東京2020MTBの難コースをピドコックが中盤から独走して勝利

2021年7月26日、静岡県伊豆市の伊豆MTBコースにて行われた東京2020オリンピック男子マウンテンバイクXC競技は、レース後半に先行したトーマス・ピドコック(英国)逃げ切って勝利した。

スタートは後方第4列からだった優勝候補の21歳は、スタートループで先行10人の選手からじわじわと順位を上げ、先行してからは自身のペースを守り切るように疲弊していく2位以下の選手と差を開いての優勝だった。

 

東京2020MTB

東京2020男子マウンテンバイクは英国のトーマス・ピドコックが優勝した  ⓒBettiniPhoto

 

現在世界最高峰の難度と言われる、周回4.1kmの伊豆MTBコース。激坂の上りと岩の多い急激な下りが繰り返す、周回ごとに体力を消耗し、集中力をそいでいくコースと言われていた。

ピドコックに次ぐ優勝候補と目されていたマテュー・ファンデルプールは、1周目の巨大なドロップオフ『桜ドロップ』で大転倒し大きく順位を落とす。その後ニノ・シューター(スイス)とマティアス・フルッキガー(スイス)が2人で先行するも、レース中盤からピドコックが先行。その後ピドコックとフルッキガーが2人で後続を引き離すも、下りセクションでの滑らかさを誇るピドコックが4周目後半から独走、イギリス国旗と共に金メダルのゴールに飛び込んだ。

銀メダルは20秒遅れのフルッキガー、銅メダルはシューターを含む4人のスプリントを制したダヴィド・ヴァレロ・セラノが物にした。このレースが最後の公式レースとなる、4連続の同競技五輪出場を果たした山本幸平は7分21秒遅れで29位だった。

 

東京2020MTB

ファンデルプールが転倒し、大きく順位を落とした。右は優勝したピドコック ⓒBettiniPhoto

東京2020MTB

ⓒBettiniPhoto

【リザルト】
2021/7/26 東京2020オリンピック 男子マウンテンバイク
1位トーマス・ピドコック(イギリス) 1:25:14
2位マティアス・フリュキガー(スイス)+0:20
3位ダビド・ヴァレロ・セラノ(スペイン)+0:34

29位 山本幸平(日本)+7:21

 

 

山本幸平選手のコメント:
「満足した、充実した走りができました。それに日本の皆さんにリアルなマウンテンバイクレースを見てもらえたのも嬉しかったです」

鈴木雷太監督のコメント:
「この2年でベストの走りでした。これ以上ない走りができたと感じています」

 

 

1年の延期が大きな意味を持った 2020オリンピックMTBに、ピドコックが滑らかな走りで勝利