UCIワールドツアーのヘント~ウェヴェルヘム2020でM・ピーダスンが初優勝

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で延期になっていた第82回ヘント~ウェヴェルヘム・イン・フランダース・フィールズ(UCIワールドツアー)が、10月11日にベルギー北部フランダース地方で開催され、デンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)が小集団でのゴールスプリントを制して初優勝した。

ヘント~ウェヴェルヘム2020

元世界チャンピオンのマス・ピーダスンがゴールスプリントを制した(©Bettiniphoto)

2位はフランスのフロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイックステップ)、3位はイタリアのマッテーオ・トレンティン(CCCチーム)だった。


フランス国境近くのイーペルからスタート

昨年までヘント~ウェヴェルヘムは、東フランダース州の州都であるヘント郊外のデインズがスタート地だったが、今年は西フランダース州のフランス国境に近いイーペルに変わり、ヘントはレース名に名前を残すだけの存在になった。イーペルは猫祭りが3年に1度開催される事で知られているが、第1次世界大戦時の激戦地(フランダース・フィールズ)としても有名で、選手たちがスタートした町外れのミーネン門には、戦没者の名前が刻まれている。

開幕前日にはベルギーのヤン・バークランツ(シルキュス・ワンティゴベール)が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染している事が判明し、濃厚接触者だったベルギーのティシュ・ベノート(チームサンウェブ)共々参加できなくなったが、レースは何の滞りもなく開催された。

スタートしてすぐにアタックした7人の逃げグループには、英国のマーク・カヴェンディッシュ(バーレーン・マクラーレン)か含まれていた。断続的に降る雨と強風の中、逃げは最大で7分半のタイム差を付けたが、石畳のケメルベルフの坂と未舗装路に挑む区間が始まる頃にはメイングループに吸収されていた。

ケメルベルフを3度越えた後、ゴールのウェヴェルヘムまでの平坦区間で先頭グループは9人に絞り込まれていた。メンバーは優勝候補だったウァウト・ヴァンアールト(チームユンボ・ヴィスマ)とマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)、アルベルト・ベッティオール(EFプロサイクリング)、ジョン・デゲンコルプ(ロット・スーダル)、シュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)、セネシャルとイブ・ランパールト(ドゥクーニンク・クイックステップ)、トレンティン、そしてピーダスンだった。

ゴールまで残り6.5kmでアタックが始まり、ヴァンアールトもトライしたが、ファンデルプールがそれを許さなかった。残り1.8kmでトレンティンがアタックし、ベッティオールとセネシャルが付き従い、わずかに先行した。そこに残り1kmの手前でピーダスンも合流。最後は4人でゴールスプリントを競い、昨年の世界チャンピオンだったピーダスンが難なく制して初優勝した。ヘント~ウェヴェルヘムが予定通り3月に開催されていれば、彼はアルカンシエルを着てこの勝利を祝うことができた。

■ヘント~ウェヴェルヘムで初優勝したピーダスンのコメント
「3人の選手がグループから飛び出し、ボクはファンデルプールとヴァンアールトがそれを鎮圧するのを望んだが、彼らはそれをしなかった。だからボクは何とか飛び出して、最後尾に留まり、そこから自分のスプリントをする事ができた。ロングスプリントが好きなんだ。特にこういう雨が降ったり止んだりする天候のせいで、ものすごく厳しいレースだったけれど、うまくあしらう方法を知っているから、ボクには良かった。間違いなく、ボクにとって最大の勝利の1つだ」

 

■第82回ヘント~ウェヴェルヘム結果
[10月11日/UCIワールドツアー/ベルギー/232.5km]
1. PEDERSEN Mads (TREK – SEGAFREDO / DEN) 05:19:20
2. SENECHAL Florian (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA)
3. TRENTIN Matteo (CCC TEAM / ITA)
4. BETTIOL Alberto (EF PRO CYCLING / ITA) 00:01
5. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI) 00:03
6. DEGENKOLB John (LOTTO SOUDAL / GER) 00:04
7. LAMPAERT Yves (DECEUNINCK – QUICK – STEP / BEL) 00:04
8. VAN AERT Wout (TEAM JUMBO – VISMA / BEL) 00:07
9. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN – FENIX / NED) 00:08
10. TEUNS Dylan (BAHRAIN – MCLAREN / BEL) 01:40


35歳のカヴェンディッシュが引退を示唆

ヘント~ウェヴェルヘム2020

序盤の逃げに加わったカヴェンディッシュは、ゴール後に引退を示唆する発言をした(©Bettiniphoto)

今大会で逃げに加わった35歳のマーク・カヴェンディッシュ(バーレーン・マクラーレン)は、ゴール後にベルギーのスポーツチャンネル『スポルザ』のインタビューを受け、感極まって言葉に詰まった後、「多分これはボクの競技キャリアで最後のレースだ」とコメントした。彼はレポーターの更なる追求には答えずに去っていった。

カヴェンディッシュは10月14日にベルギーで開催されるシュヘルデプレイス(UCIプロシリーズ)に参加する予定だが、今回の発言で不参加の可能性も出てきた。彼はシュヘルデプレイスで3回優勝している。

新型コロナウイルス再流行の影響で、今年のシュヘルデプレイスはオランダからスタートはせず、アントワープ郊外のシュホーテンのサーキットで開催される。

ヘント~ウェヴェルヘム公式サイト