24人だ。
ヨーロッパを拠点とする與那嶺恵理が出場しなかった全日本は久しぶりで、不在のすきにチャンピオンの座を狙うのか、それともニュータイプの選手が頭角を現すのかに注目が集まったが、よもやよもや、例年のまったりとした展開は影を潜めた。
まず動いたのは女帝・西加南子(ルミナリア)。続いて名将高橋松吉が育てる米田和美(MOPS)が独走を築いた。
集団は強烈に追うことはなかったが、ペースアップに耐えきれずちぎれる選手が相次ぎ、結果的に12人の先頭グループが完成。ここからさらに人数を減らそうと、東京五輪代表の金子広美(イナーメ信濃山形)が積極的に上りで仕掛け続けた。
アンダー23では鹿屋体育大学の石上夢乃、そして日本体育大学所属でMTBの選手としても知られる川口うらららがこのグループに残る。川口は金子とともにアタックを繰り返し、集団の人数を絞った。
できあがったトップ集団は金子、川口、そしてワイズロード所属の植竹海貴だ。優勝候補の一人、海外から帰国し隔離が明けたばかりの樫木祥子(チーム・イルミネート)、U23タイムトライアルチャンピオンの石上夢乃は後ろの集団に取り残された。
植竹はJフェミニンツアーのリーダーでもある、ワイズロードの店員だ。「上りは常にアタックがかかっていたので、とりあえず離されないようにと頑張った」と語る植竹が金子のアタックに食らいつき、食らいつき、食らいついた!
千切れたのは川口。最終周回、三段坂の最初から仕掛けた金子に川口がくじけ、植竹は耐え切った。金子は再三にわたって植竹を切り離そうとしたが叶わず、植竹とのゴールスプリントへ。
「スプリントになればワンチャンあるかなと思っていた。最後は脚が長い距離は保たなかったので、短い距離でスプリントしました」と話す植竹が金子を退け、初めてエリート女子の全日本チャンピオンとなった。
U23の首位は川口うらら。先頭の2人から1分18秒差でフィニッシュし、全体でも3位となった。そして鹿屋体育大学の石上夢乃を1分近く離し、U23の全日本チャンピオンの座に輝いた。
フィニッシュ直後の川口の一言は「楽しかった!」。続く21歳の川口のコメントが素敵だ。「集団が緩んだなと思ったら積極的にアタックを掛けた。MTBの選手なので、ロードは勝ちにはこだわるけれど内容が重要、キツイ展開にしようと思った。そういう展開にできたけど、金子さんのアタックには私が死にました、ハハハ! 次のレースはMTBの全日本。そちらもしっかり勝ちたいです」。
2021全日本選手権ロードレース 女子エリート結果
1. 植竹海貴(ワイズロード)
2. 金子広美(イナーメ信濃山形)
3. 川口うらら(日本体育大学)※U23優勝
第89回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース/第24回全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会
開催期間:2021年10月21日(木) 〜 2021年10月24日(日)
開催地:広島県中央森林公園 サイクリングロード
日本自転車競技連盟 https://jcf.or.jp/road/