ジャパンサイクルリーグ開幕 見せつけたチーム力の差、地元宇都宮ブリッツェンの連勝

目次

国内ロードレースの新リーグ、ジャパンサイクルリーグが開幕を迎えた。3月27日(土)に栃木県真岡市の井頭公園近くにてカンセキ真岡芳賀ロードレース、翌日28日(日)にはカンセキ宇都宮清原クリテリウムが行われた。中継だけでは見えないレースの内側を振り返る。

JCL 真岡ロード フィニッシュ

 

自転車競技の露出を増やすため

JCL 真岡ロード 開幕

リーグ開幕のテープカットが行われた

いよいよ始まった国内ロードレースの新リーグ、ジャパンサイクルリーグ(JCL)。JCLとは、国内ロードレースの主戦場の一つである全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が主催するJプロツアーで昨年まで走っていた一部チームが分化し、今年からの新設チームをプラスして、地域密着型に特化した9チームが主体となってレースを行うリーグである。

今年のJBCFでのJプロツアーは、企業スポンサーのチームを中心とした構成で前々週にすでに開幕を迎えている。(Jプロツアー開幕戦についてはこちら
なお、JBCFやJCLを含めた日本国内ロードレースの今後の行方についての議論は次の機会に譲るが、JBCFとJCLのそれぞれのレースに重複して出場するチームは存在せず、国内レースは二分した形となる。

自転車を核として、地域を盛り上げていきたい、自転車文化を日本全国に根付かせていきたいと考えるJCLに賛同し、出場したのは以下の9チーム。

【JCL出場チーム】

  • 宇都宮ブリッツェン
  • 那須ブラーゼン
  • チーム右京相模原
  • さいたまディレーブ
  • キナンサイクリングチーム
  • レバンテフジ静岡
  • VC福岡
  • ヴィクトワール広島
  • スパークル大分レーシングチーム

JCL 真岡ロード 集団

初戦からYouTubeでの生中継で、美しいレース映像が解説付きで分かりやすく放送されたことに驚いた人も多いのではないだろうか。レースが終わって2日が経った段階で、初日のレース中継の再生回数は3万回を超えている。

JBCF時代から「プロ化」という言葉が一人歩きしているような部分も多いが、JCLが目指したのは、まずは自転車競技の露出を増やすことだと片山右京チェアマンは話す。まさに今回の中継のような形をできうる限りで保つことである。より多くの人に見てもらうこと、これこそが全ての始まりとなる。ファンを増やすためにも、各チームの地域スポンサーへの還元のためにも、ひいてはチームの存続のためにも必要なことなのだ。

 

やはり試される“チーム力”

JCL 真岡ロード スタート

見た目にも華やかなスタートが切られた

初日のロードレース、二日目のクリテリウムともにチーム力を見せたのは、宇都宮ブリッツェンだった。昨年からJプロツアーでチーム力を見せていた宇都宮ブリッツェンだったが、今年はチームメンバーが入れ替わり、ベテランや中堅選手が抜け、チームの平均年齢も下がったが、それでも増田成幸を中心とした安定したチームの強さを発揮していた。

初日は、栃木県真岡市の井頭公園東側に設定された7.6kmのほぼ平坦なコースを20周する152kmのロードレース。シーズン幕開けにふさわしい春の陽気の中で行われた。

JCL 真岡ロード 逃げ

序盤は3人の逃げがタイム差を稼いだ

序盤には、横塚浩平(チーム右京相模原)、内田宇海(ヴィクトワール広島)、持留叶汰郎(VC福岡)の3人の逃げが形成された。3人と集団とのタイム差が2分半ほどまでに広がり、このまま終盤までは緩い展開が続くと思われたが、あと50km以上を残した段階で宇都宮ブリッツェンがレース展開を動かし始めた。そこには増田の意図があった。

「最初に逃げが3人できて、緩い展開になりつつあったんですけど、そうはしたくなかったんですよね。そこはチームの力を借りて、中村(魁斗)選手と堀(孝明)選手に(集団)コントロールを手伝ってもらって、距離を縮めてから、もっと激しい展開を作っていこうということで」

JCL 真岡ロード ブリッツェン

ブリッツェンの引きにより逃げとのタイム差を縮める

ブリッツェンの引きによって急激にタイム差を縮めた集団は、残り7周のところで逃げを吸収し、新たな展開を見せる。新たに飛び出そうと何人かがアタックするが、許されなかった。

コントロールライン(スタート/フィニッシュライン)から数百m手前にある補給所を前にして、キナンサイクリングチームが集団前方を固め始める。
昨年のJプロツアーでも前で展開する場面が多かった小石祐馬(チーム右京相模原)はそれを見逃さずに利用しつつ、仕掛けた。

「キナンが隊列を組んだので、僕は割り込んで、僕の後ろにキナンの若い選手がいる状態でした。(補給所の地点からゴールまで少しの上りを)上がるにつれてどんどん追い風になっていくので、(集団の)後ろの方が辛くなる。これは中切れするだろうなと思って踏んだら、気がついたら後ろにトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)がいて、ブリッツェンの2人と石原(悠希・チーム右京相模原)も追いついてきてという感じでした」

JCL 真岡ロード キナン

集団が一つになった後、キナンが前を固めてペースを上げる

JCL 真岡ロード 6人の逃げ1

終盤にできあがった強力な6人の逃げグループ

小石の仕掛けによって、石原、ルバ、増田、西村大輝(宇都宮ブリッツェン)が付き、鈴木龍(レバンテフジ静岡)が追走をかけ、6人の強力な逃げグループが出来上がった。
さらに追走をかけようと集団からは那須ブラーゼンの選手らが飛び出し、逃げグループが目視できるところまでは迫ったものの追い付かず。集団は、有力チームの選手たちが前に行ったことでペースが緩み、逃げにメンバーを送りこめていない那須ブラーゼン、ヴィクトワール広島、スパークル大分、VC福岡が集団を牽引するもタイム差は大きく縮まることはなかった。

JCL 真岡ロード 集団2

集団が6人の強力な逃げを追う

JCL 真岡ロード 追走

ブラーゼンの2人が追走をかけるも追い付かなかった

 

6人の優勝争い

JCL 真岡ロード 6人の逃げ2

6人はいいペースで集団とのタイム差を広げていった

ラスト2周。順調に先頭交代を続け、速いペースを保った逃げグループの逃げ切りが見えてきた。6人の選手の中でスプリント力があるのは、レバンテの鈴木、ブリッツェンの西村、チーム右京の石原の3人。ブリッツェンとチーム右京は2人ずつ残している。どうすれば優勝を狙えるか、チームごとにそれぞれの思惑が交錯する。

ブリッツェンの増田と西村は、先頭交代のタイミングや無線を使ってお互いにやり取りを行った。増田が最も警戒したのは元チームメイトの鈴木のスプリントだった。

「やっぱり鈴木龍がいたので、彼は一度競輪目指して、またさらにバージョンアップしてるので、このままフィニッシュまで行くのは避けたいなと思ってました。行ったら絶対やられるので」
こう元チームメイトの力量を捉えていた増田は、西村に対しても「(鈴木)龍を振り落としたい」と考えを共有した。

JCL 真岡ロード 増田 鈴木

増田は元チームメイトの鈴木を警戒

一方、レバンテフジ静岡に今年移籍したばかりの鈴木は、序盤の集団での位置取りから苦しめられていた。これまで鈴木が所属していたブリッツェンやブリヂストンなど国内強豪チームでは、チーム内の実力もほぼ均衡が取れていることもあり、位置取りのしやすさが第一にあった。
レバンテフジ静岡は昨年できたばかりのチーム。まだブリッツェンなどのようにチームで固まってうまく位置取りができるわけではなかった。また、鈴木は5人の飛び出しに対する追走にも脚を使った。それでも6人でのスプリント勝負には自信を持っていた。

ブリッツェンと同じく2枚カードを残したチーム右京は、他チームに警戒されることを嫌い、お互いに意思疎通を交わすことを特にはしなかった。もともと立てていた作戦どおり、石原のスプリントで勝ちに行くことを狙った。

JCL 真岡ロード ラスト周回

ラスト周回に入る先頭6人

単騎ながら、これまでも強さを見せていたキナンのルバは、増田がこの逃げグループの中で一番強いと考えていた。スプリント力のある鈴木がいることもあり、この展開での勝機に難しさを感じていた。

ルバが逃げグループの中で少し牽制を始める。ラスト1~2kmほどでの抜け出しを考えていた。しかし、ラスト1周を過ぎたところで、増田が一番振り切りたい鈴木の先頭交代のタイミングを見計らって先に単独で飛び出して行った。

「僕も調子良かったし、西村選手もすごく強いので、どういうパターンで勝つのがいいのかなというのはずっと考えてたんですけど、攻撃をしかけさせてもらって、捕まっても西村選手がいるし、まだ脚残した状態で行こうと思ってたんですけど、思いのほかすんなり決まったので、もう全力で全開で行こうと思って。ちょうど僕の射程距離というか、我慢できる距離、タイミングだったので行きました」
増田は話した。

チームメイトの西村もこう振り返る。
「逃げに乗るときも、増田さんがブリッジするときに、僕をうまく引き連れるような踏み方でジョインしてくれました。最後の増田さんのアタックは、もうタイミングも切れも抜群だったので、僕はもうチームメイトの増田さんが行ってるので集団の中でつき位置でいられますし、スプリントしても別に文句を言われる筋合いもない立場だったので、最後のスプリントだけを集中して。本当に増田さんのおかげで走りやすくやらせてもらいました」

追走は、西村以外でローテーションをするも、うまくスピードが上がらない。
「それまでにみんな脚も使ってたんで。結果的には(増田に)もうつけなかった時点で、誰も引けなかったという感じです」と、鈴木は語る。
そのまま追走は増田の姿をとらえることはできなかった。

増田は、最終コーナーで後続が来ていないことを確認すると、フィニッシュライン手前から大きく両手を掲げ、笑顔を見せた。
「思った通りの展開にできましたし、最後はワンツーフィニッシュ決められたので、これ以上ない結果だと思います」
増田は喜びを語った。

JCL 真岡ロード フィニッシュ2

余裕を持ってゴールをした増田

増田のゴール後、しっかりと2着をもぎ取った西村だったが、彼自身の体調は決して万全な状態ではなかった。このオフの期間に鼻の病気で手術を行ったが、また新たな問題が発生し、今回は呼吸器系に障害を抱えたままの出走となった。
「めちゃくちゃ苦しいです。呼吸機能的な問題があって、ちょっと体調が良くなかったんですけれど、出走するからには、自分の持てる力を精一杯出して、どこまで行けるか分からないけど、とにかく精一杯頑張ろうという気持ちで走りました」と、西村は話した。

JCL 真岡ロード 2位

先行して仕掛け、2位もしっかりと確保した西村

また、終盤に2枚のカードを残しながら勝負に絡むことができなかったチーム右京だが、去年は、終盤で小石一人だけが残るという展開の方が多くあったように思える。今年からキャプテンを任された小石は、今回の結果を受け止めつつ、去年からの変化をポジティブに捉えていた。
「初戦の初戦で、よりチーム力が試されるようなコースだったので、6人中2人残せたっていうのはすごくプラス。今度はそこをどうやっていくか。逆に、(今回のような)このパターンを作り出して確実に勝とうとするためには、6人出走中、他の4選手でこうなる展開を作らなきゃいけなかった。今日はそれを作れてないんです。僕のアタックで6人になって、その中に石原が追いついてきたっていう、ただただ結果論の話です。
欲を言えば、例えばチームでペースを上げて、そこから飛び出して(今回の)6人の展開になったなら、もっといいと思うんですけど。結果は良くなかったですけど、いろんな改善点が今回見えたかなと思ってます」

JCL 真岡ロード 風景

当然だが、昨年までのJプロツアーと比べると、チーム数が半減し、出走人数も6人と少なくなったことによって、今までよりも集団密度は低い。だからといって、レースの強度が落ちているかといったらそうでもない。多くの選手が展開の中で出し切っていた。
おそらく、このJCLに参加しているメンバーの実力の中では増田が頭一つ飛び抜けている状態だろう。昨年、Jプロツアーでマトリックスパワータグのフランシスコ・マンセボがレースレベルを引き上げたように、増田が持つ“緩いレースにはしたくない”という思いをきっかけにして、このJCLのレースレベルをさらに高いものに引き上げていくことを期待していきたい。

 

雨のクリテリウム

JCL 宇都宮クリテ 雨1

強い雨が打ちつけた序盤

二日目の宇都宮清原クリテリウムは、例年Jプロツアーで使用されていた栃木県宇都宮市清原工業団地内の特設コース、1周2.2kmを23周する全50.6kmで争われた。前日とは打って変わって、どんよりと厚い雲が覆い、曇りの状態からスタート時間が迫るにつれて雨脚が強くなった。

JCL 宇都宮クリテ 落車

コーナー前後で落車が何回か発生した

180度コーナーが3つ、90度コーナーが2つあるこのコースでは、集団後方にいればいるほど脚を使うことになり、しかも雨でスリッピーな状態。位置取りが何よりも重要となった。レース中、落車も何度か発生し、逃げらしい逃げもできないまま周回数を重ねていった。

昨年はJBCFの強豪ひしめくエリートツアーで5勝を攫った本多晴飛や、2020年個人総合ランキングトップに輝いた東優仁が今年はVC福岡へと移籍(東は昇格扱い)。彼らも積極的な動きを見せていた。

JCL 宇都宮クリテ 東

昨年のJBCFのE1カテゴリーで個人総合優勝した東が今年はプロチームに昇格

レース中盤から終盤にかけて、集団からアタックを仕掛けていた本多は、去年にロードレースを本格的に始めたばかり。
「昨日は探り探りな面があったので、今日はもうちょっと積極的に動きたいなって思ったので、自分の目標が達成できました。次はそれを結果につなげて、入賞、優勝できるようにしたいですね」
現在大学3年生の本多は、日体大のトライアスロン部で活動しており、TTが得意だと話していた。本多は、今回のレースを終えてU23ジャージを着用した。

JCL 宇都宮クリテ 本多2

JCL 宇都宮クリテ 本多1

トライアスロン出身ゆえにTTを得意とする本多

 

“慣れた”スプリントトレイン

JCL 宇都宮クリテ 中盤

JCL 宇都宮クリテ 鈴木龍

鈴木龍は脚を使って終始前方で展開を進めた

JCL 宇都宮クリテ 孫崎

孫崎は沢田のための発射台として控えた

目まぐるしく先頭が入れ替わる中で、明らかに最終ゴールスプリントを狙いに来ていたのは、スプリンターを多く抱えるスパークル大分と小野寺玲でスプリントを狙う宇都宮ブリッツェンだった。そのほかにもチーム右京やキナンサイクリングチーム、レバンテフジ静岡のメンバーも集団の前方に位置し、スプリント、あるいは逃げへの意欲を伺わせた。

しかしどのチームも明確に主導権を握ることもないまま迎えた終盤。
チーム右京やキナンサイクリングチームが先頭に固まって牽引をし始めると、徐々にスプリントをしたいメンバーが顔を揃える。

JCL 宇都宮クリテ チーム右京

チーム右京が先頭を牽引し始める

JCL 宇都宮クリテ 畑中

キナンも畑中を守る形で集団牽引を行った

JCL 宇都宮クリテ トマルバ

トマ・ルバがペースを一気にペースを上げる

ラスト2周に入るところで、前日にクリテリウムは苦手と話していたキナンのトマ・ルバが猛烈に先頭を牽引。これは畑中勇介のスプリントのための引きだった。ルバの後ろで最終盤まで枚数を残したのは、宇都宮ブリッツェン、キナン、チーム右京の3チーム。
ラスト1周に入る手前の180度ターンでは、落車が発生。最後のスプリントを控えていた鈴木龍やスパークル大分の沢田桂太郎も巻き込まれ、チャンスを失った。

JCL 宇都宮クリテ リードアウト

増田から西村にリードアウトを交代

ルバが仕事を終えると、そのまま前方をブリッツェンのアシストが固める。増田と西村が高速で最後の180度ターンまでを引き切ると、立ち上がりでそのまま小野寺を発射した。

JCL 宇都宮クリテ スプリント

小野寺が出た状態から誰も捲ることはできず

昨年のJプロツアーでのコースは、90度コーナーを曲がってからスピードに乗った状態でのゴールスプリントだったが、今回は、逆回りで180度ターンからのストレートであったため、ほぼ0スタートでの加速をしなくてはならない。
「去年は90度(カーブから)で、結構スピードに乗った状態からのもがきだったので、それは得意だと思ってたんです。低速からのもがきは心配だったんですけど、うまく乗れたので良かったです」
小野寺は話す。

小野寺の後ろに控えていた孫崎大樹(スパークル大分)は、沢田のためのアシストだったが、単騎でのゴールスプリント狙いに切り替えた。前を行く小野寺に追いすがる。

「最後、自分1人になっちゃったので、すぐに切り替えて。去年も同じコースでそのパターンになったし、終始自分もいい位置にいたので、脚は使ってたんですけど、最後までいける自信もありました。もうすぐに切り替えてラスト1周は自分で取るっていう強い気持ちを持って挑みました。
最後絶対ブリッツェンさんがトレイン組んで来るなと、もう分かってたので。本当にチーム力のあるチームで、明らかラスト1周まとまっていたので、すぐにその番手を取りに行って。絶対玲さんを発射するなと思ったので、玲さんの番手を取れて、これは来たな!と思ったんですけど……、強かったです」

西村、小野寺、孫崎に続いて4番手で180度ターンをクリアしたキナンの畑中やその後ろに続いたチーム右京も小野寺の背中を追うが、追いきれず。向かい風の中のゴールスプリントとなったが、小野寺は垂れずにそのままゴールラインへと飛び込んだ。

JCL 宇都宮クリテ フィニッシュ

新ポーズで余裕のフィニッシュを切った小野寺

小野寺はJプロツアー時代から数えると、このコースで4年連続勝利を収めている。昨年は引退する(今大会では解説として登場していた)大久保陣のためのアシストとして走ったが、トラブルによりレース中にエースにスイッチしていた。今年は、最初から小野寺がエース。プレッシャーは例年よりも大きかった。レース後に放った雄叫びはプレッシャーからの解放を意味していたようだ。
「今年に限っては結構(プレッシャーが)ありましたね。やっぱりチーム編成も変わったし、リーグも変わって6人出走ということになって、期待も大きい上に、不安もすごく強くて。前日のレースも自分自身あんまり走りが良くなかったので、今まで以上にプレッシャーや緊張が感じたレースでした」

2位に入った孫崎は、新チームに移籍して初めての表彰台となった。
「昨日ちょっと悔しい思いをしてるんで、せめて表彰台乗って、アピールできるっていうのはすごいいいことだと思うので。実際、しっかり戦えるところも見せられたと思うんで、今日も一歩及ばずでしたが、勝利には近づいてるんで、しっかり次は勝ち切りたいと思います」と、語った。

3位の畑中は、「チームの中で今日は任されて臨んだので、ベストな状況で勝負して、3番でした」と話す。畑中が国内レースで着に絡むのは久しぶりのことだ。6年間所属したチーム右京を離れ、今年キナンサイクリングチームに移籍したベテランの域に入る畑中だったが、環境の変化は必要かもしれないと語る。
「環境を変化させると、集中しますね。求められてチームに入るわけですから。緊張は嫌いなんですけど、もしかしたらその緊張が僕にとっては良いのかもしれないですよね。シマノから移籍した右京の年も実は良かったんです。全日本も優勝させてもらったし、Jプロツアーも総合優勝してるし。全日本2位だったのも右京1年目だった。もしかしたらそういうのは僕にとって必要なのかもしれないですね」

次回のJCLの開催は、6月のツール・ド・熊野と間が空くことになる。その間、Jプロツアーは、4月、5月と1か月ごとにではあるがレースが開催される予定だ。
両方のリーグの選手たちが相見えるのは、おそらく短縮開催が予定されているツアー・オブ・ジャパンとなるだろう。そのときまでに、個人の研鑽だけでなく、どれだけチーム力を見せられるかが肝になるはずだ。

JCL 真岡ロード 表彰台

カンセキ真岡芳賀ロードレース リザルト
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 3:41:42
2位 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +0:20
3位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) +0:21

JCL 宇都宮クリテ 表彰台

カンセキ宇都宮清原クリテリウム リザルト
1位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) 1:09:54
2位 孫崎大樹(スパークル大分レーシングチーム) +0:00
3位 畑中勇介(キナンサイクリングチーム) +0:00