ジロ・デ・イタリア2021第15ステージはカンペナールツが初優勝

イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月23日にグラードからスロベニア国境の都市ゴリツィアまでの147kmで第15ステージを競い、ベルギーのヴィクトール・カンペナールツ(チームクベカ・アソス/29歳)が逃げ切り、グランツール初優勝となる区間初優勝を果たした。
 

ジロ・デ・イタリア

カンペナールツがゴールスプリントでリースベークを下した(photo : LaPresse)

区間2位はオランダのオスカル・リースベーク(アルペシン・フェニックス)、3位はドイツのニキアス・アルント(チームDSM)だった。集団は17分以上遅れてゴールしたが、総合リーダーのマリア・ローザはコロンビアのエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアズ)が守った。
 

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マリア・ローザはベルナルが守った(photo : LaPresse)


スタート直後の落車事故で4人が棄権

第15ステージは158選手が出走。念願の区間初優勝を果たした欧州チャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(チームクベカ・アソス)がスタートしなかった。3km地点で大きな落車事故が発生し、レースは一時ニュートラルになった。

この事故で前日まで総合6位だったエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)、ナトナエル・ベルハネ(コフィディス)、ルーベン・ゲレイロ(EFエデュケーション・NIPPO)、ヨス・ファンエムデン(ユンボ・ヴィスマ)がレースを棄権した。

負傷者を救急車で搬送し終えるまで、集団は止まって待ち続けた。その後、新たなニュートラル区間を走り、残り139km地点でレースが再開すると、すぐにアタックがかかって15人が逃げ出し、この日の逃げグループになった。

総合成績が最も上位だったバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)でも40分以上遅れていたため、集団はこの逃げを追わず、30km地点でタイム差は7分以上に開いていた。

この日のコースは、中盤に設定されたサーキットが一部スロベニアに越境していて、スロベニア側にあるカテゴリー4の丘には大勢のレースファンが詰めかけていた。残り40kmで15人の逃げとイネオス・グレナディアズが引く集団は12分以上離れていた。

集団では2度目の丘を越えた後からアタックがかかり始め、ゴールまで残り22.5kmでカンペナールツのアタックが決まり、リースベークとアルベルト・トレス(モビスターチーム)が追いつき、3人でゴールを目指した。終盤は雨が降り出した。
 

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レース終盤はひどい雨になった(photo : LaPresse)

最後に越えたカテゴリー4の丘の頂上で先頭はトレスが遅れ、カンペナールツとリースベークの2人になった。雨の下り坂でも先頭の2人はアタックを掛け合い、ゴールまで残り4kmの上り坂でも勝負はつかなかった。2人はそのままゴリツィアの市街地に到着した。最後は石畳の道で一騎打ちのゴールスプリントを競い、カンペナールツがあっさりリースベークを打ち負かし、チームクベカ・アソスに今大会区間3勝目をもたらした。

■グランツール区間初優勝したカンペナールツのコメント
「チームにとって素晴らしい日だった。これからの山岳ステージで、我々にはクライマーが居ないから、今日皆で行くことにした。我々は1つで走った。ウブントゥ、我々が居るから私は居る、だ。(ウブントゥは南アフリカ語でチームのスローガン)我々は最初の数kmから全力だった。なんて素晴らしい日だ。今、我々はジロで3勝した。存続するために苦労してきたチームにとって、それはただ素晴らしい」


■第15ステージ結果[5月23日/グラード~ゴリツィア/147km]

1. CAMPENAERTS Victor (TEAM QHUBEKA ASSOS / BEL) 3:25:25
2. RIESEBEEK Oscar (ALPECIN-FENIX / NED) +0
3. ARNDT Nikias (TEAM DSM / GER) +7
4. CONSONNI Simone (COFIDIS / ITA) +7
5. HERMANS Quinten (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / BEL) +7
6. CATALDO Dario (MOVISTAR TEAM / ITA) +7
7. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +9
8. TORRES BARCELO Albert (MOVISTAR TEAM / ESP) +44
9. MOLANO BENAVIDES Juan Sebastian (UAE TEAM EMIRATES / COL) +1:02
10. WALSCHEID Maximilian Richard (TEAM QHUBEKA ASSOS / GER) +1:02
37. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +17:21

■第15ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) 62:13:33
2. YATES Simon Philip (TEAM BIKEEXCHANGE / GBR) +1:33
3. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +1:51
4. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +1:57
5. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – NIPPO / GBR) +2:11
6. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +3:03
7. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +3:52
8. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (INEOS GRENADIERS / COL) +3:54
9. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +4:31
10. FOSS Tobias S. (JUMBO-VISMA / NOR) +5:37
86. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:54:16

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUCHARD Geoffrey (AG2R CITROEN TEAM / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
※第16ステージは VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS)が着用
■チーム成績 : TREK – SEGAFREDO (USA)
 

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スロベニアに越境した丘には、スロベニアのレースファンが詰めかけていた(photo : LaPresse)

 

第16ステージはチマ・コッピを越えるドロミテ山岳区間

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●第15ステージのコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

5月24日はフリウリ・ベネツィア・ジュリア州サチーレをスタートし、ドロミテの4つの峠を越えてコルティナ・ダンペッツォにゴールする212kmの第16ステージが行われる。後半は峠越えが3つ続き、今大会のチマ・コッピ(最高峰)である標高2239mのポルドイ峠が真ん中に設定されている。

ジロ・デ・イタリア公式サイト

ジロ・デ・イタリア2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継/ライブ配信
 
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