ジロ・デ・イタリア2021第5ステージはユアンが優勝/ランダ棄権

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イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月12日にモデナからカットーリカまでの177kmで平坦区間の第5ステージを競い、オーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル/26歳)が集団ゴールスプリントを制し、今大会1勝目を上げた。

ジロ・デ・イタリア

第6ステージはゴールスプリントでユアンがニッツォーロを打ち負かした(photo : LaPresse)

区間2位は欧州チャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(チームクベカ・アソス/イタリア)、3位はイタリアのエリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)だった。総合リーダーのマリア・ローザは、イタリアのアレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・スタートアップネーション)が守った。
 

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マリア・ローザはデマルキが守った(photo : LaPresse)

 
ランダが落車でリタイア

第5ステージは終盤に事故が続出し、ゴールまで残り4.5kmの中央分離帯では、スペインのミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)、山岳賞のマリア・アッズーラを着た米国のジョゼフロイド・ドンブロウスキー(UAEチーム・エミレーツ)、フランスのフランソワ・ビダール(AG2R・シトロエン チーム)が落車した。

ランダはその場で起き上がる事もできず、そのまま救急車で搬送され、レースをリタイアした。

ドンブロウスキーはレースに戻る事ができたが、8分以上遅れてゴール。残り3km前の事故だったので救済はされず、彼は22秒遅れの総合2位から総合48位に後退した。レース後の検査で骨折は見つからなかったが、脳震盪を起こした可能性があり、第6ステージを出走するかは今夜と明朝の検査次第となる。

ビダールも完走したが、ゴール後の検査で鎖骨を骨折していた事が判明し、レースを棄権する事になった。
 

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スプリントステージでユアンが快勝

第5ステージは183選手が出走。スタートの合図とともに、地元イタリアのフィリッポ・タリアーニ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)とウンベルト・マレンゴ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)がアタックし、この日最初の逃げグループになったが、2人は70km地点の中間スプリント地点を通過後に吸収された。

集団はしばらく1つのまま進んたが、ゴールまで残り69kmでシモン・ペロー(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)が、ダヴィデ・ガッブーロ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)と一緒にアタックを成功させた。ゴールまで残り24kmで、集団からアレクシー・グジャール(AG2R・シトロエンチーム)が飛び出し、先頭の2人に合流した。

逃げを追走する集団では落車事故が続出した。残り15.8kmでパヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアズ)が落車。彼は集団に追いつけず、13分以上遅れて最下位でゴールした。シヴァコフはこの落車で肩を負傷し、ジロを棄権する事になった。

3人の逃げはゴールまで残り3kmで吸収され、ロット・スーダルやボーラ・ハンスグローエが集団の先頭を引いてゴールスプリントの準備が始まった。最後はスパートして先行したニッツォーロをユアンがあっさり追い抜き、今大会1勝目を上げた。これで彼のジロ区間通算優勝数は4勝になった。

第2ステージで区間優勝し、ポイント賞のマリア・チクラミーノを着ていたベルギーのティム・メルリール(アルペシン・フェニックス)は、スプリントを開始しようとした瞬間に、自転車のチェーンが落ちる不運に見舞われてしまった。彼は区間12位でゴールし、ポイント賞総合首位の座はニッツォーロに奪われてしまった。
 

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今大会1勝目を上げたユアン(photo : LaPresse)

■今大会1勝目を上げたユアンのコメント
「今年の目標は3つのグランツール全てで少なくとも1勝する事だから、これでホッとしたよ。今日は良い仕事をするというプレッシャーが、ボクとチームに課されていた。今日区間1勝して、ボクはもっと勝ちたくなると思う」

 
■第5ステージ結果[5月12日/モデナ~カットーリカ/177km]

1. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS) 4:07:01
2. NIZZOLO Giacomo (TEAM QHUBEKA ASSOS / ITA)
3. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA)
4. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
5. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL)
6. MOSCHETTI Matteo (TREK – SEGAFREDO / ITA)
7. PASQUALON Andrea (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA)
8. GROENEWEGEN Dylan (JUMBO-VISMA / NED)
9. BELLETTI Manuel (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
10. CIMOLAI Davide (ISRAEL START-UP NATION / ITA)
177. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +5:05
180. DOMBROWSKI Joseph Lloyd (UAE TEAM EMIRATES / USA) +8:15
182. SIVAKOV Pavel (INEOS GRENADIERS / RUS) +13:08

■第5ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. DE MARCHI Alessandro (ISRAEL START-UP NATION / ITA) 17:57:45
2. VERVAEKE Louis (ALPECIN-FENIX / BEL) +42
3. OLIVEIRA Nelson (MOVISTAR TEAM / POR) +48
4. VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN) +1:00
5. EDET Nicolas (COFIDIS / FRA) +1:15
6. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +1:24
7. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +1:28
8. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION – NIPPO / ITA) +1:37
9. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – NIPPO / GBR) +1:38
10. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +1:39
48. DOMBROWSKI Joseph Lloyd (UAE TEAM EMIRATES / USA) +8:37
128. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +28:27

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):NIZZOLO Giacomo (TEAM QHUBEKA ASSOS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):DOMBROWSKI Joseph Lloyd (UAE TEAM EMIRATES / USA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN)
■チーム成績 : BAHRAIN VICTORIOUS (BRN)
 

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区間2位だったニッツォーロがマリア・チクラミーノを獲得した(photo : LaPresse)

 
第6ステージはカテゴリー2頂上ゴール

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●第6ステージのコースプロフィール(MAP :RCS Sport)

5月13日はイタリア中部マルケ州のグロッテ・ディ・フラザッシから、アスコリ・ピチェーノの標高1090mでカテゴリー2のサン・ジャコモ頂上までの160kmで、中級山岳区間の第6ステージが行われる。

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●第6ステージの頂上ゴール・プロフィール(MAP :RCS Sport)

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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